草木往還 2022年 そらのべ 草木往還 目次 ****** 草木往還 2022年 *** 神社の木々はいっそう元気そうだった。 高架工事中の線路際で、エノコログサが1本、穂を立てているのが目にとまった。近くではノゲシやオランダミミナグサ、そしてナズナが咲いていた。 草が立ち並ぶ道端ではほとんどの草が枯れた。メヒシバが1本、緑色をとどめていた。 桜並木のキツネノマゴは枯れずに年を越した。 幼稚園のロウバイはほとんど落葉していない感じだった。つぼみがたくさん。 公共施設前の花壇の周りでこどもたちがスケートボードで遊んでいた。 グラウンド敷地の道沿いの端で2人立ち止まって、そこに腰掛けている人と話している様子だった。その2人が立ち去っていった。腰掛けている人はそのまま腰掛けていた。 丁字路のエノコログサの小さな茎は変わらず緑だった。 新築マンションの前の十月桜も変わらず花を咲かせていた。 *** 駅の橋上から遠い山々を眺めた。傾いた日差し。 *** 川の水は思ったより澄んでいた。大きな鯉がたくさんいた。 くすのきの土手ではこどもたちが凧を揚げていた。 土の遊歩道は人が多かった。 畑の端ではホトケノザやオオイヌノフグリやタネツケバナやナズナが咲いていた。ヒメジョオンの小さな株も咲いていた。 川土手の小さなセイタカアワダチソウは人とすれ違ったのであまりよく見えなかったが、枯れてそこに居るように見えた。 土の遊歩道の脇に、大きな仮設の照明が立っていたのを行き道に見た。帰り道に通ったときには、その照明に係の方らしき方が灯油のようなものを入れていた。正月3日だが、夜にここを歩いて帰る人も多いのだろうか。 河川敷の公園と住宅地の場所にひさしぶりに来た。立ち並ぶきれいな家々を眺めて、そしてその先の住宅街を歩いて、自分は人生を間違えたのだと詮無く思った。 畑の端に細い葉の何かの草が小さく太く立っていた。陽はだいぶ傾いてきていた。 ポケットパークのような小さな公園のあずまやに人影が見えた。目が合ってあいさつしてお話しした。コーヒーが飲みたいのでお金がほしいと言われ、お金がないので歩いて帰っている途中ですと話した。 この人生で仕方なかったのだ。そう思っているうちに公園が近づいた。夕日を照らし返して、小さな川がすすきの穂に囲まれていた。 *** ブロック塀の草の場所、やはり薬が使われている。 高速沿いの公園が再整備工事中だった。木々を残して整地。木の根も見えたので伐採された木もあったのだろう。 病院横の細長い草地は春の草がいっぱいだった。トウバナが以前出ていたのは知っていたけれど、コナスビ、トウバナ、ハハコグサ、オランダミミナグサ、アメリカフウロ、キュウリグサ、マツバウンランなどが咲いていた。 桜公園の手前の草地が公園として整備されることになったと聞いたので来た。以前は湿地だったのではないかと思うが水は溜まっていないようだった。林にはくぬぎなどの木々が見える。底の平坦部はヨシらしき草が枯れて埋め尽くしている。まわりの斜面にいろいろな草がいるようだが、珍しい種類のものは見当たらない。 桜公園の桜は変わらない様子だった。鳩が電線に何羽もとまっていた。池のほうにジョウビタキが見えた。アザミのロゼットが出ていた。 中央公園は歩道沿いのけやきが並ぶ一帯も工事されていたが、けやきの直下の草地の部分は残りそうだった。角は完全に広場になり、テーブルと椅子が数セット置かれていた。くすのきは枝に緑の葉が茂り、いちおう大過はなさそうだった。 道際のソテツは葉が1枚だけ伸びていた。下にアカメガシワの幼木が居て、そちらは見逃されているようだった。 川沿いのお寺だと思う場所のムクノキは強剪定が入ったようだった。いま思うと前回ここを通ったときすでに切られていたかもしれない。 橋のほうへ回る。以前に通ったときもここで何か草か木か見た覚えがあり、今回もああと思ったけれど、書いているいまはもう思い出せない。 自転車屋さんだったか、正面にいろいろ植木鉢が置いてあるお店の植木鉢が、あまり水が遣られていないようだった。 道端のヒメウズの近くが舗装し直されていた。ヒメウズの位置も長期的に見ると工事が入る可能性があるのかもしれない。 *** 池に面した葬儀社の横の池の干潟のようになっている所に、ゆりの花のようなものが見えた。 桜の跡地のマンションはほとんどできあがっているようだった。手前の排水溝の網に、何かの落ち葉が引っ掛かっていた。 丁字路のエノコログサは枯れていないようだった。 グラウンドでフライングディスクを投げている方々を見た。山があおく見えていた。 変化があったことは書けるけれど、いま変化したわけでないことは書きづらい気がする。市役所のいちょうの木々の主幹が切られていることに気づいた。横から芽が出ているので最近のことではないだろう。 大晦日だったか、スーパー近くの公園の木々に通りすがりにちょっと挨拶して帰ったのだった。今夜も通った。くろぐろとしていた。 柿の木のお家は灯りが点いていた。 *** たんぽぽのグラウンドはかなり念入りに草が取られているようだった。 自分は何をしているんだろう、と思いながら歩く。陸橋のクロガネモチはたくさんの実をつけていた。 ゴルフの練習場の横にもクロガネモチらしき木が立っていた。裏手には何かの芋の葉。 線路際の場所に枯れたエノコログサの穂が車のライトの逆光で見えた。 *** 信号で止められて、青になったこちらに何か見るべきものが…と考えて、幼稚園の蝋梅を思い出した。この前はまだぜんぜん咲きそうでなかった。道を渡って行ってみた。葉をたくさんつけたまま、花が咲いていた。 白い猫が陽のあたる道をゆっくり歩いて渡って行った。道沿いのお家の軒先に、大きないちごのクッションが干してあった。 成人式の会場になっているらしかった。表の広場にたくさんの若い方々が集まっていた。そこから帰っていく方も少し見えた。 公園へ続く市役所横の並木の下を歩いていて、何か思ったのだったけれど、いまもう思い出せない。 公園はあたたかかった。オカリナを吹いて帰るときに、絵を描いている方がおられた。水彩。絵を見させていただく。正面のプラタナスが色を塗り残して白く浮かび上がっていた。先生をしてらっしゃるらしい。絵を描いてみませんか、とおっしゃっていただいた。 公園を出た。橋の上でこどもさんが2人、川の水面をのぞきこんでいた。山も空も青かった。 戸建て団地の歩道の上で、小さなこどもさんが私をまっすぐ見つめていた。お母さんは目を合わさない。こどもさんにほほえんで先へ行った。 駅前はにぎやかだった。分散初詣が続いているのだろう。 史跡の端で紅梅が咲いていた。この木だけ咲いていた。陽があたってあたたかかった。 裏手の草原で、ハンドパンを鳴らしている方が。近くに行くのをやめて、聞こえてくる音を聴いた。 日が山のほうに降りていく。前を歩いていた方が土手の上を歩いて行くので、後をついていくように土手に上がった。山々がずっと見えていた。 土塁のくすのきの場所で休んだ。向こうのはぜの木のところでは、親子さんが遊んでいた。日が沈んだ頃だった。 さきほどこどもさんたちがのぞき込んでいた川の別の場所の橋を渡る。さきほどだけれどだいぶ前のことのようだった。水面が街灯か何かの明かりに照らされていた。 公園の十月桜が2本、枯れていた。落葉できなかったようで、枯れた葉がたくさん枝に残っていた。出口に近いほうの桜は花をわずかに咲かせていた。 *** 解体工事中のビルの緑地の木々は残っていた木も伐られたようだった。入口の蛇腹扉のすきまから、メリケンカルカヤらしき草の枯れ姿が見えた。 街路樹けやきの撤去された跡は新しいタイルが敷かれていた。 美術館は新装オープンして初めて入館したかもしれない。人が多かった。部屋の配置が変わっていた。以前見ていた彫刻のかずかずが、館内と館外に立っていた。 水辺の公園のふだんはあまり通らない水辺を歩いた。こちら側にしてはめずらしく人が少ない。誰もいないベンチに掛けたが、見慣れない景色にあまり落ち着けなくて、先へと歩いた。 公園まわりの蝋梅が咲き始めていた。香りはわからなかった。 旧小学校のえのきは工事の隅で変わらずにいた。このまま残されてほしい。 *** 線路際の場所に日が差し込んでいた。ナズナが陽を浴びていた。その横にオオイヌノフグリの葉が出ていた。 *** 桜の下のキツネノマゴは緑のままでいる。 ナガミヒナゲシの観察をしていた小さな場所でナガミヒナゲシの葉が育っていた。小さくはないものも。 いろいろな草が出てくる信号の下はオランダミミナグサとナガミヒナゲシの葉が出ていた。 シートが掛けてある空き地の端で、小さな丈の草に白い花が咲いていた。よく見たらイヌホオズキだった。こんなに小さく育って咲いているのかと思った。 ムラサキカタバミの角は、ムラサキカタバミとホトケノザの葉が出ていた。 *** 陥没した道のけやきはいくらか大きくなったのかもしれない。けやきの下に小さなけやきが出ていた場所では、小さなけやきがひこばえのようにして大きく育っていた。 公園と区役所を取り替えて区役所が建っていた。建物の前に大きないちょうが2本。どうも公園の木を移植したように見えた。まっすぐそびえていた。 客引きに会いそうであまり通らない一帯を通っていて、小さな公園があった。よく見ればまわりにはアパートも一軒家もあるのだった。今度この公園に寄ってみたいと思った。 小さな橋の上を通りながら川を見た。建物の裏側が並ぶコンクリートの岸から、柿の木が川へ迫り出していた。たくさん実がなっていた。実はどうなるのだろう。 *** 線路際の場所ではナズナがずいぶん大きくなった。その隣でエノコログサが枯れていた。 スーパーの裏手で若い方が屈んで煙草を吸いながらスマートフォンを扱っていた。冬枯れしたセイタカアワダチソウが後ろで立っていた。 年を越したキツネノマゴは元気そうだった。 このごろ、通りすがりの犬に見つめられることがときどきある。公園で見られているのだろうか。 駐車場の角にいろいろな草や木が出ている場所、いまはホトケノザが小さく葉を広げている。 満開のオニタビラコがいた場所はオニタビラコでなくノゲシが出てきた。もうひとつロゼットがあるが、ヒメジョオンのような感じだ。 *** 2つ信号の場所は、はこべの仲間の葉がたくさん出ていた。オニタビラコのロゼットも1つ出ていた。端のエノコログサは枯れていた。 スーパーマーケット跡地はよく見るとヒロハホウキギクが枯れずにいるようだ。色は全体的に紫になっていた。 団地の隅でセイタカアワダチソウが白くなって立っていた。 大通り沿いのマンションの陰に大きな木がいた。実がなっている。イヌビワのようだった。 道路のこちら側を通ることにした。エノコログサが枯れて立ち並んでいた。 もう種類の呼び名もどうでもいいのだと思った。それよりは見ることがたいせつだ。工事のフェンスの下に並んでいる小さな草を見分けずに見て歩いた。 排水溝の網から伸び出ているくすのきは元気だった。 行く手に大きな赤い月が出ていた。 公園が改修されて木々がびわだけになって、そのびわが枯れた様子だったが、そこに見に行くことまではしないでいた。道のこちら側を歩いていたので、公園に行ってみた。枯れたびわは立ち入り禁止のポールに囲まれていた。工事の告知が出ていた。今月末からびわの撤去と新しい木の植栽がおこなわれるらしい。びわの樹皮は剥がれかけていた。そっと触れた。 もと陸橋だった場所の、去年ホトケノザが咲いていた位置は、ほぼ均されていた。そのうち舗装されそうな様子だった。 *** 草が立ち並ぶ裏の道は草がすっかり枯れた。ホトケノザが少し出ていた。 桜の下のキツネノマゴは元気にしている。 以前マンションが建つ前にヒメウズが出ていた隅の場所に、きのこが出ていた。 丁字路のおそらくエノコログサだと思う小さな草は色があせてきた。 西の空へ大きな飛行機雲が伸びていた。空一面に高い薄い雲が出ていて、その雲に飛行機雲の影が落ちている。通り掛かった保育園の中でこどもさんが雲の話をしていた。立ち止まって振り返って雲を見た。親御さんらしき方がこどもさんと雲を見て、飛行機雲ねと話をしていた。 この冬もさざんかがよく咲いた。少し色あせてきた。 幼稚園の蝋梅はあいかわらず葉をたくさんつけたまま咲いていた。 こぶしの小公園ではこぶしがたくさんの小枝をまっすぐ上へ伸ばしていた。 *** 線路際のフェンスの向こう側で以前ノゲシが大きく育っていたのだが、またノゲシが大きく育っていた。咲いていた。 ばったが踏まれていた。暖かくなってゆっくり出てきたのだろう。近くのかたばみの上に移した。 そのあと指を消毒しようとして、携帯スプレーのキャップを側溝に落としてしまった。ばったを動かすべきではなかったということなのか、それとも指を消毒すべきでなかったということなのかと、少し考えた。 塀があって何か植物が茂っていたお家だったのではないかと思う場所が更地になっていた。 空き地の小さなイヌホオズキは花がなくなった。 側道のシロバナタンポポは出ていない。葉がまったく見えない。 まわりにいろいろ草が出ている駐車場、ノゲシがたくさん咲いていた。 踏切に花が手向けてあるようだった。この場所だったかと思った。花そのものは遠くてよく見えなかった。 ベンチの手すりにあざやかな黄緑のあぶらむしが1匹とまっていた。陽を浴びているのだろうか。 お家の角のヤナギバルイラソウはややしなだれた様子だった。 桜の下のキツネノマゴは少し色が褪せてきたように見えた。 *** 小学校裏の大きな木が伐られていた。あたりが明るくて気がついた。猿田彦さんの木も刈り込まれていた。どう考えても裏のお家の関係だろう。 擁壁の伐られた桐の木は動きがない。 陸橋を下って行く坂の途中、割れたガラス瓶の破片のようなものが路面できらきら輝いていた。うち1個はそこに置かれたような感じだった。近くに街路樹のくろがねもちの実が落ちていた。 駐車場に止めてある車のタイヤの真横でナズナが咲いていた。 いろいろな草花が道沿いに植えてあるお家では、そらまめの仲間のような大きな白い花が咲いていた。紅梅もおとなしく咲いていた。 ふだん歩かない側の歩道を行く。柵の向こうにさざんかが立ち並んでいた。ところどころ、フラサバソウが芽を出していた。 公園では今日もしろはらがさえずっていた。 空き地のイヌホオズキは小さく咲いていた。振り返ったときにエノコログサの穂が高く立っているのが見えた。 刈り込まれた神社の桜は徒長枝をだいぶ出していた。以前のような大きな桜に戻りたいだろう。 *** 花の写真が印刷されている工事のフェンスの下でノゲシが葉を広げていた。それからかたばみ。 鋼板の脇でホウキギクが咲いていた。 線路脇の椿はまだつぼみも見えなかった。 去年ホトケノザを見た陸橋の撤去跡で整地が始まっているのをこの前の夜に見たが、ホトケノザの場所はやはり崩されていた。草の姿はまったくなかった。少し歩いた先のお家の入口にホトケノザの葉が出ているのを見た。 排水溝のくすのきを写真に撮った。 伐られた歩道のナンキンハゼはひこばえを出している。葉があった。変色していた。 商店街の裏手の池のほとりでコスモスが咲いていた。アパートにお住まいの方らしき方が日なたのテーブルで過ごしてらっしゃった。 小さな公園の桜は桧原桜のこどものはずだが、札が無くなっていた。元気そうではあった。 ひさしぶりに通る道。小さな敷地にいろいろな植物が植えてある。菊のような花が見えた。その先の水路では対岸のお家の庭からさざんかの花やきんかんの枝と実が飛び出していた。 高架下の道。ここでもホウキギクを見た。イヌガラシに似た黄色の花も咲いていた。 病院横の春の草の道は春景色だった。エノコログサは立ち枯れていた。 桜公園の隣の旧池のほとりの雑木林。くぬぎはこの前のときに気づいたが、とても大きな椿の木がいる。端にはカイヅカイブキが植えられていて、民有地のようにも見える。植物についてきちんと調べたほうがいいはずだと思った。 この道は草が生えてなさそうで、それよりは表通りのほうが草が見られそうだ。そう思いながら歩いていて、お家の塀の下の隙間からランタナらしき葉がちらっと見えた。 工事中の公園の歩道のけやき一帯はやはり残されるようだ。縁石が整備されつつあった。 池を囲む緑豊かな公園。落ち葉で足が滑りそうになった。ハリエンジュだと思う木にさやが残っていた。 坂のほうへ入って行く道を行ってみた。桜が立ち並ぶ。水仙が咲いている。曲がって行く先が行けそうかわからず、横の階段を下りてもとの道へ戻った。 川には白い大きな鳥が来ていた。ウマノスズクサを以前ここで見たが、昨季出ていたかどうかはわからなかった。 公園周りの蝋梅はさらに咲き進んだ。 水辺の公園。夕日の上に太陽柱らしき光が見えていた。 シロバナタンポポの坂は、草が刈られたような様子だった。シロバナタンポポは1株、ロゼットを作っていた。 信号の場所の小さなびわの木は花の跡がなかった。 *** 踏切の前で荷物を下ろした。そこにノゲシがいた。少し咲いていた。あぶらむしがいるだろうかと思って茎をつまんで見た。つぼみのところに小さな粒が見えたけれど、あぶらむしかどうかまではわからなかった。ノゲシの腺点だったかもしれない。そうしているうちに踏切が開いた。 お家の敷地の角に小さな菊が咲いていた。お家の敷地には畑があるようだった。お家の方が何かなさっていた。 かつらの広告を出しているけれど理髪店。店先にいろいろな人形が飾ってある。時計が動いていた。 小公園のさざんかはだいぶ散っているようだった。 これまで気がつかなかったが、お家の塀の下に小さなさざんかがいた。赤く咲いていた。寄って見た。コンクリートが少し欠けていてそこに生えている。苗を植えられるとは思えないくらいの隙間だった。たねを置いたか植え込んだのだろうか。世話をされているのはまちがいなかった。あざやかに咲いていた。 草が並ぶ道では枯れたエノコログサが手を振ってくれるように穂を揺らしていた。 *** 交差点角のこぶしの木が無くなっていた。植え枡がアスファルトで埋められていた。立ち尽くした。 別の場所の工事中のビルの横でも空の植え枡を見た。 区役所の角は小さな広場のようになっていた。奥に土を入れた斜面ができていた。 シロバナタンポポがひとつ花を咲かせていた。 公園入口の植樹帯が更地になっていた。道を挟んだ植樹帯は工事の最中だった。大きないちょうの木は残すのだろうか。 あてにしていたカレー屋さんがもう閉まっていた。 中の島で休んで楽器を鳴らす。鳥たちがわあっと向こうのほうへ集まって行った。 旧小学校のえのきが残されるのであればうれしい。わずかに広がる暮れた空に黒々としていた。 *** 草の並んでいた道は、枯れた草のあいだに、ホトケノザやはこべが出ていた。 キツネノマゴはそれぞれの葉が半分ほど変色しているが、生きているようだった。 丁字路の草は人がいて近づけなかったが、枯れた色をしているようだった。 けっこう寒かったのだが、空き地のイヌホオズキは花を咲かせていた。 桜もあとひと月ほどで咲き始めるのだろう。無理しなくていいからねと思いながら桜が囲むグラウンドを通り抜けた。 *** だいたいいつもの道を行くことにした。 草の立ち並ぶ道ではオオイヌノフグリらしき葉も出ていた。 桜の下のキツネノマゴはしっかりしていた。 丁字路の小さな葉は、やはり枯れていた。 日差しの中に芯のような、どんと来る強さを感じた。春は最初は日差しの中に来るのだとわかった気がした。 川岸のくぬぎが枯れ葉をまとっていた。くぬぎはやはり落葉しにくいのだろう。 曲がり道のシロバナタンポポは葉も出ていなかった。 マルチシートの空き地はシートが少しめくれていた。シロツメクサが出ていた。 斑入りすすきのお家のすすきは穂が刈り取られていた。数本残されていた。穂はまるまっていた。 スプレーキャップを落とした道に差し掛かった。側溝の穴をのぞき込んだがわからなかった。 *** 2つ信号の場所ははこべの仲間が多く出てきた。オニタビラコの葉もこころもち大きくなった気がした。信号が青だったので、通り過ぎながら枯れたエノコログサを見遣った。 スーパーマーケットの場所のヒロハホウキギクは生きているのか枯れているのかよくわからなかった。茎はすっかり紫になった。 川辺は昨シーズンもメガルカヤが出ていたようだった。枯れた茎が穂を立てていた。オガルカヤも少しずれた位置でたくさん出ていた。メリケンカルカヤも立っていた。 丘の公園へ上がっていく道を見つけた。あっというまに知っている場所につながった。猫たちがやってきた。 ビロウだという話が新聞に載っていた、そのビロウを訪ねる。いつもここで目にしている。これまで特に何だと思うこともなかったのだった。葉先がたしかに割れている。 山桜の木は変わりなかった。ここでもキツネノマゴが生きているようだった。イヌコウジュはすっかり枯れていた。 わりと茂っていた植樹帯がこの前工事に遭っていたが、どうも花壇になるらしかった。桜も植えられるらしい。残された1本のいちょうがしずかにしていた。 都心公園の葉牡丹はあざやかになっていた。日の当たるときにまた見ようと思った。 *** 踏切待ちのあいだまたノゲシを見た。電車の風で向こうのチチコグサモドキか何かが揺れた。 道を曲がった。廃屋にネットが掛けてある。その前にプランターがあった。はこべの花が咲いていた。 陸橋をくぐる通路の途中に、種類がよくわからない草が生えていた。寄って手に取って見てみるがわからない。写真に撮る。そのあいだ、通る人が何人も。立ち去るとき、いま通り過ぎていった方がこちらをちらっと振り向いたのが見えた。 伐られた柿の木は芽がわからなくなっていた。 公園の木蓮の跡は何か生えていたなんとなくの跡だけになった。 また飛行機雲が出ていた。今度は少し薄くなっていた。 道沿いの小公園の山茶花はだいぶ散った。 お家の塀の下の小さな山茶花は、変わらずあざやかに咲いていた。 桜の下のキツネノマゴは葉が半分枯れている。それでも元気ではいるようだった。 線路際の場所はナガミヒナゲシのロゼットがいた。だいぶ大きい。 セイヨウタンポポの電柱跡。ずっと居たスズメノカタビラもすっかり枯れたようだ。いまは地上には草はいない。隣の排水溝の中に何かが茂っている。 *** 公園の枯れているように見えた木は桜ではなく別の種類の木だ。冬芽が生きているようだった。十月桜はぽつりと咲いていた。 緑道のくぬぎも落葉しきっていない。 ポケットパークに設置されているまちかど文庫を見てみた。こども向けの本がほとんど。暮らしの雑誌が少し。アンケートとノートが置いてあった。ノートには何か計算したあとがあった。 この道はどこへ続いているだろうと思って、新しい道へ入った。住宅街。交差点で曲がったところに昔ながらの黒い木の塀が見えたので、どこへ続いているか確かめないで道を曲がった。木の塀は民家のようだったが、住んでいる様子ではなかった。 踏切で電車通過を待つが、なかなか来ない。隣に背丈を超えるくらいの幼木がいた。枝が顔のあたりへ伸び出している。つまんで冬芽を見た。小さい。葉が少し残っているがしわしわになっている。枝や幹の様子から、たぶんアカメガシワだろうと思った。 きょうも飛行機雲が出た。もうかすれている。 この前のときに気付いたけれど、保育園の横の歩道の縁石に沿って、ぽつぽつとノゲシがいる。どれも小さめで、そっと花を咲かせている。保育園の敷地の端にも見つけた。そちらは花を閉じていた。 蝋梅の所を通ろうと道をそちらへ取った。蝋梅の手前で、こどもさんを連れた方が、いい香りがする、と言った。ああやっぱり、蝋梅の香りがした、と言いながらすれちがっていった。 桜の下のキツネノマゴは少し元気がないように見えた。 草が立ち並んでいた場所へ曲がろうとすると、こどもさんと親御さんが立ち止まっていた。でんしゃ、と、こどもさんが言っていた。 *** 街路樹のヒトツバタゴの下にオタフクナンテンが植えられていた。ここに植えられていた花などはどうなったろうと思った。 列車待機場の高いコンクリート塀が金属の網状のフェンスに替わっていた。工事をするためというよりこれが恒久設置される感じに見えた。入口のところにイヌビワなどが茂っていたはずだが、あとかたもなくなっていた。 街路樹のこぶしは剪定が入っていた。 緑っぽいので道を曲がってみた。団地の端。切り株が並んでいた。カイヅカイブキなどが立ち並んでいたのだろう。立ち木は1本もなかった。児童遊園スペースが人影無くがらんとしていた。 先日通り掛かったときにお家の横の椿らしき木をお家の方が自力で伐っているところだった。ご近所さんらしき方がその様子を心配してその方とお話ししていたのだった。そのお家の横を少し離れたところから見た。白い切り株が見えた。 むかし伐られた街路樹いちょうの切り株のところにはホトケノザがたくさん出ていた。 桜の下のキツネノマゴはもう暗くなっていたのでいつもとの違いはなんとも言えないが、弱っているように感じた。 *** 桜の下のキツネノマゴは疲れが濃くなっていた。葉の変色が進んで、これまで元気だった株も一部の穂が枯れていた。 桜の跡地のマンションの十月桜は花がぱらぱらになっていた。 駅の地下通路へ向かう小さな横断歩道が明るく照っていた。 暗くなったので空き地の草もよくわからなかった。枯れたエノコログサの穂だけが何かの明かりに照らされていた。 あと1か月もするとここの桜も咲いている。そう思いながら歩く。その先の十月桜がいっぱいに咲いていた。 *** 道路沿いの小さな公園の古い桜が2本伐られて新しい桜が2本植えられていた。 都市高速の下の信号を渡るとすみれが咲いていた。 市場の跡地は大きな建物が建ち、道路側は緑地になるようで整備工事が進められていた。敷地の道路沿いの水路は完全に無くなった。街路樹も一部は新しくなっていた。ここにいたエノキやナンキンハゼやすみれはもう見当たらない。敷地の端のところの街路樹植え枡にぎしぎしの仲間が大きな葉を出していた。 植え替えられた街路樹いちょうはあまり大きくなっていない。 再整備された公園にしばらくぶりに立った。以前は大きなくすのきがいて、この時期に撮った写真も緑が多かったが、いまは小さな樫などの木とオタフクナンテンが緑色をとどめているだけ。親子の方々が最初1組遊んでいた。だんだん増えてきた。公園の木と草を見てまわり、最後に以前の公園時代から1本だけ残されたトウカエデの冬姿を見つめて写真に撮った。 川は泡を立てて流れていた。その水面にたくさんの鴨と水鳥。鴨は水にときどき顔を沈めていた。 バス停のそばにアスファルトが新しくされた様子があり、水仙の葉がその舗装を突き破って出てきていた。たぶん植え込みだったのだろう。その先の植え込みに水仙が立ち並んで咲いていた。 同じようにして舗装の継ぎ間からナズナが出て咲いていた。 *** スーパーマーケット跡地でヒロハホウキギクが1株、濃い紫になって生きているように遠目で見えた。 公園の水仙は今年も葉を出していた。 蝋梅が光り輝く。雪が降る。 丘陵を越える道で帰る。林の下の小さな緑地でランニングの生徒さんたちが休んでいた。 わらぶき屋根の緑地では梅が咲いていた。少し香っている。道を挟んだ向かいの公園ではこどもたちが遊び回っていた。こちらには少し大きなこどもさんがやってきた。 駐車場の柿の木は水路の向こう側だった。網が食い込んでいた。 行きがけの電車の中から見た河川敷は工事が進められていた。たしか芭蕉が茂っていたはずだった。帰り道の少し場所が違う橋から河原を見た。こちらの芭蕉はだいじょうぶだった。 その橋の上から脊振の山々が見えた。雪が降っているようだった。夕暮れの赤が残っていた。 小径のそばの古いお家が無くなっていた。敷地の端に何かの草が出ていた。水仙だったような気がする。 *** 斑入り山茶花が今年もあざやかに咲いていた。 閉店したお店の前はノゲシがとても大きくなった。茎が太い。 満開のオニタビラコの場所でもノゲシが大きくなっていた。 公園の十月桜は青空の下。向こうのソメイヨシノの下でお二人腰を下ろしていた。 桜並木に掛かるくらいの低い飛行機雲。そのもうひとつ下にも飛行機雲が伸びていた。 線路沿いの場所のナズナがよく咲いていた。 *** 桜の下のキツネノマゴは1つの株がすっかり枯れた。生きているように見える株は2株。それでも葉の面積の半分以上が枯れている。 桜が伐られたという話を新聞投稿で読んで心配して来たが、土手の上の木々は桜も黄櫨の木もだいじょうぶだった。 大きな公園ではこどもたちと親御さんたちが遊んでいた。再整備されたのか、小さな丘と大きな遊具が無くなっていた。とても寒い。凧が揚がっていた。 川の対岸に回って歩く。桜は続いている。歩ける所まで歩いた。桜並木と表示されている一帯の端に、切り株が並んでいた。しかしここの切り株は古いもののようだ。中が腐朽して皮が剥がれかかっている。そこから戻ろうとしたが、農地に入りそうなので引き返した。 投稿にあった団地の北端で、新しい切り株を見つけた。木の粉が残っている。株立ちになっていた木のようで、過去にも1度か何度か伐られたということだろう。芯には空洞があったが、ひこばえが出ていた。御投稿の方はこの切り株をご覧になったのだろう。 歩くことにした。古い町中を歩く。ぼたん雪が降りてくる。 線路の横を遠くまで道が続く。農地のまっただ中。車がたまに通るだけ。遠くの山は大雪のようだ。夕日が雪雲に半ば隠れながら照っている。すさまじく寒い。手袋を外して少しカリンバを鳴らしながら歩いた。すぐに指が痛くなってやめた。手袋をしても指がちぎれそうだった。暑い中を歩くのも思い出になったが、この寒さは今年体感したいちばんの寒さになるだろうと思った。 むかしの戦場だったという碑の後ろに大きなくすのきが立っていた。 神社の梅園に入った。むかし少し知己を得ていた方が亡くなった奥様を偲んで寄贈なさった梅がたくさんの花を咲かせていた。もう日が暮れたけれど犬の散歩の方が梅園を巡っておられた。 帰り道にその犬の方を後ろからお見かけした。お家へ戻っていくところだった。 河川敷の木が無くなっていた。なんきんはぜだったと思う。木の場所へ駆け降りた。以前もそうだったがナズナがたくさん生えていた。切り株は無かった。 *** キツネノマゴは昨日と大きく変わった様子ではなかった。 新築マンションの十月桜は花が終わっていた。 マルチシートの空地はシロツメクサが目立ってきた。 遊歩道のシロバナタンポポは小さな葉が出てきた。むしられないでほしい。というよりむしらないでほしい。 振り返ると山があざやかだった。 公園のメタセコイアのこずえに雲が掛かっていた。冬空だった。 冬空のまま夕日が山へ降りていく。 小公園の山茶花は数輪の花を残していた。 もう日暮れなのに猫が塀の上でまるまっている。猫もえらいなと思った。 幼稚園の蝋梅は少し花が傷んできた。それでもよく咲いている。 キツネノマゴに少し触って立ち去った。 バスの元営業所では水仙が咲いていた。考えるとこの場所もやがて工事が入るのだろう。 線路際のナズナを見遣った。寒い帰り道だった。 *** 猿田彦さんの後ろの木が伐られていた。かわりに新しい苗木が切り株の脇に2本植えられていた。 事業所横の蝋梅が咲いていた。香りがよくわからなかった。 施設跡地に重機が入っていた。掘削の途中。跡地全体をどうかするというよりは一部をどうかしようとしているようだった。 あんのじょう横断歩道を渡りきれず中央分離帯で足止めになった。冬姿の若木が立っていた。何か実のようなものが枝から下がっていたが、蓑虫かもしれない。 シロバナタンポポの公園は最近草が刈られたようだった。シロバナタンポポの花は難しそうだと思っていたら、ひとつ咲いていた。 坂道の杉は花をつけていた。 坂の桜は切り株からひこばえをたくさん伸ばしていた。よく見ると花芽もあるようだった。 土手のシロバナタンポポはやはり草刈りに遭ったよう。土手の向こう側で低く咲いていた。 管理地のシロバナタンポポも低い丈でぱらぱらと咲いている箇所があった。 ひさしぶりの山並みが見える公園。見晴らしがいい上のほうは日陰になっていた。ベンチに腰を下ろして、冬姿の桜の間から山並みを眺めた。 梅園の梅も咲いていた。その先の田んぼではナズナがたくさん咲いていた。歩道の隙間からすみれが咲いていた。 考えてみるとこの道そのものは最近ときどき歩いているのだった。川の橋から山並みを眺めた。川には鳥がいた。 駐車場の梅は咲き始めたくらいのところだった。 居酒屋の前の薄紅草はヒメツルソバにおされていたが、出ているのは出ていた。 この坂道にはたしかカラミザクラがいたはず、と思いながら、梅を見ながら歩いた。カラミザクラはつぼみだった。 以前伐られた柑橘の木の切り株は草に埋もれていた。 山が見えるほうの大くすのきの林の残り半分も工事が入り始めたようだった。アレチハナガサやヤナギハナガサがいた場所。対岸の歩道から頭を下げて立ち去った。 *** 桜の下のキツネノマゴは葉がもうほとんど枯れて、穂にも枯れた部分が出始めた。 住んでらっしゃるのかどうかよくわからないお家。オニタビラコがたくさん花茎を立てていた。その先に大きなノゲシがいた。 保育園の横の歩道は小さなノゲシが立ち並ぶ。保育園の端でノゲシが咲いていた。この前同じことを書いたかもしれない。 その先の保育園の蝋梅は花の盛りは過ぎたようだった。でも香りが立っていた。 キツネノマゴに一例をして去った。 *** 2つ信号のオニタビラコは花の茎を伸ばし始めていた。 また解体工事が行われていた。でもその前に何があったか思い出せなかった。家ではなかったような気がする。 水辺の公園の木の上のほうからとんびの声がしていた。 ひさしぶりに広場のまんなかの木の場所に来たけれど、ベンチに物が置いてあって、近づくのを遠慮した。 桜の小径の旧裁判所側の土手にもっと木がいた気がするが、上が空いていた。撤去工事が進んでいるのかもしれない。 解体工事中のビルの緑地部分はその後手が着けられていないようだった。暗がりの中に切り株が見えていた。 *** 都心公園の葉牡丹はあざやかになっていた。 昨晩様子を見た解体工事ビルの緑地はやはり変わらずだった。切り株もそのままだった。 閉鎖された公園は一部の木が敷地内の別の場所に仮移植されてきている。この木は以前は公園の中心近くだった。だいぶ形が変わったけれど、大きな幹と枝の様子からたぶんあの木だろうと思う。 その公園の閉鎖されていない石垣の上に並んでいた夾竹桃が切られていた。切り株が点々と残っていた。 椅子が置かれている公園は椅子がだいぶ使われていた。 小学校跡地はフェンスに囲われた。蘇鉄が取り残されたようにこちら側に残されていた。 ひさしぶりの港の公園はけっこう人出があった。船着き場で腰掛けてひとりお弁当を食べている方も。 緑の公園は今日は猫に会わない。草を見ながら歩く。 キツネノマゴは生きていた。元気なようだった。 シロバナタンポポが出ているかと思って展望台に寄ってみた。カンサイタンポポが咲いていた。 ホットドッグ屋さんは6人待ちだった。向こうでお父さんに見守られてか見張られてかリコーダーを吹いているこどもさんがいたので、ホットドッグ調理を待つあいだに様子を見に行ったら、いなくなっていた。ホットドッグを持って中の島へ渡ったら、またリコーダーの音が聞こえてきた。 城跡の公園は最近伐られたらしき切り株がところどころにあった。えのきが多い。 梅園は梅の香りが立ちこめていた。もう日暮れが近いが、梅のあいだを歩いてまわる方が少なくなかった。 メタセコイアが立っていた場所。工事が終わったようだ。色が変わった切り株が残っている。イヌコウジュが出ていた場所だが、イヌコウジュの出ていた様子は見当たらなかった。 *** フェンスの向こうにプレハブ建物が建っていた。ノゲシの位置。もう1本のノゲシは残って咲いていた。 線路脇の場所の手前でオランダミミナグサの花の白があざやかだった。 桜の下のキツネノマゴは、枯れないでいた株も葉がほぼ枯れた。枯れた株は色の褪せた穂を傾げていた。 保育園の敷地の端のノゲシは今日は咲いていなかった。歩道の縁石のノゲシはいくらか咲いていた。 公園の梅はだいぶ散った。でもこれからもっと咲きそうな木も。 お家の脇の小さなさざんかは花を終えたようだった。 *** 桜の下のキツネノマゴは生き残ったすべての株がしおれてきた。それぞれの株のわずかに残った緑の色を見つめる。 傾いた日差しのためだろうか山が赤く見えていた。 遊歩道のシロバナタンポポは少しずつ少しずつ葉を広げていた。 公園の十月桜はたくさん花を咲かせていた。 *** 桜の下のキツネノマゴは茎の根元近くだけに緑色や赤色が残っていた。 植え込みの小さな薄紅草につぼみが2つあった。いまが花の盛りなのだろう。 お家の脇の小さなさざんかは遠目、ところどころに花びらの紅色が見えた。つぼみなのか散り残っているのかはわからなかった。 *** グラウンドにノボロギクが1本だけ出ていた。花を咲かせていた。 学校の敷地の隅の大きな木が伐られたが、その学校の校庭に丸太になった木を積んだトラックが止まっていた。 伐り開かれた小山は木々がひこばえをたくさん出していた。クサイチゴが地面に茂っていた。 街路樹いちょうの切り株を囲むホトケノザがいっぱい花を咲かせていた。 *** 解体工事中のビルの緑地は大きな変わりはなかった。 史跡公園の切り株を見て歩いた。向こうを歩いている人がやはり切り株をごらんになって、去っていった。 その公園の木陰の一角に、公園で撮られたらしい写真が地面に並べてあった。どなたかが展示したのだろう。その中にエノキが切られた写真があり、その場所を訪ねた。石垣とその手前に大きな切り株があった。 カレー屋さんはまた間に合わなかった。 カンヒザクラが咲き始めていた。 日が傾いてきた。シロバナタンポポが花を眠らせようとしていた。 *** 桜の下のキツネノマゴは茎の下部にわずかに緑味が残るだけになった。 お家の脇の小さなさざんかが、花を1つ咲かせていた。この前見えたのはつぼみだったのだ。 ホームベーカリーのお家のノゲシがさらに大きくなったような気がした。 その先で、たしか先日もここで煉瓦を埋めてらっしゃったお家の方が、その続きをなさっていた。時間がそうとう掛かりそうだった。 坂の下のお家でカラミザクラが咲いていた。お家の方が表に出ておられたので、お家の横を反対方向へ抜けながら香りを少しだけ嗅いだ。 早く咲く桜を見てみたが、まだ殻が割れてもいなかった。十月桜は小さな花をたくさん咲かせていた。 *** 桜の下のキツネノマゴは、他の草にまぎれて生えている株だけが茎に緑味を残していた。手前の株は枯れたようだった。 公園のさざんかは花が終わっていた。 *** 桜の下のキツネノマゴは最後の株が色褪せた。 お家のカラミザクラが満開のようだった。近くまで寄ったが香りがあまりよくわからなかった。 *** 都心公園の葉牡丹の隣でホトケノザが咲いていた。 お寺の梅がきれいだった。カラミザクラも咲いていた。 初めて入る細道。よく知っている道へと続くはず。神社の前を抜けて先へ行くと、以前トマトの苗が残っていた空き地に出た。トマトの跡はわからなかった。 スーパーマーケット跡地の中のヒロハホウキギクは遠目では生きているように見えた。近くの株はいずれも枯れたようだった。 公園のカンサイタンポポが1つだけ花を咲かせていた。カンヒザクラが満開になっていた。 学校の横の広大な空き地は何か出来るようだった。ここで何かの草を見た覚えがある。敷地に沿う歩道の脇に、よくわからない草が生えていた。花も咲きそうだったがまだ咲いてはいなかった。 交番の横の空き地は以前ノースポールが咲いていたのだった。その空き地も何か出来そうな様子だった。 川辺で休んでオカリナを吹いてパンを食べた。隣の遊歩道の小さな坂で、乗り物に乗ったこどもさんが転んで泣きそうになったが、立ち上がった。様子を見ていた。こどもさんと目が合ったがお母さんとは目が合わなかった。 ヒナギキョウがいた街路樹の植え枡が街路樹も含めて無くなっていた。 再整備されると聞いていた公園はあまり大きく手が入らなかったようだ。でも公園の端の遊歩道沿いの木々が新しくなっていた。橋も舗装され直したようだ。橋の途中の東屋のところで以前たしかキュウリグサを見たような覚えがあったが、わからなかった。何かの低木の赤い実があざやかだった。 夜の都心公園の高くそびえるいちょうの梢のさらに上に、雲に隠れながら月が照っていた。 *** 桜の下のキツネノマゴをいつものように見た。 ホームベーカリーのお家のオニタビラコが森のようになっていた。ノゲシも大きく咲いていた。 角のお家のカラミザクラは思いがけないほど散っていた。 その先の保育園の蝋梅はまだ色あざやかな花が残っていた。 桜並木の桜が一輪咲いていた。 公園の桜は幹の根元近くで花を咲かせていた。 *** 廃止された公園の跡地を訪ねた。高架の下をくぐる道路が造られつつあった。桜のいたあたりの宙を眺めた。 桜並木は外郭団体の作業の方が長い棒で枝を落としてまわっていた。その様子を見るお散歩の方も。 キツネノマゴの様子を見た。最後の株は茎の根元がいまも生きているような色をしていた。 駐車場の端でナガミヒナゲシが伸び上がってつぼみを用意していた。 踏切を渡るとだいこんの花が咲いていた。花を摘んだ跡があった。 保育園では陽光桜が咲いていた。ちょうどそこで追い抜くかどうかくらいのペースで歩いていたお母さんとこどもさんが立ち止まって桜を見た。この桜きれい、と、お母さんが話していた。 その先のノゲシに手を振って行った。 お家の脇の小さな山茶花は花びらが残っていた。下に残ってもいた。 公園の桜はちらほら咲いていた。幹から咲いていた花は早くもほとんど散っていた。 十月桜も花の盛りを過ぎたようだった。花の色がだいぶ濃くなっていた。 *** 公園ではシロバナタンポポがいくらか咲いていた。外来たんぽぽと並んでいる花もあった。 ふだん人気がない小さな公園に人がいた。立ってうつむいている。考えられるのはつくしを探していること。 その少し先の道端につくしが出ていた。 いろいろな木を植えてある、お家か農園かわからない場所。白と紅の色が混じった梅が咲いていた。 見晴らし公園の桜はちらほらだった。後ろでこどもたちがお父さんと遊んでいる。空は雲が厚く、黒い雲も流れていた。 以前工事をして更地になってその後にスーパーマーケットができた。その敷地に大きな木が立っていた。そこにさしかかった。くすのきがしっかりと立っていた。 施設への坂道はカラミザクラの花がほぼ終わっていた。ぐみに花が咲き始めたようだった。 ここからは新しく通る道になる。山が見える。そちらのほうへ歩くのだと思うと、わくわくしてきた。 川を渡る橋に出た。土手の道で御家族のように見える人たちがいた。やはりつくし取りだろう。とても美しい景色だった。 中学校の建物が見えない。どうも丘の林の奥にあるようだ。大きな門の建物が建ち、その奥に急な階段が見える。生徒さんたちはこの階段を上り下りしているのだろうか。ひとり降りてきた。門の横で桜が咲き始めていた。 この道を歩いて通るとは。いちど車に乗せられて通ったときは、いい眺めの道だ、ここを自分で通ることがあるだろうか…と思った覚えがある。まさかほんとうに通るとは。眺めは前の時のほうが印象深かった。 山の中にオオシマザクラが咲いていた。少し行ったごみ処理場のところではソメイヨシノの若木がけっこう花を咲かせていた。牛のオブジェがたたずんでいた。 坂を下る。事業所の擁壁の下でトウダイグサが咲いていた。よく見ると、蜜に蟻が来ていた。食べるのに忙しいのか、動いていなかった。 こちらに公園があるらしいのでそちらへ道を採った。正面の山からパラグライダーが降りてきた。どうも手前の休耕地に降りそうだ。あれよあれよというまに降りた。遠くから拍手をした。 ナズナ畑が広がっていた。その向こうに大きな池。 神社らしい。とても大きなくすのきが鎮座していた。しかし太い幹をだいぶ切られている。境内のいちょうの木も強く剪定されていた。断面が新しい。奥のくすのきは森と名付けられていた。パラグライダーがここの上まで飛んできていた。 昔ながらの町かどを行く。水路にクレソンがたくさん群れていた。 森林セラピーの看板の前で、さっき買ったおはぎをいただく。雨が降らなくてよかった。竹カリンバを鳴らして、木々に挨拶をしてその場所を離れようとしたら、すぐそこにほかの方が掛けていらっしゃった。 *** 桜の下のキツネノマゴは最後まで枯れずにいた株が一瞬見当たらなかった。よく見ると、穂が折れて下に落ちていた。桜の花と入れ替わるようにして。 行き先を変えて公園に向かうことにした。池のそばを通る。たしかここに桜の木が立っていたと思うけれど、どこだかわからない。道を間違えているかとも思ったが間違えてはいないようだった。ボールを持ったこどもさんがどこかへ向かって歩いていった。 公園ではしろはらがオカリナを聴いてくれた。 戸建て団地の通りを抜ける。じょうびたきが見えた。お近くらしき方がゆっくり歩いてこられたが、じょうびたきが見える角度かどうかわからなかった。 大きなくすのきの一帯は菜の花が咲いていた。こどもたちが向こうで遊んでいる。その中から1人が抜けて、こちらのほうへ歩いてきたが、立ち止まって、遊びの輪のほうへと引き返していった。 小さなお社の横でこぶしが咲いていた。満開だった。 ここを通るときに立ち寄っていたパン屋さんが、当分のあいだ臨時休業するという貼り紙を出しておられた。 史跡緑地では梅の花がほぼ終わっていた。桜がちらほらと咲いていた。あずまやのベンチに椿の花が一輪、置いてあった。後ろの林の椿だろう。 別のあずまやではテーブルの上に紙飛行機が置いてあった。忘れ物なのだろう。あずまやは桜に囲まれてしずかだった。 テニス場の横では白木蓮が咲いていた。 草原の向こうの端で梅が咲いていた。たぶんもともとお家だったのだろう。手前でユキヤナギが白く大きく咲いていた。 菜の花がいちめんに咲いていた。カップルの方々がゆっくりしていた。こちら側の畑で、通り掛かりの人と畑の人とがコスモスの話をしていた。 川土手の小さなセイタカアワダチソウがどれだったかわからなくなった。 学校跡のカイノキはまだ芽吹いていなかった。草原のいちめんにヒメウズが咲いていた。スズメノヤリも花を咲かせているようだった。 夜の公園。ソメイヨシノはだいぶ咲いているようだったが暗くてよくはわからなかった。街灯の光を浴びている十月桜はこの前のときよりもたくさん花を咲かせているように見えた。 *** お家の跡地に残された桜は咲き始めていた。 公園の桜はいちばん早く咲いた木が5分咲きくらいに見えた。花見の人は誰もいなかった。 以前たしか小さなカフェがあった道だがカフェがない。新築のお家があるのでそこだったのだろう。難しかったのだろうかと考えながら通り過ぎた。 小さな川の小さな土手。草が刈られ、木が伐られた跡が見えた。しかし以前の様子はあまりよく思い出せなかった。 保育園の陽光桜を忘れて通り過ぎた。振り返るとあざやかな花の木が見えた。ノゲシは今日はおとなしくしていた。 お家の脇の小さな山茶花は花の色がちらっと見えた。つぼみか花の散り残りかはわからなかった。 小公園のこぶしが満開になって、街灯の光を受けていた。 *** 2つ信号の場所はオニタビラコのほか、ノミノツヅリがたくさん出てきた。アカカタバミもいる。 用事の順序をまちがえたことに気づき、道を変えた。マンションの前にこどもたちがずいぶん集まっていた。 明るい公園の横の少し落ち着いた教会の、公園とは反対側の隅に、ドクダミが葉を広げ始めていた。 城跡公園はお花見イベントの準備中だった。すでに人出が多い。木立ちの中も人が多い。山桜が咲いていた。 競技場裏の伐られた桜は動きがないようだった。切り株の上に、カンサイタンポポの花やつぼみが乗せられていた。 坂道のシロバナタンポポは、道の方々はたくさん出ていた。もう片側は草刈りがされたようだったが、少し出ていた。 公園入口の伐り開かれた植え込みの跡に、花がいろいろ植えられていた。 2世桜が咲き出していた。香りを嗅いだ。よく香っていた。 跡地南側の桜を見ている方と立ち話になった。以前はここにお孫さんを連れてきて蝉の抜け殻を採っていたそう。その桜にするすると猫が登っていった。 閉店の報道があった中華料理のお店。テイクアウトメニューがあれば父母に料理を買って帰ろうと思っていたが、お店の外にずらっと入店待ちの方々が並び、その最後に本日の営業は終了しましたと札が立てられていた。 広場では陽光桜が夕暮れにあざやかだった。 銀行前のこぶしはちょっとだけ咲いていた。まだこれからのようだ。 交差点のチャンチンは芽を吹き始めたところだった。 解体工事中のビルの緑地は変わりがないようだった。工事車両入口が開いたままになっていて、見えなかった植え込み部分を見たが、木は無くなっていた。切り株は見えなかった。 *** 桜は満開近い感じになった。並木の下は歩く人でいくらかにぎわっていた。 駐車場の端でナガミヒナゲシが咲いていた。ホトケノザと並び立っていた。 お家の脇の小さな山茶花は花が散り終えたようだった。おつかれさまと声を掛けた。 保育園の敷地の端のノゲシがなくなっていた。陽光桜は落花さかんになっていた。 すみれのプランターに植えられていたノースポールが撤去されていた。プランターの中にすみれらしき葉は見当たらなかった。 公園は桜でにぎわっていた。ふうの木が芽吹いていた。 保育園の蝋梅はわずかに花が残っていた。 桜並木を通って行った。以前、早く咲く木がいた所に植えられた新しい木の花を、お二人で写真に撮っていた。 公園の早咲き桜の所には誰もいなかった。夕暮れが深まっていた。この桜は自分が死んだ後にも咲いているのだとふと思った。いやどちらが長く生きているかわからないのだが、そう思うとそのことがなにかありがたく悲しくなった。 まわり道をして神社の桜も見た。いくらか咲いていた。 *** 2つ信号の場所ではオニタビラコが花の茎を伸ばしていた。 スーパーマーケット跡地のヒロハホウキギクは枯れていないように見えた。 跡地の桜はまだ満開ではないようだったが、美しく咲いていた。公園で遊ぶこどもたちの姿が桜とともに陽に照らされていた。 どこの公園も人出が多かった。座る所がなかなか見つからない。城跡公園の端のほう、大きな桜の手前でようやく空いているベンチがあった。そこで休んだ。 交差点のチャンチンの場所はライブをやっているようだった。そこに着く前に通った商店街の手前では、どこにアンプがあるのかわからなかったがアンプを通して「花は咲く」を歌っている方がおられた。 中華料理店の閉店の日だった。お店の前にしばらく居た。人がだんだんと集まり始めた。テレビ局の取材チームが来ていて、お店から出てくる人たちにインタビューをしていた。階上から料理人の方々も降りて入口に並んでおられた。ご挨拶まで居ようかと考えたが、荷物が重く、自分は退くことにした。少し経ってから戻ってみたが、そのときにはお店の明かりは消え、お店の前で代表者らしき方がインタビューに答えておられた。 都心公園では枝垂桜が満開だった。 *** 閉店したお店の前のノゲシはとても大きくなっていた。 桜並木はいちめんの花だった。ランドセルを背負ったこどもたちが親御さんに写真を撮ってもらっていた。 *** 蝋梅や金木犀が咲く事業所横の植え込みは、蝋梅の花が終わって、下にキュウリグサなどいろいろな草が花を咲かせていた。 公園のシロバナタンポポはいくらか咲いていたが、花の季節が過ぎつつあるようだった。 道路の土手下の公園はどなたか自転車を止めて桜の写真を撮っていた。 坂道の桜の切り株はひこばえに花を咲かせていた。 福祉施設の掲示板に絵が貼られていた。青い絵の具で飛行機が描かれている。その絵に他の方が書いた感想の言葉が添えられていた。 小学校前のため池の土手は、桜とシロバナタンポポが咲き合っていた。 囲われた空地のシロバナタンポポはこの前はあまり咲いていなかったけれど今日は端のほうでたくさん咲いていた。 誰もいない公園で休んでいると猫が鳴きながら来た。何もないよと話すとあきらめて座り込んだ。水を飲むだろうかと思って水飲み場の水を出したけれど関心がなかったようで、猫は日陰に入っていった。 空港横の小さな高台は桜がよく咲いていた。看板ともども飛行機から見えるだろう。 このすぐ先で自分の人生を変えるような出会いが待っているかもしれない、と、ゆるやかに曲がる道の曲がり際に見えてきた桜を見ながら思った。桜は保育園の入口だった。出来てまもない保育園のようで、入口の小さな駐車場に止まっている車で、背中に何かポンプのようなものを担いだ方が荷物の出し入れか何かをなさっていた。 たんぽぽがいないか入った公園には在来たんぽぽは見つからなかった。ベンチで休んで出て行こうとしたら、出口のところに切り株があった。ひとつは何の切り株かわからない。もうひとつの切り株からはひいらぎのような葉が出ていた。 こどもたちが乗る小さな遊具の下に、すみれが固まって咲いていた。向こうの桜の下では、ご近所らしき方々がベンチに掛けてお話しなさっていた。 残された桜はよく咲いていた。先ごろ切られた切り口に樹液が固まっていた。桜の下のベンチに掛けている方がゆっくりなさっている。奥の桜の下ではこどもたちと親御さんがにぎやかにしていた。 キャンパス跡地は外周道路が造られていた。保育所はセットバックして新築されていた。お家やアパートが立ち退いた跡もあった。 シロバナタンポポが出ていた場所は囲われて近づけなくなっていた。仮道路が通された跡があり、位置がそこだったかどうか。そのまわりには草の姿が見えていたが、たんぽぽらしき姿は見えなかった。 もう一度、残された桜の場所に来た。さっきの方はおられなかった。自転車を止めて、こどもさんが花びらや鳥が落とした花を拾い集めている。それをお母さんに渡すと、おかあさんが箱に入れていた。こどもさんは、かあさんありがとう、と言って、花をさらに拾っていた。 振り返らないことがだいじかもしれない。ここに来てこの道を歩くのもこれからは年に1度にしよう。そう思いながら、むかし通った道を帰った。道の最後に、薄い色のすみれが小さく固まってたくさん咲いていた。 *** 小学校の校庭の隅の先日切られた切り株は芽を出しているように見えた。グラウンドのほうでは桜が咲き、こどもたちが遊んでいた。 施設敷地の道沿いの芝生にすみれがたくさん咲いていた。 保育園の陽光桜はほぼ散り終えていた。 桜並木の切り株のひこばえを写真に撮っているこどもさんがいた。 草の道はホトケノザが咲いていた。 小公園のこぶしは花が終わって若葉が出ていた。隣のお家が取り壊し工事をしていた。 *** 道を変えて、まだ見ていない桜を見て歩くことにした。 神社の桜はよく咲いていた。 集会所の敷地の桜は1本が幹の中途で伐られていた。芽吹いてはいないようだった。 お家の跡地の桜もよく咲いた。花が風に舞っていた。 公園の早咲き桜はだいぶ葉が出てきた。この桜だけが春を深めている様子だった。チャンチンも赤葉を広げていた。 桜並木のうちの山桜やオオシマザクラのところだけが花の色から葉の色へと変わりつつあった。 住宅地の道端の、お家の敷地の端に小さなタチイヌノフグリが立っていた。なぜか目にとまった。書く頃には忘れているかもしれないと思ったけれど、覚えていた。 お花屋さんがしばらく休みますと貼り紙を貼って閉まっていた。 空き地は何か工事が始まりそうだった。シートが除けられていた。キュウリグサやイヌホオズキやいろんな草が、シートが敷かれていた端のあたりを縁取るように生えていた。 曲がり道のシロバナタンポポの場所は草取りが続いているようだった。たんぽぽの葉がロゼットになれないでいた。 その先ではシロバナタンポポがしっかりとロゼットを作っていた。つぼみが伸びていこうとしていた。 桜の公園はこどもたちが遊んでいた。その遊びをとりまくお母さんたち。花が舞う。 公園外の空き地ではホトケノザが咲いていた。桜の花びらが積もって、雪の中から咲いているようだった。 大きな公園の桜はやはり残されたようだ。若い方が花の下で写真に収まっていた。椿も咲いていた。 広場ではアコーディオンらしき音がしていた。立ち止まって手拍子を送る人たち。こちらではこどもさんがお連れの方々の輪の中で、ヴァイオリンを弾いていた。 市制50周年の日を迎えた市庁舎は思いのほかいつもどおりだった。 柿の木のポケットパークで剪定作業の後かたづけをなさっていた。そこから保育園の道へ入ると、歩道際に並んでいたノゲシがなくなっていた。さっきの剪定作業と関係があるのか。歩道はしんと寂しくなった。 桜並木は歩く人もだいぶ少なくなった。それでもよく咲いている。 ギターの弾き語りの歌声が聞こえてきた。どこかのお家で聴いている音楽が流れ出ているのかと思ったが、どうも生の音のようだ。こぶしの小公園に差し掛かると、手前のベンチで若い方がギターを弾いて歌っていた。熱く、真摯な歌声。それを隣で若い方がじっと見つめていた。こぶしはすっかりみどりになっていた。 *** 交差点のチャンチンは少し葉が茂り出していた。 銀行前のこぶしはだいぶ葉が出ていた。花が少し残っていた。 花見の人の波を避けていく。 丘のシロバナタンポポは小さく咲いていた。 林の中の山桜は花が終わりつつあった。もっと早く来なければいけなかった。それでも、花の季節に来ること自体が少なかったので、間に合ったほうだろう。 ここのキツネノマゴは生きているようだった。比較的最近出来たように見える花穂があった。 裏手の桜の林では数グループほどが宴を取り持っていた。 水辺の公園は風が強くて寒かった。 花見の人たちの流れに巻き込まれた。ライトアップされている桜が強烈な色をしていた。早足で歩いた。 デパート横のチャンチンは葉の色が変わりつつあった。 *** 公園のカンサイタンポポが1株にたくさんの花を咲かせていた。 公園近くの道はとにかく人が多い。 カンサイタンポポの小さな丘はカンサイタンポポがぱらぱらと咲いていた。 跡地の桜はだいぶ花が過ぎつつあつたが、裁判所横の桜は満開を少しだけ過ぎたところだった。花が泡のように群がる。この桜を可愛がっていた方を思い出しながら、その泡の花を眺めた。花びらが風に飛んだ。 跡地裏手の桜も花の盛りを過ぎた。しばらく眺めた。 丘陵の公園は警備員さんがまわっていったほかは誰もいない。大きなくすのきが横から夕陽に照らされていた。 まがりくねった住宅街の中の坂道をどんどん降りると、思いがけないあたりに出た。 道路脇のヒメウズはたくさん出ていた。花をたくさん咲かせていた。 だいぶ街中なのにとても細い路地に入った。緑がお家に多い。もう暗くなって、草を見分けるのは難しかった。 都心公園の枝垂桜。花がだいぶ散ってきた。次にここに来るときはあおあおとしていることだろう。元気で。 *** 駐車場の端のナガミヒナゲシが咲き始めていた。 桜並木の道を歩いてくるスーツ姿の方がおられた。 *** 線路際の場所はナズナが色褪せてきた。 桜並木の道で休んでいて、近所の方をお見かけした。ここまで散歩に来られるのかと思った。その方のほうからはお気づきになられていないようだった。 線路沿いの食堂がしばらく休むとの貼り紙を出していた。このごろまで夕方の時間帯に営業なさっていたと思う。 シートが外された空き地にヒエガエリが出ていたと思うが、別の場所と勘違いしているかもしれない。 放置されているような様子のお家に停められている車のまわりを囲むように、蔓日々草が咲いていた。 公園の早咲き桜は葉桜になっているようだった。公園はこどもたちが遊んでいて、入るのはよした。 お家の跡地の桜は満開を過ぎた。大きな枝が切られたその断面のあたりから花が咲いているのが見えた。 *** ひさしぶりの道を川へと歩く。畑のあぜは明るい草が立ち並んでいた。 川土手の手前、こんなところにお家があるのかと思っていた道沿いの長屋が入居者募集になっていた。土手はだいこんの花がいっぱいだった。 川岸の桜の公園はこどもたちが遊んでいた。おとながいるので保育園なのだろう。公園の隅でシロバナタンポポが花を空にかざしていた。桜の花が舞っていた。 川岸の木にうぐいすがやってきた。鳴き始めた。あちこちでうぐいすが鳴いているのが聞こえる。 土手の上へ続く坂道を上がり切る手前の2本の木。私が近づいてくるのに驚いたしろはらが、その木へ逃げて、その木に私が近づいていくものだからさらにどこかへと飛んでいった。 さっきのこどもたちはここへ通っているのだろう。こども風の字で書かれた保育園の看板が立っていた。 チューリップが畑に咲き並ぶ。その向こうから、手押し車を押しながら歩いてこられる方が。その方は手押し車をそこで停めると、チューリップを前にして手押し車の上に腰掛けた。 思っていたより長い道を歩き通した。 ひさしぶりに降り立った駅前は新しいお家が建ち、土地が掘削されていた。駅のトイレが新しくなっていた。 自分がここにこれまで来なかったのは、来る資格が無くなったからなのだとわかった。 角のお家は空き家になっていた。塀が壊れていた。敷地の中にホトケノザがたくさん出ていた。 一本桜へ向かう小さな三叉路で地元の方々が鉢合わせするところに出会った。なんとなく立ち話になった。新聞に載ったから今日は多かった、でも今は夕方になって少なくなった、と。前はテレビ局の人が来ていたとも。にこやかにお話しになっていた。 一本桜の真下に来た。涙が出そうになった。 一本桜は以前とは形が変わっていた。大きな幹が切られたようだった。満開を少し過ぎた様子。観客の方々はそう多くなかった。池の向こう側に三脚がいくらか立っていた。 一本桜に向かうベンチに長く腰掛けている方がおられた。だいぶ経って、ほかにお2人、そこにやってきた。お連れの方々なのだろう。3人並んでベンチに掛けているところを、カメラを持った方が許諾を得て後ろから写していた。 以前来たときに地元の方が、ここから少し山手へ入ったところの山桜を教えてくださった。その方が一本桜まわりのいろいろな観覧設備を整えてらっしゃった。その方にお目にかかれるかと思って来たのだが、その方はいらっしゃらないようだった。考えてみればその方に最後にお会いしてから10年にはなる。 この桜は、私が死んでからも生きている。そう確かに思った。また来なさいよ、と、言われた気がした。 一本桜からの坂道を降り切ったところで、手押し車で歩いていく方とすれちがった。その方は桜のところまでは上がらず、折り返して来られた。私の前を通り過ぎて、私も帰り始めてその方を追い越して、道標のところで立ち止まっていると、この道は最初に来たところにつながると教えてくださった。いい桜ですね、とお話しすると、私の家の窓を朝開けるとあの桜がぱっと見えると、にこにこしておっしゃった。 夕日を正面に見ながら古い道を歩いた。左手に続く山脈の山々が懐かしかった。ここに住むというのは叶わないことだろうと思った。遠いいつか、これまでに関わったどなたからもじゅうぶん遠くなったころ、ひとりで埋もれるようにして暮らすことができれば。 道のところどころが拡幅されてあたりの様子が変わって、1本道のはずなのによくわからなくなったりした。それでも無事歩くことができた。 *** 解体が始まった駅前の店の並び。大型トラックが廃材を運び出していた。荷台に自転車が見えた。 大きなヒロハホウキギクがいた電柱の下は、違う草の葉が生えていた。 桜並木はだいぶ花が散ったが、いちばん手前の木がまだよく咲いている。その下で写真を撮っている方々がおられた。 丁字路にマツバウンランらしき茎とヒメジョオンではと思う葉が出てきた。 すみれのプランターに植えられていた花が枯れて取り去られて、すみれが出てきた。 保育園にこいのぼりが出ていた。陽光桜はすっかり葉桜になっていた。 桜の切り株の育てられているひこばえに盛られた土で、すずめが土浴びをしていた。 *** 交差点のチャンチンは葉が茂ってきた。赤みが少し薄れて葉が透けていた。下のほうの葉は緑味が出ていた。 こぶしの角のお地蔵さまが移設されていた。元の位置は花壇が削られて平らにされていた。このためにこぶしも撤去されたのだろう。 解体工事中のビルの緑地はフェンスが高い位置ではどうなっているかわからない。透明フェンスの場所から見ると、切り株に芽が出ているようだった。 こんなところに路地があってこんなところにふつうのお家があった。イヌマキとオリーブが並んでいた。 2つ信号の場所はノミノツヅリがたくさん出ていた。 スーパーマーケット跡地にはセイタカハハコグサが出てきた。歩道のほうではハルジオンが花を開こうとしていた。 擁壁の下で総苞外片が開いていないたんぽぽを見つけた。しかし種類はよくわからない。 2世桜はわずかに花を残していた。 残された桜はまだいくらか花があった。さくら、おおきいね、と、こどもさんの声がこちらへやってきた。あ、おつきさま、と、桜を見上げながらこどもさんが言った。半月が高く空にかかっている。 *** 駅前の大きなくすのきは元気そうだった。 いま作物が植えられていない田んぼか畑かの広い農地。春の草が明るく咲いて、鳩が群れていた。 擁壁の下の小径を行く。壁に沿って草が出ている。小さな坂を登るところに小さな段が作ってあった。その段にも草がいた。 ●●桜はいくらかだけ花を残していた。デイパックをからった方々がやってきてはベンチに腰掛けていた。 桜公園の向かいの湿地はハルジオンが咲いていた。シジミチョウの仲間が来て花にとまり、すぐに同じ種類の別のチョウが来てすぐそばにとまった。そしてさっと離れて別の花にとまった。 工事していた公園は広場が出来、遊具が設置されていた。たくさんのこどもたちが遊んでいた。たんぽぽが出ていた歩道の植樹帯は芝生シートが敷き詰められていた。そのシートからところどころ、たんぽぽの葉が出ていた。 残されたアカマツの木々とくすのきはだいじょうぶそうだった。くすのきは若葉が出ていた。 桜のひこばえが芝生シートの隙間から見えていた。斜めになっていたので、シートを少しちぎってまっすぐ伸びられるようにした。 竹の公園は整備された広場にもいくらか草が出てきていた。隅のほうにキランソウが出ている。歩いていると、ロープと杭で囲われた場所があった。その中に、キランソウやコナスビがいた。わかる人が囲ったのだろう。それを見て胸が熱くなった。 林の公園はフデリンドウが出ていた。何か探しているんですかと、犬の散歩の方から尋ねられた。 オオヤマザクラの挨拶が札で立てられていた。 ひょうたん池は埋め立てられて広場になっていた。端のほうにだけ池の名残のように水が溜まっていた。 以前くすのきが出ていた小さなビルの隅は、工事が終わってコンクリートで舗装されていた。 *** もと駅入口のところにツタバウンランだと思う花が咲いていた。色が白い。 公園のメタセコイアがすっかり若葉を茂らせていた。 保育園の陽光桜もすっかり緑になった。こどもたちが園庭で声を上げながら遊んでいた。 *** シロバナタンポポの花はどこでも季節を過ぎたようだった。 公園のたんぽぽは花が咲かないままのようだった。1株だけ、綿毛をまもなく開こうとしているようだった。 空港の芝生の上で何かが動いていた。最初は自走式の掃除機かと思った。自動車のような形をしている。ゆっくり走って、何かにぶつかりそうになると止まって、方向を変えてまた走り出す。ぶつかりそうになる直前まで物を認識していないように見えた。操縦している様子もない。不思議な光景だと感じてしばらく話し掛けながら見ていた。走っている理由もよくわからなかったが、鳥が来るのを追い払っているのかもしれない。どうやって帰るのだろうと心配になってきたが、その先へ行くことにした。機械はあいかわらず何かに立ち止まって方向を変えていた。 天神へ行くのをやめて引き返すことにした。 飛行機が離陸していくのはどうしてこんなに切ないのだろう。そう思いながら1機の離陸を見届けた。しかし次の機のときにはもうそこまで思い詰めなかった。 ときどき立ち寄る少し高い公園の上に大きな藤が見えた。 市民農園にさしかかった。パンを買おうかと思ったのだったが、やめた。畑はさまざまな作物が植えられているようだった。ある区画ではネギが多かった。しっかり立っている区画とけっこう横になっている区画と。 以前立ち寄った丘の公園のあたりに、八重桜らしき紅の花が遠く見えた。 ひさしぶりにこの小径を通る。カラミザクラが青く実をつけていた。 川を渡る。空も白く川面も白かった。土手から河川敷の道へ降りて走って行く人の後ろ姿があった。 *** 椿の木だったと思うがお家の木を伐ってらっしゃったその切り株に、芽が出ていた。 道路のこちら側の街路樹いちょうも伐られていたのかと思った。切り株のはっきりした姿は無く、何か春の草が出ていた覚えがいまあるけれど、何の草だったか覚えていない。 遠回りになってしまうがシロバナタンポポのいる遊歩道へまわった。手前のシロバナタンポポはたくさんの茎を立てていた。花も閉じたばかりのものが1つ。しかしその先のシロバナタンポポはロゼットを広げてもいなかった。むしられるのだろう。すぐ向かいのお家の前で、そのお家らしき方とこどもさんがプランターをのぞき込んでいた。その方々の隣で、わずかに地面から出ているたんぽぽの葉を、しゃがんでさわった。 植物画展を少しだけ観覧した。お茶の葉に記憶関連の効能があるとは知らなかった。今日は受講を見送ったので先生にはご挨拶せずに会場を失礼した。 細道のお家のプランターにヒメウズが出ている。ときどき見ていたけれど書くのを忘れていた。 放置されているのかわからない感じのお家でつつじが咲いていた。 公園の早咲き桜はわずかに花が残っているだけに。その隣の特別早咲きではなかった桜に、より多くの花が残っていた。 お家の跡地の桜もわずかに花を残していた。 *** 交差点のチャンチンはだいぶ緑味を帯びた。 閉鎖されて建物の工事が行われている公園。仮移植された木々にも芽が出ていたが、ぐるぐる巻きになった木は芽の出しようがなさそうに見えた。 公園の端の夾竹桃の切り株に芽が出ていた。 花の碑がここへ移されていた。シナサワグルミだと思う大きな木のふもと。その木もかなり強い剪定を受けていた。木の根元にたくさんの芽が出ていた。 ハハコグサやコヌカグサらしき草を見た。 都心部公園の端を歩いてみた。トウバナらしき小さな葉が見えていた。 解体工事中のビルの緑地の切り株から芽が出ていた。 *** ベニバナトチノキに花が咲いているようだった。 こんな街の道にヒメウズが出ていた。お城が近いからそこまで驚くことではないのかもしれないが。 移転して閉鎖された施設は植物に覆われつつあった。ツボクサが植え込みに生えていた。 公園のシロバナタンポポを見て歩いた。 高台では山桜が咲いていた。だいぶ散ったがそれでも花がよく残っている。真下のベンチで犬を連れた方がたたずんでおられる。犬がこちらに来てじゃれる。それを申し訳ないと思われたのか、私がずっといるのが不審だったのか、そっと高台を降りて行かれた。 キツネノマゴが咲いていた。複数の穂で花をつけていた。 猫たちが来たけれど食べる物がない。 山を下りて別の公園に来て、ハンドタオルがないことに気づいた。もと来た道をできるかぎり正確に戻ってタオルを探して歩いた。見つからない。猫たちはお世話の方々を囲んでいた。 ハンドタオルはけっきょく家にあった。持ち出さなかったというか取り忘れていたようだった。 *** ひさしぶりに通った道沿いの畑のあぜ。ユウゲショウ、アレチノギク、ハナイバナ、いろいろな草が出ていた。鳩が休耕の土を浴びていた。 橋の上でオープンカーを停めて、写真を撮っている方が。 公園に寄ると、篠笛を吹いている方が。息があまり安定していない感じに聞こえるが、指は動いていて、なにかリハビリをなさっているのかもと思った。立ち止まって聴いていると、序破急さながらにだんだんと激しくなってきた。少し先へ行くことにした。甲高い音で全曲が終わった。 シロバナタンポポはここではもう咲いていなかった。 自分の飛蚊症かと思ったら、白い蝶だった。 公園の藤棚の下で休む。藤はぱらぱら咲いている。向こうのベンチの所では猫がずっとのんびりしている。人待ちなのだろう。 もと来た道を戻って公園へ。篠笛の方は姿が見えなくなっていた。隣のグラウンドで少年野球の練習が始まるところだった。 畑の畦の写真を撮った。 公園を横切る。こどもたちが行き来する。くすのきの木立ちの中にベンチがあった。座ろうかなと思って間もなく、こどもさんがさっと座った。 *** 街路樹いちょうの下に花が積もっていた。ぽたっと花が落ちてきた。花が降ってくるのだった。 *** シートが掛けられていた空き地で工事が始まっていた。ボーリングが行われ、重機が掘削をしていた。敷地の手前の歩道側に草が残っていた。ヒエガエリが出ていた。路地へ入っていくほうの辺にはブロック塀が立っていた。 すみれのプランターの土のあちこちからすみれの葉が出ていた。 桜の下にはハハコグサやチチコグサが出ていた。 *** 市民会館の裏手でたんぽぽやマツバウンランが咲いていた。 *** 2つ信号の場所は草が取られたようだった。 以前、桜の若木が植えられていてそれが撤去されたマンション前。植え枡が完全になくされてコンクリートで埋められている途中だった。 スーパーマーケット跡地はセイタカハハコグサが多く出ていた。奥のほうでヒロハホウキギクらしき新しい茎が見えていた。古い茎も生きているものがいるようだった。 カンサイタンポポが曲がりくねった列を作って咲き並んでいた。 街の通りのベニバナトチノキがピアノの所から見えていた。 *** 丁字路の草は取られたようだった。 *** ★帰ってから苦労せず思い出せることをいくつかだけ書くようにしようと思う。 交差点の角に見た覚えがない種類の草が出ていた。葉が見当たらず花の穂だけがまっすぐ伸びている。 小さな公園にはきょうも猫がいた。もうなにごともなく寝ている。 川辺近くに赤い花のようなものがたくさん見えていたのは降りてみたらアカツメクサだった。 *** 道の反対側を歩いている方がこちらの方向を見ておられるようだったので見てみたら、猫が出てきた。手を振ると座り込んだ。私を見てなのかと思ったが、振り向くと同じ模様の猫がもう1匹出てきた。 空き地は工事の最中だった。近づきづらい。敷地の端にヒエガエリやオッタチカタバミが見えていた。 カーブ歩道のシロバナタンポポがなくなっていた。 施設の前の大きな切り株に薬の注入跡がたくさん開いていた。1つの切り株にこれだけ穴を開けているのは初めて見た。 ポケットパークの石に腰掛けて買い物の考えごとをしていた。ひとりごとを言っていたら後ろにお散歩の犬が来ていた。 *** ひさしぶりの波止場は風が強かった。 この道がどこへ出るのかあまりよくわからないまま行く。橋を渡る。風に当たって耳がおかしくなった。 この道を歩いたのはもうだいぶ前のことになる。すっかり暗くなった。歩道の植え込みでつつじが白く咲いていた。 マンション前の電柱のふもとに朝顔が出ていたのはいつまでだったろう。道路拡幅の準備が進んでもうどの電柱だったかわからない。どの電柱のふもとにも朝顔らしき草は見えなかった。 *** 駅を出てすぐの所にシロバナタンポポがいた記憶がある。手紙で教えていただいたものだったかもしれない。そのあたりを通ってみたが、新しい建物があり、そこだったのではなかったか。シロバナタンポポらしき草は見つからなかった。 住宅地の歩道でアキノノゲシが咲いていて驚いた。元気そうだった。 花いっぱいになるようにポーチュラカを植えました、と、こどもさんの絵が街路樹の根元に掛けてあった。一帯にポーチュラカは見当たらない。ノミノツヅリがたくさん咲いていた。やっぱり花いっぱいだと思った。 麦畑と休耕地が広がる。遠くに山。気のせいか麦の香りがした。 河川敷は誰もいなかった。思い切りオカリナを吹いた。 *** 閉鎖されている公園の仮移植の木々のうち、芽がなかなか出ていなかった木々に芽が出始めていた。 芝生広場にこの前差してあった八重桜の枝はさすがに見つからなかった。 カワヂシャが咲いていた。数はだいぶ少ない。向こうで岸の泥のようなものをすくっては川に投げすくっては投げている方がおられた。 新しく開業したショッピングモールは周辺からすでに人でにぎわっていた。ガンダム像のまわりには人だかりができていた。私は街路樹のふもとを見て通った。ぎしぎしはすっかり大きくなっていた。えのきらしき木は見当たらなかった。 *** 開業したばかりの大型商業施設は人でいっぱいだった。表の歩道の街路樹植え枡にイヌホオズキの花が見えた。 桜が伐られた小さな公園でお母さんらしき方がブランコに乗り、こどもさんが三輪車に乗っていた。桜の切り株の後ろにも誰か見えたような気がしたけれど、そこから少し歩いて振り返ると誰もいなかった。 世話されているらしき桜のひこばえは順調に育っているようだ。まわりを囲うように小さな石垣が作られているが、その石垣がさらに高くなったような気がした。 けしの花が高くそびえていた。 *** ノビルが堀端から堀のほうへ伸びていた。 坂道への上がり口ではカンサイタンポポが咲いていた。シロバナタンポポが綿毛を用意しているところだった。 桜の小径ではシロバナタンポポが咲いていた。 *** 何年ぶりか十何年ぶりかに訪ねた公園。その公園から裏道に出た。猫がやってきた。ふだん猫とはあまりつきあわないように心掛けているが、今日は思わず座り込んで猫と語らった。立ち上がると猫はやはり素知らぬ様子をした。去りながら振り返ると私を見ていた。 川から昔の鉄路に出た。レールでなくゴムのシートがずっと敷いてある。そのシートの上を歩いた。途中に駅の跡もあった。生えている草は外来の草が多いようだった。 炭鉱跡には大きなセンダンの木々がいた。大きなアカメガシワも。アカメガシワはどうかわからないが、センダンはこの炭鉱の歴史を見てきたのかもしれないと思った。急にセンダンが年長者のように見えた。 山を切って開いた道を行く。 むかし来たことがあるはずの遊園地が向こうに見える。でももうあまり思い出せない。 道をずっと歩いたその先に海に出た。干潟が彼方まで広がっていた。防潮堤の下の浜に降りた。音がしない。泥がぷちぷち言う音と、わずかな鳥の鳴き声だけ。こんな無音の世界があることに驚いた。干潟はこういう場所なのだと。やがて人の話し声がしてきた。そちらのほうを見るが、ものすごく遠くに人影らしきものが見えるだけ。そこから聞こえてきているとは信じられない。右のほうからはオカリナを誰か吹いているような音楽が聞こえてきた。そちらは防潮堤もあって、どこからの音なのかまったくわからなかった。 競馬場はやっているのだろうかと思う外観だったが、灯りが点いていた。人も出てきた。今日の昼間にレースがあったようで、のぼりが立っていた。 *** ポケットパークの柿の切り株は、芽が無かった。刈られたのかもしれないので待つ。 すみれのプランターはまたすみれのプランターになってきた。 たんぽぽの話をした。雨がその頃だけ特に強かった。その中でたんぽぽが一輪咲いていた。 *** 地図では川のこちら側を行くことができるはずだったが、水路を渡ることができない。大回りして元の道に戻る。 桜の隣の野いちごの花が少し減っていた。 休耕地に小さな花の草がいっぱいだった。色が違う世界のようだった。 バス待合所の横の切り株は変わらず残っていた。 棚田への道はコナスビもトウバナもいた。 棚田は草が茂っているようだった。 山の広場の木は無くなっていた。林の中に切られた木が横たえてあったが、その木かどうかわからなかった。 *** 伐られた夾竹桃はだいぶ芽を出していた。 ちぎられたカンサイタンポポも葉を出し始めていた。 排水溝のくすのきがまた見えなくなっていた。排水溝の網すれすれに何かの葉があったが、くすのきか他の植物か暗くてわからなかった。 *** 桜並木の下の草も刈られた。たんぽぽがまた出てくるだろうか。 丁字路には小さな草の葉が見えた。 ホームベーカリーのお家のオニタビラコはさらに森のようになっていた。 以前通るたびに土を掘って煉瓦を埋めていたお家は煉瓦のアプローチが完成していた。 すみれのプランターはすみれの勢いが増していた。このまますみれを育てることにならないものか。 マンションの植え込みはつつじだった。いっぱい咲いていた。これまでも咲いていただろうに気づいていなかった。あいまからナガミヒナゲシが花を終えたあたまをたくさん出していた。マツバウンランも茎を出していた。 小さなさざんかのお家。小さなつつじも咲いていた。こちらの木はつつじだったのだ。 桜並木の桜のひこばえはますます元気にしているようだった。 線路脇のナズナがほぼ枯れていた。手を振って去った。 自分がこどもの頃に蟻をつぶしていて小さなこどもたちから避けられた小さな公園。こどもさんがしゃがんで、お父さんにありさんがいると話していた。お父さんは優しく言葉を返して、こどもさんは引き続き蟻を見ていた。 *** 信号待ちの隣の電柱のふもとに、イヌビユらしき葉が出ていた。 バスをやめて歩くことに。この角のあたりに以前シロバナタンポポを見た覚えがある。目で探しながら歩いていると、ガソリンスタンドの手前にシロバナタンポポらしきロゼットを2つ見つけた。花はないからわからない。でもシロバナのように感じた。 ぽっぽ汽車は健在だった。 その少し先の酒蔵は火事になったと聞いていたが、復旧していなかった。手前の砂利敷駐車場に大きな木が立っていた。えのきだったと思う。 麦畑の中の旧線路道を歩く。自転車の若い人が先へ行って、畑のほうへと曲がっていった。 パン屋さんも無くなっていた。 バスで途中を飛ばして、最寄りのバス停から歩くことに。集落の中を行く。 美術館は洋館だった。カイヅカイブキが大きくそびえていた。 土手道は路側帯しかない危ない道だった。河原は葦で埋め尽くされていた。しばらく土手を行くと、やぎが飼われていた。やぎと話したことがあまりない。寄って来たので話したけれど、あまり通じている感じはしなかった。シロバナタンポポが咲いていた。 畑の中の神社の林の隣を行く。アレチハナガサの花にだけモンシロチョウがたくさんとまっていた。 旧線路道をまた行く。向こうから半分駆けている感じで歩いてくる、お散歩らしき方が。こんにちは、と、互いに挨拶した。 麦畑の上に黒雲が出ている。さっきから動いていない。南のほうは山も見えず、電線と電信柱がどこまでも遠く並び立っていた。刈谷の景色を思い出した。 *** 空き地はだいぶ工事が進んだ。ヒエガエリやオッタチカタバミが道側の隅に出ていた。敷地の端にハハコグサが1株出ていた。こころもち高く咲いていた。 どこかの道で、草が取られて放置されていた。ノゲシが数本引き抜かれて並べて横たえてあった。 どこかでハゼランが咲いているのを見たような気がするが、どこだったか、きょうだったかもよく覚えていない。 こぶしの小公園ではトウバナが咲いていた。ハハコグサも。 *** 銀行角の花壇はガザニアが少し減らされて、ポーチュラカやほかの花が植えられていた。 マンション植え込みのつつじのところにたくさん出ていたナガミヒナゲシやマツバウンランが無くなっていた。 お家の脇の小さなつつじは満開の感じだった。 ブラシの木に花が咲いていた。 *** 花壇の横のイヌビワは1株だけ復活しているようだった。 スーパーマーケット跡地はセイタカハハコグサがたくさん出ている。ヒロハホウキギクも新しい株か昨年からの株かわからないがところどころに立っていた。 クサギの斜面は何かわからない木の花が2種類咲いていた。ナワシロイチゴも花を咲かせていた。 イヌビワの植木鉢があったお店の跡地はフェンスが立っていた。工事が始まるのだろう。 道端のヒメウズはがんばっていた。花もつけていた。 *** 冬を越したキツネノマゴは花の穂の頂部から葉を出していた。そういう様子をはじめて見た。 林のほうへと道を降りていくと、道に沿ってひらっと飛んでいく蝶が。アサギマダラだと思った。追いかけた。公園管理の方々が仕事ではない話をなさっているその横のほうへ飛んでいって見えなくなった。そこで追うのをやめた。 シロバナタンポポはシロツメクサの花にまぎれて綿毛になっているようだった。 *** 銀行の花壇ではガザニアが綿毛になっていた。 空き地の工事はだいぶ進んでいるようでもあり、あまり進んでいないようでもあった。敷地の道側に立ち並んでいるヒエガエリは土ぼこりをかぶっていた。 遊歩道脇の植え込みのシロバナタンポポは葉がまた出てきていたのに草がむしられていた。草がまったく生えていない地面になっていた。 その少し先で、ハイビャクシンのあいだからシロバナタンポポらしき葉が復活していた。 チガヤの穂が立ち並ぶ中、ヒメジョオンが1株、チガヤの穂にまみれながら花を咲かせていた。 住んでおられるのかどうかわからないくらい草木が茂ったお家の隣のお家もかなり草木が茂っている。あじさいがいっぱい咲いていた。 大きなケヤキのお家が取り壊されていた。ケヤキは残されていたが、今後どうなるのかわからない感じを受けた。 *** 丁字路を渡った先で、ヒエガエリの穂が色づいて立っていた。 書くことが目的でない。こうして見て歩く、その草を見るそのことがだいじだ。 すみれのプランターのすみれが抜かれていた。すみれを育てるようにならないものかと思った。 *** ハマウツボらしき花を見かけた場所をふたたび通ったが、草が刈られたようで、ハマウツボらしき花も見当たらなくなっていた。 草原の中の1本道の風情がある小さな道を選んだ。丈の高い草が両側に茂る。 猫は今日も居た。 大きな駅の駅前。以前はけやきが立っていた気がするが、くすのきだけになったようだ。新しい木が歩道に植えられていた。 解体工事中のビルのもと公開緑地、フェンスの出入り口が開いていて、このところ見えていなかった箇所が少し見えていた。えごのきが居たあたりで、切り株に赤い葉が出ているのが見えた。 *** 街路樹のモミジバフウは電線に梢が絡むような位置で剪定されているのに気づいた。梢を切らないということか、電線があるので切れないのか。 以前お店の脇にヨウシュヤマゴボウを生やしていた、そのお店の屋上テレビアンテナに、何か植物が思い切り絡まっているのが見えた。 *** 花壇の横のイヌビワは1本は復活していた。もう1本は芽を出していないようだった。 豪邸として知られるお家のアプローチの塀際にキキョウソウが立ち並んでいた。 道端のヒメウズは元気にしていた。 *** 丁字路の草は抜かれたようだった。端のほうに小さな葉が見えていた。 すみれのプランターのすみれはいくらか復活しているようだった。 空き地に建つのは個人宅のよう。ヒエガエリがあまり変わらず立ち並んでいた。ハハコグサは茎が途中で折れて曲がっていたが、咲いていた。 大けやきのお家は更地になった。けやきも、桜もいなくなった。お家の方らしきお2人が敷地に立って話をしていた。 *** ナガミヒナゲシやヒメコバンソウは枯れ色になっていた。 点字ブロックの上にカラクサナズナらしき草が出ていた。 公園のくすのきに弦楽のような音を想った。ああ自分はこうしたかっただけだったんだと想った。 エノコログサの穂が歩道の縁石に沿って立ち並んでいた。 *** ふだんはなかなか通らない道を行く。大きなお家の塀の表面からドクダミが小さく葉を出していた。 タツナミソウが出ていたお家が無くなってもうだいぶ経った。その近くでタツナミソウを見つけたのもけっこう前のことだった。タツナミソウが変わらず出ていた。 更地になった大けやきのお家は重機で整地をしていた。敷地の際を水路のように掘り下げていて、そこから木の根が出てきていた。 *** コミュニティ農園に、駆除剤を使うという札が出ていた。何の駆除なのかは書かれていなかった。 丁字路に残った草はノゲシのようだった。とても小さな葉がノゲシの葉の形をしていた。 点字ブロック上の草はよく見たらマメグンバイナズナだった。豆のような軍配が見えた。 線路に沿って点々と、丈の高くない木が並んでいた。種類まではわからない。それぞれに立っているひとりひとりのようだった。 更地になった大けやきのお家の敷地に別のお家が境い目なく接している。そちらのお家は木々も無事で植木鉢も出ている。その植木鉢のところで猫が何か背伸びのようなことをしていた。 *** 林が切り開かれた小山の場所にひさしぶりに来た。小山はたくさんの草や幼木やひこばえでいちめん緑になっていた。しかし一部はさらに切り開かれて裸地になっていた。すぐ手前ではカモジグサが揺れ、丈のまだ低いアカメガシワに花が咲いていた。 育てられている桜のひこばえが折れていた。折れた幹の先に茂っている葉はまったくしおれていない。樹皮がつながっているからこのままにしておくならこのまま生き続けるだろう。 *** 2つ信号の場所。オニタビラコはまったく見当たらなくなっていた。エノコログサらしき葉が小さく出ていた。 花壇の脇のイヌビワはまた切られていた。切られてまた葉を出し始めているようだった。 これは花だろうか、と、デイゴの花を拾い上げておっしゃっている息子さんとお母さんに見える方々をお見かけしたので、花ですよとお話しした。この木のことが書いてある立て札のことを、札がありますよとお話ししたけれど、どうも木に付けられた名札と思われたらしく、立て札のほうはごらんにならなかったようだった。 菩提樹に花が咲いていた。香りをまだ知らない気がしたので香りを嗅いだ。青物のような香りがした。 *** 草が並ぶ道に、道端ではあまり見たことがない菊の仲間の花が咲いていた。園芸種だろうか。その先でハゼランが大きく育って咲いていた。セイタカハハコグサがその陰で咲いていた。 桜のひこばえは折れた幹が取られていた。残っている枝をそのまま育てることになさったのだろう。 いつも通る道とは違う、知らない道に入った。大きなお家の塀の外側で何か広葉樹の幼木が育っていた。 駐車場のこちら側に見たことのない花が咲いていた。種類もわからない。木の花のようでもあった。駐車場の横を過ぎるとむかしよく来ていた場所に出た。 石垣の下で小さなさざんかや小さなつつじが咲いていたお家。つつじの花はわずかに咲き残っていた。ムラサキカタバミが花を閉じていた。 *** 街路樹こぶしは青い実がなっていた。 切り開かれた小山を行き道と帰り道であわせて一周した。木々のひこばえが森のようになっていた。 *** ご近所さんにご挨拶したらモンシロチョウが飛んでいた。 排水溝のくすのきはたしかに切られたようだったが、だいぶ復活して網から出ていた。薄緑の葉がういういしかった。 公園の獣道のくぬぎの切り株にひこばえが出ていた。 街路樹ナンキンハゼの切り株のひこばえも、だいぶ踏まれているような様子があったが、元気に出ていた。 三叉路のベニバナトチノキの葉にタッチして信号を渡る。 街路樹いちょうの根元の土が入れ替えられたようだった。理由はわからない。 自動販売機裏側の柿の木は、自動販売機の幅から飛び出ている枝が切られていた。むしろ残してあるということだろうと思った。 解体工事中のビルの緑地は、切られた柿の木のひこばえがさらに伸びていた。立って伸びていく小さな木だった。 *** 丁字路はノゲシがひとまわり小さくなったようだったが葉を広げていた。それからたぶんエノコログサだと思う葉が同じくらいの小ささで出ていた。 街路樹のいちょうの根元からたくさんのひこばえが出ていて、そのひこばえが何本も途中で折られていた。折られた先の葉もあおあおとしていた。 むかしからのビルが取り壊されて更地になっていた。歩道沿いの1か所に芝の仲間が狭くまとまって生え、そこからオオアレチノギクらしき茎が伸び出していた。 *** ショッピングセンター駐車場の端でアキノノゲシが咲いていた。建物のそばではくちなしの花が咲いて香っていた。そのそばでチガヤも穂を立てていた。 初めて歩く道沿いに植木の畑が続く。ひいらぎもくせい、いぬまき、くすのき。ふつうのお家向けというよりはもう少し大掛かりな造園向けなのだろう。 この前も買ったばかりの飴の名前を大きく書いた倉庫のような建物。ここが営業所らしい。売っていないかと思ったがさすがに小売りはしていないようだった。 小さな川だがこのごろは大雨のときによく名前を聞く。親水公園になっていた。広場でこどもたちが遊んでいる。岸にたくさん出ている草はどうもブラジルチドメグサのように見えた。 農地が広がる中を行く。そういえばこどもの頃、地平線にあこがれていたのだったと思い出した。遠くに見えるあの建物は市役所なのだろう。それよりも手前に家々が建っているけれどほぼ地平線。でもこどもの頃に思い描いた地平線とはだいぶ違う。 それでも、こうして広がる景色のなかを歩いていると、あこがれが帰ってくる気がした。どこまでも歩くあこがれ。 何か蹴った、と思って振り向いたら、マメグンバイナズナだった。少し戻って謝った。 雨が降って楽しかった、というこどもさんの声が、お寺の掲示板に書かれていた。 御神木がえのきだと書いてあるが、境内にえのきが見当たらなかった。どういうことだろうと外に出ると、道へ下る坂の途中に大きなえのきがそびえていた。枝分かれして、見上げると森のようだった。そのえのきの下に小さなお社がまつられていた。 用水路に沿って長い長い道を行く。田植えをなさっていた。 県道のはずだがずいぶん細い道になった。農家のお家がぽつんぽつんとあって、ときどき車が通っていく。やしの木が1本高く立っていた。 堤防道路は車が通れないだけのようだった。 ひさしぶりに歩く小さな川の土手道。以前せんだんが居た橋のたもとに来た。せんだんの切り株はさまざまな草が絡まっていた。芽が出ている様子はなかった。 流木くすのきにはまたくすのきの芽が出ていた。 平野を向こうから向こうまで歩いたのだと、大きな川を渡りながら左から右へ見渡す。さっきまでいた向こうの山の麓のその山の上に、気流の関係か、山を越してカーブを描く雲が二重に出来ていた。そちらの景色は夕日を受けているようだった。 *** 草が並ぶ道にたんぽぽがいた。花を咲かせていた。逃げてきたのだろう。ここで定着することができるか。種類がわからないキク科の花がまた咲いていた。 この春までキツネノマゴを見ていたその場所で、キツネノマゴらしき芽が出ていた。 急いで信号を渡った。渡った先の正面に、えのころぐさの穂が1本立っていた。 踏切を渡るとトウバナが咲いていた。つい最近どこかでもトウバナをたくさん見た気がするが、どこだったか思い出せない。 以前はヒメオドリコソウが出ていた駐車場の隅。このごろはホトケノザは見るがヒメオドリコソウは見なくなった。ホトケノザも季節が過ぎたと思いながらふと見たら、ホトケノザが花を咲かせていた。 クワクサも去年の場所に出ていた。 *** 花壇の脇のイヌビワは切られた2株のうちやはり1株しか復活していない。その2株の奥に、別のイヌビワが生えていた。 公園入口に新しく造られた花壇にいろいろな花が植えられていた。 冬を越したキツネノマゴの穂の先に新しい葉が出ていたが、その葉がさらに増えていた。茎全体はその重みなのか、やや倒れ加減になっていた。 ビルの谷間のヨウシュヤマゴボウが出ていた場所の、両脇のどちらのビルも工事に入っていた。ヨウシュヤマゴボウの場所はフェンスの向こうで、どうなっているか、もうわからない。 *** ニイニイゼミの声が街路樹のモミジバフウのあたりから聞こえていた。 降り出して帰ろうと道を変えたけれど、だいじょうぶそうな気がして元の道に戻った。 すみれのプランターにはねこじゃらしが出ていた。 ひさしぶりに夕日を見た気がする。雨上がりの空はすっかり夏の空になっていた。 *** パン屋さんが開いていた。うれしかった。サンドウィッチを買った。 山が青くて空が青い。雲があざやか。真夏の景色。 史跡の広場は誰もいない。さっきまで向こうに作業の方の姿が見えていたが、見えなくなった。 花菖蒲の畑らしいが花は過ぎたようだ。それぞれの株が実のようなものを掲げていた。 向こうへ続く野原を見遣る。踏み跡の道の片側でキバナコスモスらしき花がたくさん咲いていた。 川土手の道で学校帰りのこどもたちとすれちがう。田植えが済んだばかりの田んぼを男の子がのぞき込む。その様子をほかのこどもたちが見ている。やごがおる、と聞こえた。 大土手の手前のくすのきの所で休んで、その土手の先へ出た。草原がいちめん、黄緑に輝いていた。 大きな100円ショップの隣の道路に押し車を押して歩く方が。歩道があるのだが歩道の外の路側帯を通っている。気になりながら見ていた。その方が通り過ぎたあとにハンドタオルが落ちていた。それを拾ってその方の所まで戻って、これ違いますかとお尋ねした。いいえ違います、ありがとうございます、と、とても優しい声でお返事くださった。 おとうさんが両手にそれぞれこどもさんを連れて向こうから来る。もうすぐホトケノザが出ている所だと思いながら見ていると、道端のほうのこどもさんがそのホトケノザが出ているあたりをちらっと見た。そのこどもさんの手に、ねこじゃらしの穂が見えた。 おとうさんとこどもさんたちが通り過ぎた後、ホトケノザのあたりを見てみた。ホトケノザは花が終わっていたが元気そうだった。そのとなりで、ねこじゃらしが穂を立てていた。 *** 市街地の空地が少し設えをしてキッチンカーが来る場所になっていたのだが、そこがまた空地になっていた。敷地の端にハゼランの小さな葉が出ていた。 道端のヒメウズは姿が無くなっていた。 スーパーマーケット跡地はたくさんの草が立ち枯れていた。セイタカハハコグサやヒロハホウキギクは生きているようだった。 公園の菩提樹に薄緑の実がたくさん下がっていた。 解体工事中のビルの緑地では切り株のひこばえがだいぶ成長していた。 *** むかし通ったことがある道だと思いながら歩いたけれど、むかし訪ねたお家がどこかわからないまま道が終わった。 神社では風鈴が鳴っていた。 次に訪ねた神社には切り株があった。槙の木のよう。きのこが出ていた。 川はその名前の山のほうから流れていた。雲が低く、日暮れ間近の青空がところどころ見えていた。 河原に木が1本立っていた。そのそばにベンチがある。公園として整備されていたように見えるが、だいぶ荒れていた。何度も水に浸かるうちに管理が行き届かなくなったようでもあった。 その先の、降りられる所から河原に降りた。くすのきが立っている。水面に水鳥が群れて流れの上を渡っていた。 行く手のほうから夕日が差してきた。田んぼの水にそのままの色で照っていた。 すっかり日が暮れた農耕地のただなかの道路を歩く。西の空の低いあたりだけがわずかに空の色を残している。虫がたくさん鳴いている。かえるの声も聞こえる。歩くとはこういうことだ、と思った。 よくわからない道。家々は続いているものの、どんどん高さが上がり、道の片方は山のようになった。突然、大きな道が現れた。目的地のほうへ降りていくようだった。その道を行くことにした。新しい家々。道はありがたいが、山を切り崩した道と住宅地であるにはちがいなかった。 *** この川に沿って歩けば、以前通った道に出そうだった。川は両面が擁壁だったが、底からはいろいろな草が生えていた。オレンジのあざやかな花が咲いていた。 国境いの碑の所であじさいが咲き残っていた。 以前通ったときにここの木々を見てから、列車で通るたびにここの木々のあたりを見ている。アカメガシワに花が咲いていた。 歩道がアップダウンを繰り返す。線路側の所にサボテンがいた。だいぶ大きい。先日見たサボテンの花を思い出した。こちらのサボテンはちぎれた枝というか葉が地面に落ちていた。根を出しているだろうか。 以前通ったときにこの信号の場所で何かの草を見たような覚えがある。その信号に差し掛かった。あまり見かけない草がそこだけ生えていた。この草だったろう。地面を這うようにたくさんの茎が伸びている。花が終わって種子ができているようだった。 小さな桜の公園は今日も誰も遊んでいなかった。長く続く道のここだけ緑が迫り出している。ひと休みして先へと歩いた。 野原は全体がロープで囲われていた。この前のときはそうはなっていなかった気がする。野原のくすのきは変わらず大きく茂っていた。 高架下をくぐり、小さなトンネルを抜けて、元の道のそばへと戻っていく小径。トウバナが穂を立てていた。クサイが立ち並んでいた。 そういえばこの前ここを歩いたときには、向こうの建物の手前にコスモス畑が広がっていた。いまは緑が広がっている。 取り壊された公園の様子を立ち寄って見た。重機が数台。あとはがらんとしている。木の根が手前に積まれている。お母さんと小さなこどもさんがやってきた。工事現場のほうに向かって立ち止まって、何か話をしている。こどもさんはどうも重機を見ているようだった。 川土手のやまももが実っていた。実をいただこうかと思ったが今回は自重した。 ようやく春の小径までたどり着いた。春の小径はシロツメクサが少し咲いていた。エノキグサが固まって生えていた。その先ではいちじくが実をつけていた。 *** 高架工事に伴う道路の新設工事もだいぶ進んできた。道端に位置する椿はそのまま残されていた。 排水溝のくすのきの隣にすみれが出ていた。花が咲いた様子もあった。 線路の脇で保育園らしきユニフォームを来たこどもたちと大人の方々が、どうも電車が通るのを待っているようだった。お店の出口で同じように線路のほうを向いて立っている大人の方がおひとりおられた。 サボテンの花は終わったようだった。 橋の向こう側の歩道のほうには以前はイヌビワが出ていたが刈られてなくなってしまった。そう思い出しながら歩いていたら、こちら側ではアカメガシワが出ていた。 道端の建物脇の、以前くすのきの幼木がいた場所に、種類のわからない大きめの草が出ていた。 花壇の脇の切られたイヌビワのそばに、エアコンの室外機が取り付けられていた。 クサギのトンネルの場所でナワシロイチゴらしき草が実を実らせつつあった。 大雨になった。その雨を怖がっているのか、信号待ちをしていた方がものすごい声を上げて向こうへ渡って、親御さんらしき方の車に乗り込んでいた。 解体工事中のビルの緑地に、花が咲いていた。ききょうのような紫の花と、橙のゆりの花。 *** お家の植え込みにいろいろな草が生えていた。オオアレチノギクらしき丈の高い草も。 空き地は建物が建ちつつあった。敷地の端のヒエガエリなどはまだ生えていたが、ハハコグサがいた位置にはブロック塀が造られていた。 空き家になっているのかよくわからないお家にムクゲの花が咲いていた。 *** 丁字路のエノコログサは無くなっていた。ノゲシは小さいまま残っていた。 すみれのプランターに出ているのはアキノエノコログサだった。すみれはだいぶ圧されていた。 ねこじゃらしの穂がちぎられて歩道の路面に散らばっていたのを見た。たぶん先日すれちがったこどもさんのように、穂をちょっと集めていたのだろう。 *** 空き地ができていた。すでに草が茂っている。斑入りのすすきが出ていたお家だったか、そこに差し掛かるまでにあまり気にしていなかったのでわからない。すすきのような葉は見当たらなかった。 家が建てられている途中の空き地ではヒエガエリの穂が形が無くなってきた。 シロバナタンポポが出ていた植樹帯も草が茂っていた。メヒシバが見えた。シロバナタンポポの葉はさすがに出ていないようだった。 駐車場のホトケノザは色褪せていた。 *** 川のそばのトウバナが出ていたお家は建て替わったのか、どこかわからなかった。 ひさしぶりにこの道を通った。ガードレールのポールだけが立っていてその上からそのときどきの草が出ているのだが、いまは何の草も出ていなかった。 道端のサボテンの花がまた咲きそうだった。 道端のくすのき跡に出ている大きな草はやはり種類がわからない。 花壇の脇のイヌビワは、新しく取り付けられた室外機の陰で葉を出していた。 鉢植えのイヌビワがあったお店の跡の空き地に重機が入っていた。掘削をしていた。敷地の端にいろいろな草が狭く残っていた。 *** 家を出るときに忘れ物をしたり、人とぶつかりそうになったり、どうも間が悪いので気をつけないとと思いながら歩いていたら、草の立ち並ぶ道端でハゼランがたくさんの花を咲かせていた。その脇でマツバゼリが茂っていた。 *** 戸建ての団地だがすぐそばを歩いていると家々が目に入りにくいのでそのほうがいい。 歩道はトラクターなどが出入りしているのだろう、土塊がごろごろと転がっていた。 河原の遊歩道は雨が乾いていず、ところどころぬかるんでいた。 道路の向こう側の歩道に沿って、そこのお家の方々なのか、こちらのほうを眺めていた。その眺めてらっしゃるほうを見ると、花火が上がっていた。だいぶ遠い。でもさえぎるものがなくてよく見える。ときどき声が上がる。花火がハートのように見える形に開いた。あ、ハートだ、と声が上がった。 しばらく見ていると、大きな花火が上がった。しだれ花火だった。それが終わりだった。たまたま見ることができた花火になんだか涙が出てきた。 この前は暗がりへ続いているように見えた道の、その先を行く。大きな店舗が入れ替わり立ち替わり現れ、そうこうしているうちに高架をくぐり、住宅地になった。川があった。この前通った川辺の道だとわかった。思いがけない角度で道がつながった。駅はもうすぐそこだった。 列車の車内でこがねむしを拾った。駅を出て、小さな公園に入った。歓談している人たちのあいだを抜けて花を探したが、花がないようだった。けやきの木につかまらせた。 *** 街路樹こぶしの実が色づいていた。 さるすべりが咲いていた。 以前ナガミヒナゲシやノミノツヅリが出ていた信号前。いまはコスズメガヤと、エノコログサだろう葉が出ていた。 どしゃ降りになった。ハゼランの花は咲いているようだった。 *** 解体工事中のビルの緑地はききょうの花が増えているようだった。ゆりの花は見えなくなった。 閉鎖された公園は以前はフェンス越しに歩道へ向かって、さんごじゅの枝が迫り出していた。その枝がない。剪定されたのだろう。 駐車場の脇で、お仕事なのかどうかわからないが草取りをしている方を見かけた。会釈して通り過ぎようとして、会釈を途中で止めた。 伐られた夾竹桃がだいぶ勢いを戻していた。少し離れた歩道橋の下で、丈の小さな夾竹桃が花を咲かせていた。 けやきの通りに若いけやきの木が植えられていた。たぶん古い木と取り替えられたのだろう。 小学生のこどもさんが大荷物を持って下校していた。ちょうど、ビルの歩道側にいろいろな小さなキャラクターの置物が置かれている場所だった。こどもさんはそちらのほうは見ていなかったようだった。 ビルの谷間の小さな緑地でお仕事らしき方々が草むしりをしていた。だいぶいろいろな草が抜かれていた。少し先で、カヤツリグサが小さな穂を掲げて立っていた。 *** スーパー横の道の脇で、だいこんらしき草が伸び出て花が咲いていた。考えごとをしながら歩いていたのだが自然と手が出てさわっていた。 キツネノマゴは昨年よりもいろいろな所から出てきているようだった。 丁字路は草の姿がなくなってしまった。 *** あまり見かけない紫蘇の仲間らしき草が迎えてくれた。 風鈴で有名だと観光案内所でうかがったお寺。風鈴が回廊を成していた。参拝の方々が風鈴に歓声を上げていた。カメラを構えて待っている方も。風鈴はにぎやかというより、異世界をここに指し示しているようだった。 竹林では竹が鳴っていた。杉林では杉の幹がきしむ音がした。 滝の湧き水をいただいて先へと歩いた。 夏季集落で泊まった旅館街。自分たちが泊まった宿は営業をやめている様子に見えた。畑が広がっていた。 林道を入って歩いて、しばらくして視界が開けた。むかし肝試しのときに星空を仰いだ、その場所の景色とぴったり合った気がした。この場所だ。杉林がそこだけ広く途切れて、道の先に高い杉が立っていた。 旅館街に戻った。プールがあった。思わず声を上げた。プールも使われてはいないようだった。奥のほうから何か泳いできた。大きな蛙。手を振ったらこちら側の角まで泳いできた。 みんみんぜみだと思うがみんみんとは鳴いていなかった。うええ、うええと鳴いているようだった。 来る途中に隣を通ったお寺の敷地の外れにバスケットボールのゴールがあった。なんでだろうと思って通り過ぎた。帰りにその場所に差し掛かった。こどもたちが2人でバスケットボールをしていた。1人のこどもさんがゴールに向かってボールを投げた。惜しくも入らなかった。荘厳なお寺が彼らの夏の背景を成していた。 町に降りてもかなかなの声がしていた。 *** 草が立ち並ぶ場所で草を見ていきたかったが、ちょうど視線の先に歩いていく人がいるのであまり見られなかった。メヒシバが出ていた。 *** 路上のじーじーぜみを拾い上げて、電柱のふもとの草の生えている所に移して戻ると、拾い上げているときに追い抜いていった方がはるか先に見えた。これが自分の人生だと思いながら歩いた。その方が押しボタン信号で止まっておられた。道の対岸へ渡るご様子。今度は私が通り過ぎていった。 すみれのプランターの草が取られていた。すみれは葉がむしられた感じだったが残っているようではあった。 草が立ち並ぶ場所をとても疲れて通った。エノキグサがしおれ加減で立っていた。角を曲がると、ハゼランの花にヤマトシジミらしき小さな紫の蝶が舞っていた。 *** 以前はここは駐車場で、端でアレチノギクが出ていた。その後マンションが建ってオタフクナンテンの植え込みができた。その植え込みの端で、オヒシバが出ていた。オヒシバのふもとにかたばみも出ていた。 この道のどこかで、古いお家の入口にエノキグサが出ているのをずいぶん前に見たのだった。そこにまだ差し掛からないうちに別の道へ入った。歩いていると、アパートの下にエノキグサが立ち並んでいた。 ひさしぶりに通る道だったが、暑くて感慨がわかない。時間も無くなりそうで、駅へ向かうことにした。 河川敷が整備されていた。遊歩道やベンチがある。歩いていく方が見える。川縁にだけ以前の草が残っているようだった。 都心公園の芝生の中にくぬぎのような葉の幼木が立っていた。 *** この一帯が再開発されることになるらしい。敷地の端にあまり大きくないくすのきやあかめがしわが立ち並ぶ。これらの木々もどうなるのだろう。 斑入りのすすきが出ていたお家がやはり無い。やはり新しく出来ていた空き地がそうだったのだろうか。空き地には紫蘇が出ていた。その先では家の新築工事をしていた。 *** こどもの頃に祖父が連れてきてくれた山道を行く。そのときは私がぐずって、登り口から少し入った東屋のところでたしか引き返して帰ったのだと思う。登り口から少し入って、その東屋があったのではと思う場所に来たら、道が変わっていた。東屋はそこには無かった。 道はまったく違う場所へ向かう道しか無くなったよう。水害のためなのだろう。 むかしは尾根筋の道に出た。この道は自動車道へ出るようだった。登りついた先に車道があるのがつらく感じた。 以前はその車道を登ってこの古城跡に来たのだった。そのときは草の種類を見分けていた覚えがあるが、いまはそうして見分ける気力が出てこない。植えられている桜の木が、この場所の風雨にさらされてだと思うが、幹や枝が折れて枯れて、小さく立っていた。 むかし歩いた尾根道に出た。ほとんど人とすれちがわない。大きな木々。中には株立ちになっている木も。 この場所は以前は日の当たる小さな草地があった気がするが、そんな様子の場所は見当たらなかった。大きな木々に囲まれた山頂。 この山の向こう側の尾根、その向こうの高い山、その向こうのまた別の山、その向こうの山々、山々、そして空。ときおり風がどっと渡ってきた。 見晴らしの道の木の下で、眺望のほうを向いて腰を下ろしている方。雲がきれいですね、とおっしゃった。 山を下りて山を振り返る。以前だったら、あの場所に自分はいたんだ、あそこを歩いていたんだ、と感慨をもって振り返っていた気がするが、あまりそうした感慨がなかった。疲れたためもあるのだろうが、振り返るということが自分にとって何か違うことに変わったのかもしれない。 *** ここにルリマツリが出ているのを忘れずに書くだろうかとこの前も思ったのを思い出した。 街路樹のくろがねもちの木が伐採されていた。切り株がコーンに囲まれていた。その先でまた同じように切り株があった。5つほど数えて数がわからなくなった。立っている木には赤のテープが巻いてあった。街路樹が続いていた区間の最後の木に、札がくくりつけてあった。道路整備をするので樹木が無くなると書いてあった。その木にも赤のテープが巻いてあった。 *** けやきのお家の跡地はまだ何か建つようではなかった。アキノエノコログサが出ていた。 いろいろな草が歴代出てきたガードレールの角は、いまはクグガヤツリが出ていた。もう穂が茶色になっている株もあった。 *** 解体工事中のビルの緑地は木のひこばえや草が刈られていた。 *** 再開発予定の場所の端で大きなアレチハナガサを見た。 建物が建ちつつある空き地はまわりに残っていた草が刈られたようだった。 *** はすの花を写真に撮っているらしき方の姿が前方に。私の手前にはタチスズメノヒエがおとなしく立っていた。 くさぎの花の匂いがした。もう暗くて、疲れてもいて、よく見えなかったけれど匂いははっきりわかった。 *** こぶしの実が赤みを増していた。 切り開かれた小山はアカメガシワの幼木の森のようになっていた。 歩道の上のすずめを、落ちていたけやきの樹皮に乗せて隣の公園の木の下に安置した。帰りにその道を通ると、ちょうどそのそばにホースを乗せた手押し車が止められていて、ホースを持った方が行き来していた。ここを踏まれることはないだろうと思っていたのに、その想像を越えられていた。 山の上に虹の切れ端が出ていた。 *** 道の対岸にランタナが咲いているのが見えた。 このくすのきの折れた枝は長崎のほうへ伸びている枝のようでもあった。 *** 2つ信号の場所は草がまったく生えていなかった。枯れたのだろうか。 クサギのトンネルの場所のクサギが咲いていた。花が落ちてもいた。いつものように花を一輪拾い上げて香りを嗅いだ。 キャンパス跡地の生き延びたくすのきはさらに枝を切られたようで、少し小さく見えた。一部の枝は枯れたようで、切ったためもあるのではないかと思った。 公園の菩提樹の実がすっかり色づいていた。写真を撮っていると、近くの公園管理の方が、この木を知ってあるんですね、と話し掛けてこられた。 裁判所跡地で大きな重機が動いていた。 アパートが取り壊されていま臨時で駐車場になっている空き地、以前は大きな丈の草がいろいろ出ていたが、少し枯れてきたようだった。 閉鎖された公園のごく一部に残った緑地で、伐られた夾竹桃が少しの花を咲かせていた。 陥没して復旧した道路の、街路樹けやきの下にえのきが出ていた場所。えのきがあまり丈が大きくならないまま茂っていた。そういうふうに残されたのかもしれない。 街路樹のいちょうの若木は今日は対岸から見ただけだったが元気そうだった。 バス停の車止めの下のすみれが枯れていた。 *** 3年前に通った道。キツネノマゴが生えていたのを思い出しながら歩く。しばらく歩いて、ウリクサが咲いているのを見つけた。そのすぐ近くでキツネノマゴも咲いていた。 バス停のそばに古いパイプ椅子が置いてあった。座れるか座れないかぐらいにさびていた。でもそのうちの一脚は、アルミシートが新しいガムテープで貼付けてあった。 大きな蘇鉄が青空にそびえていた。その向こうを高架が走っている。 神社の境内には公園だという柱が立っていた。 この道の峠に自動販売機があって、その横に金木犀の木がいた。そこまで覚えていた。でも場所が定かでなく、ひょっとしてもう無くなったのかと思った。道は一度少し下り、そしてまた上った。その峠に自動販売機があった。金木犀も。その近くにお地蔵さまとくろがねもちが立っていた。 この場所の煙突が草というか蔦に覆われていた覚えがあったが、そういう煙突らしきものは無かった。消防団の詰め所の隣に登り梯子の柱が立っていた。これだったのかもしれない。でも蔦はまったく無かった。 十数年ぶりに登ってきた公園は、むかし見た原っぱがなくなっていた。どうもこのアスレチック遊具の場所が以前の原っぱのようだった。向こうには竹林も出来ていた。反対側を向くと、遠い山々が霞んだ青空の下に。でもそこから自分はやってきたのだ。そちらの景色に今日は心惹かれた。 高い雲。 この町に本屋さんがあるのはうれしいことだと思った。飲み物を買った。 この道は以前車に同乗して通ったことがあるようだった。初めて歩くけれどいくらか覚えている感じがした。もう暗くてまわりはよくわからないし、きょろきょろもできない。田畑の中を行くと思いきや、集落があったり、お家がぽつぽつ続いたりして、夜に歩くことの難しさを感じながら、がんばって歩いた。 駅前の食堂はやはり閉店したようだった。 *** 蒸気機関車が静態保存されているその向こうを蒸気機関車が曳かれていくのが見えた。蒸気機関車が走っているのをそう言えばあまり見たことがない、と思って、急いで目で追ったけれどもう遠くなっていた。 初めてサングラスをかけて歩いていたが、行く手の雲が暗い。降りそうだと思ってサングラスを外すとそこまで暗く無い。これは慣れるのに時間か懸かりそうだと思った。しかしほどなく雨が降り出した。 雨がひどくなったので、公共施設駐車場脇の木々の下に入る。くすのきなどの木々の樹冠が厚くて、雨が落ちて来ない。でも風が強くて雨が横なぐりになってきた。木の幹の陰に回り込みながら雨を避けた。小降りになってきて木々の下を出た。頭を下げて先へ歩いた。 川の土手のやまももの実が路面に落ちて種子になっていた。木からは若葉が出ているようだった。 雨を受けながら歩く。春の小径もゆっくり見ていく余裕がない。栗の実がなっているのが見えた。 雨が上がった。あらためて歩く春の小径はコメヒシバが出ていた。 また大雨になる。ここまで濡れるともうどうでもよくなる。ときどき雨がやむので期待を込めて歩くことにした。 神社の突き当たりを折れるとむかしの街道風の沿道風景になった。むかしながらの門構えのお家の敷地に草がたくさん生えていた。 行く手の虹を見ながら大雨の中を行く。田畑の景色も霞む。舗道の上にタチスズメノヒエの穂が迫り出している。 知っている道を通って知らない大きな道へ。虹の足が両足見えていた。 商業施設を出る。頭の上に大きく広がる入道雲。こんな大きなものをひさしぶりに見た。むしろ暗く見える空に白く暗くそびえていた。 この夏は歩いた。河原は濡れているだろうからそこまでは行かず、手前で止まった。くすのきが変わらずそびえていた。向こうの低い山は雨雲の下。反対の西の山々は崩れた入道雲のシルエットの下。夕日の名残の空。 虫の声を聞きながら夜の道を歩く。星は夏の大三角のあたりは3等星くらいまで見えるけれど、南は明るいのか雲があるのか、さそり座の形がわからない。さそり座は最後までよく見えなかった。 *** ボールが転がってきたのでこどもさんに投げて渡した。同じこどもさんがまたボールを探してやってきたので自分も探した。こどもさんのほうが先にボールを見つけて、戻っていった。 どこかの街で街路樹のけやきが根元から倒れて自動車に当たったらしい。けやきの道を歩きながら、このくらいの高さのけやきだったか、ここのほうがもう少し高いか、と考えた。ここのけやきはどうだろう。どのけやきも細く高く伸びていた。 *** 草の呼び名は自分で自由につけようかと考えながら歩いた。おおねこじゃらしが穂を垂らしていた。 ひさしぶりに通った建築工事中の空き地は、草が減っていた。新しく出てきた様子のノゲシの小さな葉がいくらかあった。 草が並ぶ道ではヒロハホウキギクらしき草が茎を高く伸ばしていた。 *** たぶん初めて来た町。道が広く空も広く、山並みは見たことがない山並みで家々は新しい。 道端でキツネノマゴがこんもりと茂って花を咲かせていた。 歩道の迂回路は2つのため池の間の堤を通る道のようだった。向こうの湖岸が砂浜になっている。道を渡り終えると桜の木々が待っていた。 むかし来た演習林の前を通る。そのときのことを思い出しながら。もう片側の敷地もどこかの会社の演習林のようで、道沿いまで杉が立っていた。 虫を拾って少し先の土のところに安置した。 工業団地というのか大企業の倉庫のようだった。道はたぶん拡幅されているのだろう。途中で水が流れ下っていた。 黒い羽のとんぼがうろうろしているなと思って見ていたら、車道へ出て行って車に寄って行って、ひかれたようになって対岸の歩道に倒れるように落ちた。そのあと動かない。気になるので道を戻って歩道橋を渡ってそこへ行った。落ちているとんぼを拾い上げようとしたら、とんぼがぱっと飛び上がって、前と変わりなく飛び始めた。こちら側に停車している車を渡り歩くように飛ぶ。車が何かの理由で好きなのか。お店の脇へ入って行って見えなくなった。 行ったことがないけれど気になっていた道のほうへ行く。道は大きいが人気が無くなってくる。向こうの山からかなかなの声がする。しばらく歩くと大きな池に出た。大きな道路が池の上を渡っている。さっき横切った工事中のバイパスのようだった。車のいない広い道を渡って池のそばへ。日が沈んで虫の声がしていた。 暗い道を歩いて以前一度通った道に出た。まだ道は遠いということだと思った。 この道をどうして歩いているのか。もう何も思えなくなりかけていた頃に、神社の林のそばに差し掛かった。木々を仰ぎながら通り過ぎて振り返ると、大きなくすのきの上に夏の大三角が光っていた。 大型店の敷地外れのナンキンハゼがとても大きくなっていて驚いた。この前までは私の背丈もなかったと思う。 坂を上り詰めて山を振り返り見たけれどもうよく見えなかった。 大くすのきの林の跡地のうち未着工だったほうの土地も事業所が建っていた。 ジュズダマが出ていた空き地はジュズダマが見当たらなかった。 いつもは帰りには通らない側の歩道を歩いた。溝のまわりにさまざまな草が生えている。もう疲れてよくは見なかったけれど、アレチハナガサが目にとまったのを覚えている。 *** ひさしぶりに通った道。街路樹けやきの新しい切り株が続いていた。 こんなに長い道だったかと思う道。片側は林だけれど、金網が高く、地面にシートが敷かれていて歩くのがつらい。そう思いながら歩いていて、くずの花が咲いているのを見た。 パンを買って先へと歩く。建物が建った空き地は端に小さな草の姿があった。 桜のお家の跡地が更地になっていた。新しく入れられた土の地面のところどころから、桜らしき切れ根が出ていた。 草取りに遭ったクワクサの場所でクワクサが少し生え始めていた。 *** デパートの渡り廊下の下の代替わりしたチャンチンの横を歩いて通った。元気そうだった。 *** 取り壊された駅の入口にはこのごろまでいろいろな草が生えていた。最近刈られたようだった。フェンスのすき間から何か丸い葉の草がタイル舗装の地面を覆っているのが見えた。 大きなサイレンのような音がして、公園の鳩たちがいっせいに飛び立った。すぐ戻ってきた。 *** 駅横の踏切まわりには人が少し集まっていた。カメラを構える人、列車の行き来を眺める人。 電車がこの先不通でJRに乗り換えるため歩く。伐り株になったなんきんはぜのあたりに緑が見えていた。 街路樹けやきの下に出ているえのきが姿が無くなっていた。刈られたのだろうか。 寄ってみたいと思いながらこの前横を通った公園。今日はなぜか植え込みの木々が目にとまった。 駅のホームで写真を撮る人々。私もレールや列車の写真を撮った。駅を出ると、踏切のそれぞれの側に集まっている人々の姿。 少し歩いて別の踏切へまわった。アレチノギクが立ち、アキノエノコログサが穂を立てている。こどもさんが親御さんとカメラを構えている。列車が通って行く。 最終の列車を見送りに来た。たくさんの人。警官の方々や工事作業の方々も来られた。警報機が鳴り出し、バーが下りた。最終列車が警笛を鳴らしてゆっくりと踏切を通って行く。列車が通り過ぎ、警報音が止み、バーが上がる。拍手をした。向こう側でも同時に拍手が起きた。駅が閉まるのは待たずに帰った。 *** きのうで役目を終えた踏切の上の高架を、列車が通って行った。たしか赤帯の列車だったと思う。ショックを受けた。 無くなった線路際の木々の場所を歩いてまわった。カラミザクラの場所では何かのかずらの花が咲いていた。柿の木の場所では草たちが立っていた。ときどき、高架の上を電車が通って行った。 ビルの谷間のヨウシュヤマゴボウがいた場所のすぐ近くの道端に、ヨウシュヤマゴボウが小さく出ていた。何かパイプのような突起物の脇から出ていた。 ツクシオオガヤツリの様子を遠目で見ながら歩いた。 公園で鍵盤ハーモニカを吹いているこどもさん。お母さんらしき方が楽器ケースと楽譜を正面で支えている。1曲終わるのを待って拍手をしたが、聞こえたか聞こえなかったかわからなかった。 もとの跨線橋へ続く道は、光る車線指示器がいっぱい立ち並んでいた。まだ新しい道ができるまでは時間が掛かりそうだった。以前ホトケノザが出ていたあたりを通って坂を下った。 *** 柿の木が出ていたポケットパークに、休憩なさるのか御年配の方が歩み入って、ベンチにお座りになった。 踏切の先の歩道の縁石にそって、数人の作業の方々が草を抜いていた。最後にすれ違った対岸の方は素手でアキノエノコログサの株をまとめて引き抜いていた。 道端にぽつんぽつんとクワクサが出ていた。 桜が無くなったお家の跡地の横を通った。 ガードレールの角のクグガヤツリが枯れかけていた。 *** アキノノゲシが一輪咲いていた。 クサギのトンネルの場所で高枝ばさみで刈り取りをしている方が。ユニフォームを着ておられるので業者さんなのだろう。その少し先でツユクサがたくさん咲いていた。 八百屋さんの跡地はマンションが建つようだった。空地に草が生えていた。イヌホオズキが近くに。向こうのほうにまとまって生えている草は種類がわからなかった。 *** まだ高架の上を電車が行く光景には慣れない。 歩道でとんぼを拾ったが近くに土が無く、しかたなくブロック塀の際に置いた。 丁字路は草がまだ出ていないようだった。 踏切の警報機一式が撤去される現場を通った。トラックに警報機のポールが斜めに積まれていた。頭を下げて横を通った。 昨年剪定されていたお家の柿の木はだいぶ徒長しているようだった。実はまったく見えなかった。 住んでらっしゃるのかわからないお家の、道路に迫り出したさるすべりが咲いていた。停めてある車のホイールに蔓草がからまっていて、やはり住んでらっしゃらないのだと思った。 けやきのお家の後は建築工事が進み始めた。クワクサは少し復活してきた。 *** アーティスティックなお家がところどころにある。しあわせな土地なのかなと思った。 山裾の少し暗い歩道は横にカラムシがたくさん生えていた。 海沿いというか入り江の縁の道を行く。サイクリングコースになっているようで、休憩所があった。ワシントンヤシが高く立っていた。空には高層の雲と低めの雲が掛かっていた。 少し町のようだったが開いているお店はなかった。 公園は思っていたよりだいぶ広いようだった。 帰りは入り江に沿って歩いた。池があった。土手には桜が並んでいた。 まだ長時間歩くのが心配。来たときの駅から帰ることにした。お家の前の犬走りを耕している方が。まだ耕されていない地面は草が枯れたようにしていた。 海のほうでこどもたちが遊ぶ声がした。だいぶ暗くなってきた。 *** 桜並木は大過ないようだった。 キツネノマゴの葉に病変が出ていた。 街路樹のもみじばふうを撤去すると札が出ていた。道路改良工事とのことだった。 街路樹くろがねもちの撤去が向こう側の歩道で始まっているようだった。 くろがねもちの枝が道路脇に落ちていた。 キャンパス跡地の街角広場のくすのきの下に、立ち入り禁止のポールが渡してあった。枯れ枝が危険とのことだった。 公園の中の島はまつぼっくりがたくさん落ちていた。まだ青い実も枝ごと落ちていた。 柳が枝折れしていた。断面に腐朽が見られる。その先では柳が切り株になっていた。 競技場裏の桜の大きな枝が折れたようだった。薬が塗布してあった。 ニュースになっていた大桜は手当てを受けたようだった。布が巻かれていた。 街路樹が倒れたという場所。切り株があった。根元に大きなきのこが取り付いていた。 解体工事中のビルの緑地では、木々のひこばえがまた伸び始めていた。 *** 空き地になった場所でツユクサが咲いていた。その先の建築工事が始まった場所では、コウテイダリアのような茎が切られて横たわっていた。 公園の落ち葉や落ち枝が回収されているところだった。大きな枝折れは見当たらなかった。 しばらく前に草取りと草刈りを受けたこの場所のキツネノマゴは、復活していなかった。 桜の下のキツネノマゴが咲き始めた。 撤去予定が出された街路樹もみじばふうの、ひこばえの葉に触った。厚みがあった。 お風呂屋さんの入口で、えのきぐさが大きく育っていた。えのきの幼木にも見えそうだった。 *** 高架を初めて南下した。見たことがない景色。理解はできるけれど知らない景色。ただ、山がずっと見えていた。この山に抱かれて暮らしてきたのだと思うことができた。 カイノキの生き残ったほうの株が茂っているのが見えた。ひこばえが1本、上に伸びているようだった。 お社の横のこぶしの木に、赤い実が見えた。後ろにはお家がほぼ完成していた。 大土手のくすのきは大過なかったようだった。ただ、小さめの枝がややたくさん、横に積まれていた。 団地のくすのき。向こうの木には赤テープが巻かれていた。 *** 線路横のつばきの場所が掘削工事されているようだった。 排水溝のくすのきはまた切られていた。 会館横は鶏頭の仲間の草花が植えられているようだった。ひと株、外に出ていた。 大きく育ったよもぎが測量の方に踏まれていた。 道端のくすのきの場所はハゼランが元気そうにしていた。 クサギのトンネルの場所は、クズの花が散って歩道の脇に積もっていた。クサギの花も少し咲き残っていた。 ツクシオオガヤツリがひと株、水面に倒れるように出ていた。 *** ガードレールの角のクグガヤツリやコスズメガヤがすっかり枯れていた。 *** 公園の大きな桜が伐られていた。台風が関係あったのかわからない。幹はだいぶ腐朽があった。ひこばえもたくさん出ていたようだが切られていた。 お店の脇にイヌビワが出ているのをいくらか覚えてきたけれど、その近くに小さなイヌビワが出ているのは初めて知った。 桐の幼木が出ているのとは反対側にヨウシュヤマゴボウの小さな株が似たような立ち姿で出ていた。 クサギのトンネルはクズのトンネルになりかかっている感じがする。クズの花が落ちて積もっていた。 電話局の裏の小さな切り株に寄り添うようにオッタチカタバミが生えている。切り株が少し高めなのだが、その高さに合わせるように立っている。 *** 道端のヒメウズが出ていた場所が歩道改修工事に掛かっていて、舗装し直されていた。街路樹のくろがねもちの下にも出ていたと思うが、このくろがねもちも残るかどうかわからない。 介護施設の前の犬走りでキバナコスモスが一輪咲いていた。 ツルボが咲き始めた。 途中で折れたヒロハホウキギクが折れた先で花を咲かせていた。この後の台風でたぶんたくさんの草の茎が折れて、きっとそのように花を咲かせるだろうと思った。 *** グラウンド横を歩いていて、後ろで音がして振り返った。警備の方がもっこくの木の枝を折り取っていた。すでに折れていたようだ。気がつかずに通り過ぎた。少し先のもっこくの木にも枝が折れた跡があった。 公園の木立ちの外れに、からすの亡骸が横たわっていた。木の枝や実がたくさん散らばっている中。台風で命を落としたのだろうか。この公園で出会ったからすたちのことを思い出した。木の実を拾ってお供えして、手を合わせて頭を下げた。 お家の横のヤナギバルイラソウに、マスクが引っ掛かっていた。このマスクはたしか前はそこに落ちていたような気がした。 *** 土手の下の道はいろんな草が茂っていた。彼岸花が咲いていた。 たびたび工事をしているビルの縁でヒメツルソバが復活していた。 公園のくすのきにクスの木と手書きの札が掛かっているのを見て少しうれしく思った。 ツルボが咲いていた。台風のためか折れた花もあったが、折れたまま咲いていた。 公園のけやきが今日切られるという。ほどなくして業者さんが数台の車で乗り付けて、はしごを掛けて少しずつ切り落としていった。同じ公園のカンヒザクラも倒れていた。こどもさんが木が揺れて倒れるのを見ていたという。カンヒザクラも切られて撤去された。その根株の跡にこどもさんが張り付いて、だんごむしをたくさん見つけていた。けやきの切り株は面を落とされて残った。 ホタルガが以前いた場所にまたホタルガがいた。 小さな公園のグラウンド中央のくろがねもちのまわりに線がぐるっと書かれていた。木が何かの目印になったのだろう。それだけで、木が人々と生きていると感じた。その線を写真に撮ろうと引き返すと、若い人たちが木のほうへ戻ってきた。その人たちが線を引いたような気がして、そっと引き返した。 跨線橋の上から大文字が見えた。いつかもこうして大文字を見た気がした。 *** 昨夜見たくろがねもちの下の線は靴で引かれたようだった。靴跡があった。 あまり歩かない道を通ったら感覚がわからなくなって曲がるべき所を過ぎてしまったようだ。しかたなく歩いていたら、スズメノヤリらしき草が小さくたくさん立ち並んでいた。 道端のくすのき跡は、ハゼランの他にコメヒシバが多く出ていた。 横断歩道の桐の木は葉が少し傷んできた。そのうち落葉が始まるのだろう。 花壇の脇のイヌビワはまた切られたようだ。ただ今回は枝葉をすべて切り落としたわけではないようで、少し葉が見えていた。 マンションの前の植え込みにコナスビが出ていたのが、たくさんになっていた。 電話局の裏手に切り株がもう1つあった。オヒシバかメヒシバのような草に囲まれていた。 *** クサギのトンネルだった場所ではヒロハホウキギクが立ち並んでいた。 ツルボが咲き進んでいた。いろんな羽虫が集まっていた。 冬を越したキツネノマゴは茎が長く伸びてほかの草の茂みの中を縫うように育っていた。もとの穂の部分がぶつぶつした感じになっている。 イヌコウジュも咲いていた。ガンクビソウがいた。 ここでもツルボが咲いていた。数は少ない。ここだけかもしれない。 展望所の桜が折れていた。もともと幹を1つ伐っていたようで、そのあたりがひどく腐朽していた。 ヒメキンミズヒキも咲いていた。よくわからないタデの仲間も咲いていた。 水辺の公園に、楽器演奏についての立て札が立っていた。向こう岸のほうでギターの弾き語りとトランペットの音がしていた。場所を移ったのだろう。 自動販売機の裏の柿の木が柿の木でないような気がして、あらためて見てみたが、よくわからない感じだった。 服屋さんの店内に虫が入ったらしく、閉店支度をなさっている方々が声を上げていた。 小さな公園のくろがねもちのまわりは、今日は三輪車のようなわだちが残っていた。 跨線橋から大文字が見えた。斜め左上に木星。なんだか星の王子さまのような景色に感じた。その先もときどき大文字が見えていた。 *** いまはまだエノキグサががんばっている。 お家の前のくろがねもちと柿の木にそれぞれ実がなっていた。 細道に入るところに草が生えていた。戻って見てみたらクワクサだった。 初めて入る細道。お家の前でツルボが咲いていた。どうも植えてあるようにも見えた。大きな柿の木が入口にあるお家も。いい道だと思った。 信号待ち。隣でアキノノゲシが1つだけ花を咲かせていた。 路側帯しかない道に面したお店の脇に、イヌビワだけでなくヨウシュヤマゴボウも出ていた。 切り株の中に生えているオニタビラコが花を咲かせていた。 林の手入れを団体でなさっているような掲示が以前から出ていたが、どうも手入れだけでなくいろいろ植え始めているようだった。タマスダレが咲いていた。 緑地でスズメノヒエを見た。たくさんいるようだった。 以前お家が取り壊された場所は駐車場になっていた。この状態を以前見た気もした。 もう大文字は灯っていないようだった。木星がこの前見たときよりも低かった。 *** 撤去告知が出されていたもみじばふうの並木は、告知の札が無くなり、今日もそのままだった。告知の札は台風で飛ばされたか台風対策で撤収されたのかと思っていたが、そうではなく木々の撤去そのものが再検討になっているのかもしれない。 キツネノマゴが星のように咲いていた。 残されている桜のひこばえがまた短くされていた。いたずらであれば全部引き抜くこともできるはずで、世話をしている方が御自身で枝をちぎっているということなのか。心配だがどう言いようもなく、様子を見ているしかない。 公園にふと入ったら集会場からピアノの音が聞こえてきた。窓が開いている。独奏のようなのでどなたか練習をなさっているのかと近づいたら、中から歌声が聞こえてきた。数人の方が歌ってらっしゃるシルエットが見える。北上夜曲のようだった。 ひさしぶりにこの道に入った。なんだか家々が新しくなっているようでもある。壊れそうなアパートはそのままだった。1階部分には現在も事務所が入居しているようだった。 道のこちら側を歩くことがあまりなかった。電車から見える大きなけやきの公園だった。線路の高架で2つに分かれた公園のいっぽうはどなたか向こうで作業をなさっていて、もういっぽうは御通行の方が向こうへ去っていくところだった。 県木と刻字された石碑が建っているソメイヨシノ。でも石碑のほうには何か違う木の呼び名が書かれているようだった。 ひさしぶりに通る道の公園。今年はいちょうの木がどうだろうと思って見てみたが、ふつうに緑のままだった。 ビル解体現場の緑地は木々のひこばえがあまり変わりなく小さく茂っていた。向こうにまた別のひこばえか何かが見えていた。 *** 草が立ち並ぶ道端は少し前に丈の高い草が刈られたが、今日はハゼランが咲いていた。 ブロック塀の下の草が軒並み抜かれていた。工事が始まるのが近いのだろうか。 丁字路は草の姿が見えなかった。 公園は金木犀が香っていた。くすのきの下には小さな銀木犀も。 日が沈んでアンタレスを探した。まだ細い月の近くに見つかった。さそり座のほかの星やてんびん座の星は見えそうにもなかった。薄い雲が夕暮れ色を残していた。 *** 小公園のくすのきの写真を撮りに立ち寄った。こどもたちとお母さん方が集まっていた。くすのきの切り株の外周片側からひこばえが多く出て育っているふうだった。それ以外の外周からも小さなひこばえが出始めて小さく茂っていた。 ツルボの花がほぼ終わった。ひとつの穂の突端で1つだけ咲いている花にアリが来ていた。 水辺の公園の松の幹に松やにかどうかわからないが小さなしずくが付いていた。 小公園の桜は元気だった。はなみずきのほうもひこばえで復活しつつあった。 スーパーマーケット跡地はアキノノゲシは出ていないようだった。近くにも見当たらなかった。 書いたような気がするがイヌビワが出ている花壇の脇の、その歩道の車道沿いで、イヌビワがやや大きく育っている。 自動販売機の裏の木の葉を触ってみた。表面は毛が生えている。柿の木のような気はする。 横断歩道の桐の木の近くに出ていたヨウシュヤマゴボウが小さくなっていた。寄って見ると、小さいながら実を実らせていた。 裏道のほうを歩いた。駐車場の柿の木には実は見えなかった。もう暗くなっていたので見えなかっただけかもしれない。 三叉路の角のベニバナトチノキの葉が1枚落ちていた。手を広げて通り過ぎた。 信号を過ぎて左へ曲がるところの道端に、車のライトに照らされてねこじゃらしが生えているのが見えた。この前もこのねこじゃらしがこのように照らされているのを見た気がした。 アンタレスは見えなかった。 跨線橋跡の道路が付け変わって、新しい道路のほうを車が走っていた。電車がとても長々と空を渡って行った。 *** 移植されたやまももの木が枯れていたようだ。見つけた最初の頃にメモをしてその後そんなに見ていなかった。せっかく移植されたのに見ていなかったのを悔やむ。 水辺のベンチで休む。鴨がつがいで休んでいる。やがて、おたがいに水面にくちばしをつけては顔を上げという動作を繰り返し始めた。遊んでいるのか、何か意思を分かち合っているのか、と思っていたら、どうも分かち合っていたようだった。 十月桜がちらほら咲いていた。 その向こうに切り株があった。えのきのようだ。おがくずが散らばっている。ひこばえも出ていた。 城址のあちこちで水路工事をしていた。草地を掘削している場所もあった。遊歩道の際にブロックの縁石を並べている所も。すぐそばの未着工の所では丸い石が縁石になっている。そちらのほうが城址らしいのだが。 地面に写真を立てた写真展が続いていた。 先日見た土塁の切り株から大きなひこばえが伸びていた。たぶのきのようだ。見ていると、たんけんたいがいきます!と声がして、こどもたちが現れた。私を見ると、そろそろ引き返そうと声を掛けていた。 旧小学校のえのきは残されるのだろう。よく茂っていた。 閉鎖されて工事が続いている公園では、メタセコイアが紅葉していた。仮移植されて主幹を切られたメタセコイアがだいぶ葉を落としていた。 石垣の上のきょうちくとうがまた切られていた。ひこばえが小さく出ていた。 街路樹いちょうの下に、えのきやせんだんやほかの木の幼木が出ていた。だいぶ大きい。工事している公園の木々のこどもだろう。ここでどのくらい生きられるかわからないが、せめてここで生きていてほしい。 いちばんの中心街の交差点の花壇の脇に、エノキグサが小さく生えていた。取り囲むようにニシキソウが生えていた。 *** バス営業所敷地のくすのきや樫の木がいた植樹帯が取り壊し工事の最中だった。くすのきは先日枝が落とされていたが、今日は樫の木が伐られているところだった。わずかに残った枝に葉が茂っているのが見えた。 桜並木の場所は草刈りの途中だった。キツネノマゴのあたりも刈られていたが、丈の低い草は比較的無事のようだった。 駐車場脇のキツネノマゴも出ていた。丈は低かったが花が咲いていた。電話ボックス横からは出ていないようだった。 小さな銀木犀は花が終わっていた。 学校前の道にむくろじの実がたくさん落ちていた。見上げると、鈴生りに生っていた。 バス営業所横を帰りにも通った。防音シートが張られているところだった。樫の木は積まれた枝で見えなくなっていた。くすのき。松葉菊。小さいけれどいろんな草木がいた。頭を下げて立ち去った。 道端のせんだんの葉が枯れていた。薬をかけられたのか。反対側から緑の葉が小さく出ていた。 *** 土手から河川敷に下りられなかった。下で歩いている人はいるがどこか別の所から入っているのだろう。木々の枝が落とされている。お寺の横の遊歩道を行き、くすのきの下のベンチに腰掛ける。夕日が橋の向こうに落ちていった。 *** シロバナタンポポが出ていた坂はいまはタチスズメノヒエが林立していた。たんぽぽのロゼットもところどころに出ていた。 1年半ぶりの道を歩くがそれだけの時間が開いたことの実感があまりない。 壊れそうな古い建物の居酒屋さんが無くなって空き地になっていた。 柿の木や樫の木がいた場所は以前すでに無くなったが、その隣の敷地の端でホトケノザが咲いていた。 ランタナが出ていた階段横の斜面がコンクリートで固められていた。ランタナは見当たらなかった。コンクリートの端の隙間からエノキグサが1本出ていた。 ランタナは無くなったのだな、ほかの草もいろいろ生えていたけれど…と思い出しながら歩いていると、近くのお家の駐車場の端にランタナが広がって花を咲かせていた。 以前ホトケノザがいちめんに咲いていた畑が無くなっていた。病院になっていた。 強剪定された神社の木々が茂りつつあった。 伐採木置き場のいちょうのところにあかめがしわが出ていて、いちょうのひこばえは見当たらなくなっていた。 かかしたちが踊っていた。その脇でコスモスが並んで咲いていた。 以前教えていただいたナンバンギセルの場所。すすきの穂は出ていなかったが、ナンバンギセルはあちこちで咲いていた。 見晴らしの丘の斜面でヒヨドリジョウゴだったと思う花が今年も咲いていた。 公園の展望台は雨やどりの人たちでいっぱいだった。考えることは同じだと思った。まだ花が咲いていない金木犀の木の下で休んだ。 むかしの土塁の場所が崩れているのか掘り返されているのか、土があらわになっていた。 管理地だと書いてある空地で、栗の実がたくさん落ちていた。そのままになっているのがもったいない気がした。 切り開かれた小山の上に何か仮設のテントみたいなものが建っていた。 もと大くすのきの林の場所の近く、以前くすのきの幼木を見かけたあたりで、何かの幼木の切り株を見つけた。葉が細いがくすのきのような気もする。雨で葉脈がよく見えず、次のときにまた見てみようと思う。 *** 土手にイヌコウジュが出ていないかと思って歩いたけれど見当たらなかった。萩の仲間の草がよく咲いていた。 お墓の看板が立て替わっていた。 山が見える大くすのきの林の跡地に差し掛かった。もう敷地には緑は見つからない。植え込みを見て歩いた。くすのきの幼木が2本見つかった。隣の敷地にいた柿の木のこどもも以前植え込みで見たけれど、柿の木の幼木は見つからなかった。 遠い山並みに雲の陰と日差しが差し掛かっていた。 信号を渡ってすぐのところにタチスズメノヒエが出ていたあたり、深く掘り返されて何か工事が進められていた。 けっきょくいつもの道を歩いた。カンナは今年も出ていないようだった。 このくすのきの道から山が見えるとは思っていなかった。山とくすのきがひとつの景色になっていた。 コスモスが咲いているかと思ったが、今年は作付けされていた。すでに刈り取られた稲がまた穂を作っていた。 道端のなんきんはぜはすっかり大きくなった。隣はせんだん。せんだんも大きかった。 坂の柿の木に実がなっているようだった。 小山のふもとを回り込むように歩く。こうして歩くのが自分だと思った。何か黄色の花がぽつぽつと咲いていた。マメの仲間のようだった。 道端の小さなお社。以前ここに大きな木がいたのを思い出した。切り株があった。ひこばえの跡があった。ひこばえは最近切られたような様子だった。 空き地だった場所に大きな保育園が建っていた。 公園に入るなり、猫がやってきた。若い方々が座り込んで猫をかわいがっている。手を振って通り過ぎた。 バラがよく咲いていた。 ひさしぶりのくすのきはとても大きく感じた。風が強かったが、後ろの坂が遮っているようでもあった。 暮れてゆく山並みは夕日を浴びていた山並みとは違う表情をしていた。 むかしの商店街の、町屋の造りのお家がたしかあった場所が、空き地になっていた。 ジュズダマが出ていた場所は草が刈り取られていた。 施設跡地は一部が掘り返されて土が積まれていた。 *** 線路際の場所はいろいろあった線路や踏切関係の機器が無くなっていた。がらんとしたその場所にまた柿の木やカラミザクラの木が生えてくることを一瞬夢想した。 旧バス営業所の植え込みは、くすのきや樫の木がすべて切り株になった。幹がいくらかの高さ残されている。端にはマツバギクが一輪咲いていた。 草刈りが終わって、たんぽぽらしきロゼットがいくつか見つけられた。 空き地は家が建った。草が生える余地は無かった。 遊歩道沿いのシロバナタンポポもロゼットが出ていた。このまま大きくなれるように。 川沿いの道はすすきが穂を並べていた。 アンタレスが見えるまでと思って公園で暮れるのを待った。見えて来た土星と夏の大三角とアークトゥルスの位置を見ながらアンタレスを探した。時計塔の上に星が見えた。まだいくらか高い。ときどき赤い光になっていた。帰りながらもアンタレスをときどき見た。最後に見たのは桜並木の信号待ちのときだった。 草が立ち並ぶ場所。いくらかの草が枯れてきたようだった。ここもいずれ工事が入るだろう。私もこの草たちと同じなのだとふと思った。 *** またここを通るから今度写真を撮ろうと思っていたこぶしの実がほぼ落ちていた。残っていたわずかな実を写真に撮った。 切り開かれた小山は発掘調査をするらしい。札が出ていた。山の上のテントは調査のためのものなのだろう。 林の中で向こうの広場の明るみを眺めていたら、目の前にぼとっと何か落ちた。寄ってみたらどんぐりだった。少し考えて、拾った。こどもさんが歩いてきて、どんぐりをほしがるでも何か探すでもなく、私の前を通り過ぎていった。 そのこどもさんが道を隔てた隣の林へ行った。そこで長く何かしているようだった。お母さんらしき方が見守っていた。 柿の木のポケットパークは柿らしき葉も枝も無かった。 営業所の切られた木々の切り株はそのままだった。マツバギクのペットボトル鉢が散乱していた。1つだけ手が届いたので、立て直した。 *** 神社は露店が出ていて、そこそこのにぎわいだった。本殿で舞いが行われていた。少し見た。母もこどもの頃に見ていただろう。境内の大きな木々の下で、若い人たちが集まって何か食べながら歓談していた。お歳の方にどなたか知らない方のようだったが声を掛けてお話しなさっていた。 パッチワークの個人展が開かれていた。ひさしぶりにうかがった。お礼を申し上げて土手の道を上がった。キバナコスモスの花が咲いていた。 コスモスの道は少し花がまばらだった。公園はこどもたちや御家族がにぎやかに遊んでいた。川遊びをしている子もいた。 大通りのシロバナタンポポはいまは葉しか見つからないだろうと思っていたが、葉もわからなかった。 暗い公園の横を通る。これだけ木々が茂るとたしかに中の様子がわからない。でもこういう暗がりの公園があるほうが何か、まちが落ち着くような気がした。 開いているところをもう長く見ない石屋さんのビルの2階に灯りがともっているようだった。お元気でいらっしゃるならそれでいい。 *** 建物の外に足場を組んでいた。そこの植え込みに何かいろいろと草がいたような覚えがあるが、何の草がいたかまで思い出せない。 歩きながら木々の1本1本まで見ているわけではなく、気がついたら切り株になっていたということが多い。そして心が痛むのだけれど、そのこと自体にも心が痛む。 バス停のすみれは姿が無かった。 公園の枝垂桜は葉が枯れそうな感じになっていた。根元が腐朽したようになっていて、つつくと蟻が出てきた。 小さな川のへりのえのきが枝をほとんど落とされて棒のようになっていた。わずかに残った葉が生きていることを伝えていた。 そのすぐそばで、モチノキが実をみのらせていた。 川縁の遊歩道を歩いた。白いキツネノマゴを見た記憶があるが、見つからなかった。イヌビユは出ていた。 こどもの頃に手術を受けた耳鼻咽喉科の病院が小児科になっていた、と思ったのだが、帰ってから考えると名前が違った。 交差点角のナンキンハゼの小枝がたくさん落ちていた。 濠のそばにミゾソバらしき花がけっこう咲いていた。 金木犀もひいらぎもくせいも咲いていた。 八百屋さんの跡地はまだそのままのようだった。草が茂っているようだったが灯りが届かないで何の草かまではわからなかった。枯れているような色合いのところもあった。 *** 小さな公園の桜が何年か前に伐られたが、その公園にすべり台が設置されると札が出ていた。桜の根は撤去するらしい。切り株を見ると大きなひこばえが伸びていた。しっかりと生きている桜だった。 跨線橋のあった場所は路側の歩道が両側とも開通していた。線路際の椿と木瓜と蔓日々草の場所は舗装の下になったようだった。 営業所のくすのきや樫の木の切り株はそのままだった。この前散り散りになっていたマツバギクはくすのきの根元に集められていた。 *** 解体中のビルの緑地は木々のひこばえが整理されたのか、どの木も同じような長さになっていた。ひこばえがない木も見えた。 仮設ホームから見る旧駅入口は以前は高い丈の草が並んでいたが、いまは地面にぽつぽつと緑が見えるだけになっている。それでもこの場所が解体されるまではまだ時間がありそうな様子だった。 *** お家の塀越しにボタンクサギがたくさん咲いているのをこの前見た。ボタンクサギを見るのがひさしぶりだった。大くすのきの林のところで見たボタンクサギを思い出した。今日もボタンクサギが咲いていた。 放置されているらしきお家でヒイラギモクセイが咲いていた。香りがしないかとマスクをずらしたが、香りはわずかにしか感じなかった。少し歩いているとふわっと、ひいらぎもくせいの香りがした。そのお家のひいらぎもくせいの香りなのかどうかはわからなかった。 街路樹がことごとく切り株になっていた。どうもけやきのようだった。そう言えばこの道は緑の茂る道だったような気がした。切り株は伐られて少し時間が経ったような様子だった。 丁字路は草が出てこないままだった。 いつもは通らない側の歩道を歩く。空き地があった。何の場所だったかわからない。空き地に向かうように、歩道の端に大きな草が立っていた。空き地にも草が出ている。エノキグサが大きく広がっていた。空き地になってから時間がそれなりに経ったようだ。 いろいろな大きな草がいつも出ている歩道際、この前通ったときは草が無くなったと思っていたが、ヒロハホウキギクが1本立っていた。咲いていた。 歩道沿いの学校の裏手にビニールのボールが落ちていた。誰がどうやってここにボールが来たのか、なぜ残っているのかちょっとわからなかった。道から飛び込んだのだろうかと考えたが、いま思うとそれにしては柵に寄りすぎていたように思う。 たんぽぽが出ていた街路樹の根元はほかの草がたくさん生えていた。少し離れた空き店舗の前に、たんぽぽらしきロゼットが残っていた。 ここは田んぼだったのに、集合住宅が立っていた。もう空いているスペースはない。 神社にお参りして昔ながらの坂を登り下りる。木を見上げる。雲を残して暮れていく空はうすだいだい色だった。 *** 小学校の講堂から「ふるさと」の合唱が聞こえてきた。こどもたちではないようだった。 小さな地域会館の裏手の細道に面して鶏頭がたくさん咲いていた。 道端の元くすのきの小さな場所、ハゼランが出ていたのが無くなっていた。 トイレ休憩に立ち寄った公園ではこどもたちがたくさん、親御さんに見守られながら遊んでいた。いちょうの木や樫の木を強い日差しが照らしていた。 金木犀の花が終わっていた。こどもたちが金木犀の木の下で集まって何かしていた。ひいらぎもくせいはよく香っていた。 ホットドッグ屋さんの車が動いているのを初めて見た気がする。 公園の大広場の端にどうもドッグランらしきものが造られつつあった。その端に接するようにしてブルーシートのお家が寄り集まっていた。 *** 市場跡地に商業施設が出来て前の歩道も造り替えられたのだが、その歩道の街路樹植え込みに出ている草がけっこうさまざまのようだった。まだ出来てそんなに時間が経っていないのだが。ハゼランも出ていた。 新しい診療所が広々と立ち並ぶその敷地の一角に、わりと大きないちょうの木が立っていた。ここがこうなる前からそこにいた木のように見えた。 足が赴いて歩いて行った先に、以前の夏にいちょうの木が葉を枯らしていた公園があった。寄るしかない。いちょうは葉の先のほうから色づいて、青海波の文様のようだった。 今度はさまざまな緑が植えられている公園に出た。やはりひさしぶり。薔薇が咲いていたしイヌタデも咲いていた。どこからか、ひいらぎもくせいの香りがしたが、ひいらぎもくせいは見当たらなかった。 ビル街の小さな公園が社会実験でベンチやシートを設置していた。シートの上に座り、横になった。白い空の高い所を何かの鳥が回っていた。 歩いていてズボンに蜜蜂がしがみついていた。さっきの公園でシートに横になったときに付いたのだろう。公園まで戻った。蜜蜂はしばらくして自分から飛んでいった。 神社の大いちょうも、さっきの公園のいちょうと同じ色づき方をしていた。 小学校だったかの跡地が工事が入っていた。歩道側の植え込みの中にオブジェが残っているのが見えた。 施設建設が始まった閉鎖公園の端の、伐採された夾竹桃がまたひこばえを出していた。ひこばえは生き生きとして見えた。 歩道のクラックのワシントンパームはだいぶ葉が小さくなっていたが、生きているようだった。 *** 小さなお花屋さんの無くなった空き店舗はまったくお花屋さんの跡形がなかった。 空き地も家が建った。 遊歩道のシロバナタンポポは空地のほうは葉が出ていたけれど、ハイビャクシンの茂っているほうの場所では葉が見当たらなくなっていた。 川沿いではススキの穂とセイタカアワダチソウが同じくらい立っていた。 日が暮れた公園。夏の大三角が天頂を過ぎるくらいのあたりに掛かっていた。アンタレスが見えるかもしれないと、広場に出て空の低い所を見ていたら、たなびく小さな雲の上にちかっと光るものが見えた。雲に隠れたのでしばらく待った。雲の下から星が見えてきた。かすかだけれど星だとわかる。この位置で見えるくらい明るいのだからアンタレスだ。しばらく見た。広場を後にする最後に見たアンタレスは赤くきらっと光った。 公園はひいらぎもくせいの香りがしていた。虫が鳴いていた。 営業所の植え込みは切り株は残っていたがマツバギクは無くなっていた。 *** 駅前の広場は草も静かだった。以前来たときにも切り株を見たような覚えがあるが、切り株にきのこが生えていた。 大型ショッピングモールの駐車場の舗装面からヒロハホウキギクが出ていた。 高架の下に海に沿って伸びる公園。海の中に鳥居とお社が見える。そのあたりに海鳥がとまっていた。中学生くらいの若い人が柵を越えて海に面して立った。 人工島の公園。端のほうにビオトープらしき池があった。塩分が混じる水らしいが、寄って見るとめだからしき魚が見えた。イトトンボが寄って来たかと思うと、私の肩のリュックのパッドが当たっているあたりにやってきてばたばたしていた。 人工島公園の大きな池のまわりではこどもたちやのんびり過ごしている様子の人が多かった。池は浅く、魚がいたりするようではなかった。あきにれの木の下で休む。風が渡ってきた。 人工島は道が広かった。 橋を渡る。事故のことを記した何かがあるという話をどこかで聞いた気がするが、それらしきものは見当たらなかった。砂州がむかしと同じように伸びていた。むくろじのような実をつけている木が見えた。 レクリエーションセンターに移植された木々を見て歩いた。思っていたよりは元気そうだった。枯れている様子の木もいた。ぽつんと植えられているひいらぎもくせいに花のあとがあった。香りはもうしていなかった。 浜辺に出た。やはり小さな海だった。誰かがまとめたらしき小さな貝殻が集まっていた。 右手のほうが向こうへ開けているが、水際で海鳥が休んでいるようで、行くのを遠慮した。流木に座って休んだ。日差しが強かった。 橋の上から夕日を少し眺めた。雲のない空。 公園で日が暮れるのを待とうと思ったが、暗くなって歩けなくなりそうだったので、ヴェガが見え始めたあたりでまた歩き出すことにした。夕暮れの色合いが美しかった。アンタレスはまだ見えなかった。 せんだんが出ていた歩道際は、歩道が拡幅されて舗装もし直されていて、場所が定かにわからなかった。いずれにしてもせんだんは出ていなかった。以前はペットボトルがからから回っていたような覚えがあったが、今日は造花が飾ってあった。 キャンパス跡地は周縁に歩道が造られつつあった。シロバナタンポポの場所も舗装されたようだった。 残された桜は元気なようだった。 歩道際のたんぽぽもいるのはいたが、数が減っているように思った。 神社裏のシロバナタンポポは葉が出ていなかった。いまの時期は葉はあるはずで、むしられたのかもしれない。 新しく舗装された歩道の脇のたんぽぽはそれらしきロゼットがあった。 *** 三叉路の小公園にひのきのような幼木が植えられていた。植樹されたにしてはひょろひょろしていて、誰かが勝手に植えたのではないかという気がする。 斜め細道の小さなイヌビワが枝を切られてひとまわり小さくされていた。でも完全に伐採されたわけではなく、残すのは残すのだろう。 橋のたもとに大きなイヌビワがいた場所から川辺を見ると、ミゾソバらしき花が見えた。 学校のユーカリが切られていた。枝が大枝含めて落とされていた。幹だけになったユーカリは何か言っているような気がした。 いったん路側帯になる場所のイヌビワにちょっと触れて先を歩く。 けっきょく一度も入らなかったカレー屋さんが移転で閉店する。次にあの場所を通るときには違うお店になっているのだろう。 トイレへ行くために道を逸れて公園へ。ブランコに乗っていた方が私がトイレから出てきたときにはもういらっしゃらなかった。 バナナにしては小さな葉のその下に、ツルボのような花のあとの茎が見えた。近くに寄って葉を見ると葉は違う。すぐそこのお家の方が、ウコンですよと教えてくださった。しかしその花のことはわからないご様子だった。 たまにしか通らない丘の道。気になっている食堂は営業なさっているようだった。 お寺の前を通り掛かった。掲示板を見ると、前から知っている盲僧琵琶のお寺だった。ここだったとは知らなかった。お参りをした。中村旭園さんの句碑や筑前琵琶の歴史の碑が建てられていた。観音堂の石段に小さなイヌビワがいた。 横断歩道の桐の木は元気そうだったが、近くのヨウシュヤマゴボウは形が見えなくなっていた。 街路樹くろがねもちの歩道は、どうもくろがねもちを撤去しないで舗装し直したようだった。それならそのほうがいい。 スーパーマーケット跡地は今年はヒロハホウキギクがほとんど出ていない。アキノエノコログサが少し出ている。歩道のほうにアキノノゲシが出ていた。花が薄くない黄色をしていた。 緑道のいちょうやくるみの場所で作業をなさっている方々。高梯子を使っていたので剪定なのだろうかと思ったが、その場は通り過ぎた。 ひいらぎもくせいの花も終わった。 くるみの枝が少し落とされたようだったが、全体に大きく何かが伐られるということはなかったようだった。 美術館を出て中の島のほうへ歩く。遊歩道で観光らしき方々がまつぼっくりを蹴り合っていた。 公園は水鳥がふだんに増して多かった。というよりもう冬が来るのだ。 ドッグランらしき施設はたぶん折衝が行われたのだろう、テントのところだけ柵をへこませて造られていた。 *** 今回の観察ではアキメヒシバを観察した。 水辺にはカゼクサがいた。別の水辺ではイヌクグがほぼ実を落として立っていた。 クサギのトンネルだった場所の手前の擁壁と路面との隙間にすみれがたくさん葉を出していた。 *** お家の角に大きな鶏頭が。細い花も開いた花も。 以前くすのきがいた排水溝は植物は出ていないようだった。排水溝の脇でメヒシバが小さく茂っていた。 お店の前の植え込みのキツネノマゴは今年も出ていた。たますだれの仲間の花が一輪咲いていた。 しかし電話ボックスやその近くのキツネノマゴは草刈りの後もう出ていないようだった。ヒメクグが穂を掲げていた。 公園ではかすかにひいらぎもくせいの香りがしていた。木に近寄っても最初は花が見えなかった。枝の下のほう、葉が茂っていないあたりでちらほらと白い花が咲いていた。そのわずかな花の香りなのだろう。 桜が色づいていた。 公共施設前のタイル舗装の広場。舗装の隙間のあちこちで草が枯れかけて砂色になっていた。これだけ今年がんばったのだ。横断歩道の手前でコスズメガヤが色褪せて茂っていた。 さざんかがひとつ咲いていた。 桜の下のキツネノマゴは葉の色が赤っぽくなっていた。 営業所の切り株の木々はそのままだった。 線路際の場所はたぶん最近薬が使われたのだと思うが、オオイヌノフグリの葉がたくさん出ていた。 ざくろがなっていた。その隣のお家でもざくろがなっていた。 *** むかしのお家が空き地になった場所ではアメリカアサガオが奥のほうで地面に広がっていた。 川沿いのススキが立ち並ぶ中にタチスズメノヒエも立ち並んでいた。セイバンモロコシもいたような気がするが記憶違いかもしれない。 *** 日中にこの道を行くのは初めてだし、この方向から行くのも初めて。街路樹の切り株が花に囲まれていた。 畑のそばへ下りた。大豆が枯れていた。そのときは放置されているのかと思った。 以前ヤグルマギクが咲いていた場所は小さな草しか生えていなかった。その中のどれかがヤグルマギクかもしれない。少し先でカンナが大きく咲いていた。 ショッピングセンター敷地角のアキノノゲシは花を終えて綿毛を用意しているようだった。 河川敷は重機が入って草を刈ったような様子だった。だいこんの葉が散乱していた。ところどころ黄色の花が咲いていた。 土手の道を行く。夏が少し戻ってきたよう。 土手の道はコスモスの道になった。 むかし訪ねたお家の跡地。お庭を売ってほかのお家ができて、そのお家のほうが残った。 藤の木の下で休む。藤は下がる枝もなく、しっかりと手入れされているようだった。 こんな道だったかと思うくらい道が広い。工場や倉庫、大きな病院。 跨線橋が大きくカーブして街へ降りていく、そのカープの内側に、赤く色づいた木が立っていた。何の木だったかもう思い出せない。 夏に大雨が降る中を歩いて、雨宿りした場所の木々が、無くなっていた。駐車場工事とある。おそらく広げるのだろう。地面から出ている根に触った。敷地際にくすのきの幼木とえのきの幼木が出ていた。 春の小径は草が刈られていた。キツネノマゴが出ていないか見てみたがわからなかった。少し先へ歩くと、こおろぎがいた。こおろぎを写真に撮ったりして追っていたら、となりにキツネノマゴが小さく咲いていた。 ひさしぶりに通るむかしながらの道。大くすのきは元気そうだった。いちょうは少し色づいていた。 どこまでも続きそうな道。車がときどき通って行くだけ。しばらく歩いていると、高架の向こうからボールが路面にバウンドするような音がした。線路の向こうに自転車が止まっているのが見えた。 橋を渡る。少し雲がかかっているその向こうで月が照っていた。反対側には遠く雲仙が見えていた。 この前こちらを選んで歩いた道。公園のくすのきの樹冠の向こうで月が照る。その右上で木星が光っていた。 *** 桜並木の場所でこどもたちが袋を持ってうろうろしていた。何か枝を見分していた。 草が刈られてたんぽぽが咲き出した。 丁字路は草が出てこなくなった。 草が立ち並ぶ道端は今日通ったときは暗くて草がよくわからなかった。ヒロハホウキギクが斜めになっているのはわかった。 *** 道路のいつもと違う側を歩いたら草が記憶に残っていない。カンナをどこかで見た。 マンションの植え込みのコナスビは地面を覆うような数だった。 八百屋さん跡地はノゲシが出ていた。ほかの草も出ていたが枯れていた。ノゲシも一部は枯れていて、薬が使われた感じだった。センダングサの仲間が斜めになっていた。 *** マンション横の小径でペロペロネの花が落ちるのを見た。 その少し先にかたつむりがいた。 営業所の伐られたくすのきと樫の木のまわりが小さな草の園のようになっていた。くすのきや樫の木の幼木もいた。 公園脇の歩道はどんぐりが端に寄せられていた。 昨年だったか剪定されていたお家の柿の木はまた高く茂っていたが実は見当たらなかった。 ひいらぎもくせいのような香りがかすかにしたのだが、もう咲いてはいないはずだ。 桜を残していたお家の跡地は、モデルルームのようなものが出来るという札が出ていた。何か建ちつつあった。砂が入れられていて、その砂をかぶってハゼランが咲いていた。 あまり歩かない道を歩いて帰った。薔薇が高い位置で咲いていた。 *** 線路際の場所に小さく伸びている何かの草を思わず見てうれしくなった。 歩道際に出ていたヒロハホウキギクの茎が折られて落ちていた。花が咲いていた。歩道の脇に寄せた。 自分はけっきょくこうしている。 *** エノコログサが引き抜かれて枯れていた。少し陰になる所へ移した。 その少し先で、かたつむりが踏まれていた。落ちている葉っぱや草の茎を探して、葉っぱに乗せて土の所へ移した。 行く先をふらふらしながら歩いて、おりおり公園に出た。おりおり休んで楽譜を書きながら歩いた。 夜の帰り道に暗く茂っていた事業所前の木々が伐られて切り株になっていた。薬が入れられた跡もあった。 コスモスが咲いていた。畦を通った。通った先の小さなお社が無くなっていた。以前から撤去を求める貼り紙が出ていたが、そのとおりになったのだろう。 くすのきの場所は車が多く停まっていた。帰りに寄ろうと思った。 学校横でひいらぎもくせいの香りがした。まさかと思って歩いていると、花が咲いていた。少し元気をもらった。 史跡のもみじが真っ赤になっていた。 遠くから見たカイノキが葉が無いように見えて、急いでそこまで行った。ひこばえが無くなっていた。もぎとられたようにも見える。切り株は大きなきのこが取り付いていて、腐朽している。ひこばえを育てるために切除したのだといいのだが、切り口の様子を見るとわからない。樹皮はもう浮いていて、この切り株からさらにひこばえが出てくる見込みは薄いように思えた。 もう1つの切り株は揺らすと揺れていた。 川の擁壁でセイタカアワダチソウがたくさん咲いていた。去年は小さな丈の1株が花を咲かせていたのだが、今年はそれがどれだったかわからなかった。 雨になったので、くすのきの所へは寄らずにこのまま帰ろうと思っていたが、くすのきから呼ばれたような気がして、立ち寄った。くすのきの葉が風にさやさやと鳴っていた。その音をしばらく聴いた。くすのきが話し掛けてくれている気がして、涙がこみ上げてきた。 道端のせんだん幼木は刈り込まれていたが残されていた。 公園を通り抜けた。十月桜がこの前見たときより咲いていた。 *** 学校の敷地隅の切られた木々の切り株のうち2つはひこばえが勢い良く茂っていた。1つは落ち葉が山のように掛けられていた。 いちょうの木が根元から萌えていた。 跨線橋を降りていくくろがねもちの木々に赤い実。 シロバナタンポポが出ていた坂道の脇に防草シートが敷き詰められていた。 柿の木と樫の木のいた場所の近くにもシートが敷かれていた。ただそちらはところどころ隙間があり、そこから草が出ていた。 チカラシバがいくらか固まって出ていた。 アキノノゲシが出ていたと覚えている場所はいろんな草が出ていた。ツユクサも咲いている。アキノノゲシは端のほうで咲いていた。 伐採木置き場のいちょうの代わりにアカメガシワが出ている。そのまわりにも幼木が出ているが、いちょうはやはり出ていないようだった。 かかしたちは今日も踊っていた。 ここは柿の木だったかと思った。さざんかだと思う木がつぼみを用意していた。 よくわからない草が生えているので見ていたら車がやってきた。隣のお家に停まるらしい。いまさら離れられないのでそのまま草を見た。 来た道を帰ることにした。壊れそうだったお店が無くなった跡地は車が停まり、選挙の立て看板が立っていた。 もと大くすのきの林の場所に近い道端のくすのきの幼木は枝が切られた様子があったが元気は元気そうだった。 擁壁の桐の木はもうひこばえを出さないようだった。 校庭の隅に一輪車が積まれるように置かれていた。 *** 旧跨線橋の手前は坂を切り崩すような工事が進められていた。 新しい公園の住民ワークショップの案内を見た。 公園の伐られたくぬぎの切られたひこばえのあたりを見た。ひこばえがまた出てくるのを待たなければ。 会館の小径が緊急らしき工事をしていた。会館の敷地では鶏頭がたくさん咲いていた。 このあたりにトイレのある公園があったと思って道に入る。すぐに公園があった。広い公園だが木が少ない。トイレを済ませて公園の端のベンチで休む。後ろのどこかのお家でこちらを気にしているような物音がする。スマートフォンで文書を作って立ち上がる。後ろはマンションだった。 桐の木の横断歩道近くの、ヨウシュヤマゴボウが出ていたあたりを見た。小さな葉が出ていた。たぶんそれがヨウシュヤマゴボウだ。 緑地はもうスズメノヒエが見当たらなくなっていた。 花壇の横のイヌビワは復活していた。数も増えていた。 街路樹が歩道の舗装を盛り上げている所に作業服の方がスプレーで線を引いていた。 水の公園の岸でカゼクサがすっかり色を変えて風に吹かれていた。 新しく出来たのはドッグランだけではなく馬場もだった。シートテントの方々が馬場の端で何かおっしゃりながら細かく行き来なさっていた。 史跡の広場を渡る。すずめが群れをなして、人が近づくごとに飛び立ってはまた降りる。少し避けた。すずめたちは草原をめいめいでついばんでいた。 横断歩道が必要なのかわからない小道の信号で立ち止まる。角に小さなかたばみが見えた。 *** 公園が新設される範囲はだいぶ狭く感じる。土嚢に草が生えているのが遠目で見えた。 学校前の桜の並木の中に切り株になった桜がいる。ひこばえが小さく出ていたが、ヨモギに埋もれそうだった。 こどもたちが大根のような葉を持って帰っていた。 書き忘れていたが踏切跡の道路が少し広がっていた。踏切の警報機があったあたりは草が枯らされていた。 かたつむりがこの前見たときと同じ壁の同じ所にいた。 *** たんぽぽが明るく咲いていた。 踏切脇のアカメガシワが刈り込まれていた。それを見ようとしたら後ろの自転車の方が少しお退きになったのでこちらも遠慮した。 その先によくわからない草が出ていた。赤くなっている。その草を見ているときには自転車の方はそのまま通り過ぎて行った。 横断歩道手前ではコスズメガヤに続いてコメヒシバも白くなった。 サザンカがたくさん、それこそ樹冠いちめんに咲いていた。 先日ヒロハホウキギクの茎がちぎられていた場所ではほかのヒロハホウキギクも折られていた。折られて咲いていた。 営業所の植樹帯にヒメウズの葉がたくさん出ていた。 *** 植樹帯の植物札はだいぶ前のものなのだろう。出されている植物が見当たらないものが多かった。 けやきの葉がたくさん積もっていた。 公園のけやきがみごとに色づいていた。いちょうも。けやきには赤いテープが巻かれていた。 商店街は人が多かった。大道芸イベントのためもあるのだろう。 商店街を外れた公園でもこどもたちが灯りの下で遊び回っていた。ここでもけやきやいちょうが色づいていた。 新聞に紅葉の話が掲載されていた公園は暗がりの中でいちょうが街路灯に照らし出されていた。 どうやら宇宙ステーションのようだった。市役所の建物の向こうへと沈んでいった。すぐ横から出てきて、低くなって光が消えた。 *** お家の前の鶏頭は道端のどこから出ているのかわからなかった。 ひさしぶりに歩く道。ところどころ見た覚えがないお家が建っている。新しいお家のコンクリートが敷き詰められたところどころに木が立っていた。枇杷の木につぼみが見えた。 歩いていてふと見えるムラサキツユクサ。以前はここは小さな畑で、ナズナやホトケノザが咲いていた。いまはお家が建った。その敷地の隅でムラサキツユクサが咲いている。 この前見たよくわからない草の場所の手前にもうひとつよくわからない草が生えていた。 小さな四つ角のコニファーがいる角に小さな枇杷の木がいた。 強く剪定された神社の桜とけやきを仰ぎ見る。石垣にアキニレらしき小さな木が出ていた。アキニレは見ていなかった。自分も居るのだと。 小さな霊場の祠の下にチェリーセージが咲いている。この前も咲いていた。 伐採木置き場のいちょうの切り株のところにアカメガシワと一緒に出ているのはヌルデのようだった。 かかしたちは今日も踊っていた。コスモスの花もまあまあ咲き残っていた。 車両基地から退勤の方々が出て来られる。その角でひいらぎの花の香りがした。花が咲いていた。 夕日が見える丘は草が刈られていた。 池の公園を歩く。日がとっぷり暮れた。暗くなった曇り空の下、対岸の森が黒く横たわっていた。 歩道の花壇に防草のシートが敷かれていた。ところどころに穴が空いていてそこに花が植えられている。この花たちの種子が落ちてもここからは生えないということになるだろう。 *** 今年はトキワハゼをあまり見なかったとふと思った。気になって、トキワハゼを今年見た場所へ行ってみようと思った。 その途中でトキワハゼを見つけた。花はわずかだったが咲いてはいた。それよりも実がたくさんできていて、そちらが目立っていた。 先日見かけた公園の幼木は無くなっていた。 休憩をした公園のグラウンドを挟んだ向こう側で、引率されたお散歩の方々がそこの木から何か採っているようだった。その方々が去って行った後で行ってみた。あらかしの木にどんぐりがたくさん生っていた。 枝垂桜は枯れずに済んだようだった。 小さな川のほとりのモチノキに実が生っていた。 空き地に産廃業者のトラックが入って何かの廃材がたくさん積まれていた。その端で、この前も見たたぶんトマトだと思う花が咲いていた。 トキワハゼを見た気がする川沿いの場所は、芝の草が広がっていたり砂をかぶっていたりして、トキワハゼがいるような様子ではなかった。何をどう勘違いしたのかわからない。 小学校そばの夾竹桃は花が終わっていた。 その後、ビル街の裏道の駐車場脇と、中心街の歩道で、トキワハゼをたくさん見た。咲いてもいた。 夜の小道で犬が別の犬に向かってさかんに吠えていた。飼い主の方が抱きとめていた。そのまま通り過ぎて歩いていたら、その犬が走って追い抜いて行った。別の犬のところまで走って吠えかかっていた。 小さな公園の伐られた桜はひこばえを出していたようだがどれも枯れているようだった。新しい桜がそれぞれの隣ですっと立っていた。 *** 公園ワークショップの第1回報告が掲示板に出ていた。そのことを考えながら歩く。 公園のこちら側をあまり歩かない。種類がわからない大きな木が並ぶ。歩いていると切り株があった。おがくずが残っていて、新しく伐られたのだろう。その木だけ幹回りがだいぶ大きいようだった。 なんきんはぜの切り株のひこばえが草のようだった。 信号を渡った先の仮設の八百屋さんにポインセチアやシクラメンが並んでいた。そういえば同じように仮設の、うちの近くの八百屋さんには菊があった。 川辺に工事が入っているようだった。橋を対岸まで渡る。対岸は土地がならされていた。芭蕉が出ていたはずだがと思いながら橋のたもとを見ると、細い芭蕉が1本残っていた。そのあたりに作業の方が取り付いていた。 歩道の植え込みで草取りと剪定が進められていた。途中にまだ刈られていない植え込みがあった。ヒメジョオンが咲いていた。 左足の裏がつったようだ。トイレにも行きたい。この前と同じにまた裏道に入る。トイレに行こうと思っていた公園は保育園帰りらしきこどもさんたちでいっぱいで、向こう側のトイレまで行くのがためらわれて通過した。その先の別の公園もこどもさんたちでいっぱいだったが、こちらはトイレが道から近く、そちらに入った。ベンチで薬を飲んでひと休みして歩き始めた。 お家のお庭がどうもツユクサでいっぱいになっているようだったが、じろじろ見るわけにもいかなかった。 お家の間へ入っていく小径の真ん中にノゲシが立って咲いていた。たしかこの前も見たのだった。 駐車場の柿の木には実がなっているように見えた。葉が色づいていたのかもしれないが、車の中に人がいるようだったのでこちらもじっと見るわけにいかなかった。 横断歩道の桐の木は落葉していた。ヨウシュヤマゴボウはよくわからなかったが、そのだいぶ向こうにヨウシュヤマゴボウらしき草の姿が見えた。 自動販売機裏の柿の木は紅葉していた。 小公園のひこばえが育ったくすのきは剪定されていた。電線に掛かりそうな枝だけを落としたようだった。 スーパーマーケット跡地はこの秋はあまりいろいろな草が出なかった。エノコログサがところどころに立っている。 公園のスズメノヒエは今年は実をつけなかったようだった。 イルミネーションの青色LEDが目につらかった。 酒屋さんの前でペラペラヨメナが咲いていた。以前も咲いていた気がする。 *** 草が並ぶ裏道のヒロハホウキギクに綿毛がたくさん出ていた。その先のブロック塀の下ではノボロギクの葉が出ていた。 桜並木の下に1株、種類のわからない草が出ていた。このあたりでは見かけない。鳥が運んできたのだろうか。 ヒロハホウキギクが折られて咲いている歩道脇ではセイタカアワダチソウも折られて咲いていた。 やはりまちがっていたのだろうけれどこうして草を見て歩いている。 公園はプラタナスの葉がいっぱい落ちていた。 さざんかの花が雪のように積もっていた。こどもたちが近くで遊んでいた。 モミジバフウの葉が舗道の上でこなごなになっている。 小さな公園のけやきが隣のマンションを隠しながら赤く立っていた。 *** 道端のせんだんはやはり薬がかけられたような枯れ方をしていた。 クワクサも数が少なくなっているように見えたが、残っている株は元気そうだった。 ガードレール角は枯れた草が無くなっていた。 空手道場は外に親御さんらしきたくさんの方々がおられた。昇段試験との立て看板が立っていた。 踏切にくぬぎの幼木がいた。 ススキと一緒に立っているセイタカアワダチソウがすっかり綿毛になっていた。 公園は紅葉が進んだ。 すみれのプランターにノースポールらしき葉が出てきた。 折れて咲いていたヒロハホウキギクがすっかり綿毛になっていた。セイタカアワダチソウのほうは逆さまになって咲いていた。 *** 撤去予定が貼り出されている公園の桜の切り株はまだ残っていた。葉もあまり散っていなかった。 以前ときどき通っていた小径に入った。角のお家が壊されて更地になっていた。たしかえのきか何かの木がそびえていた覚えがある。ちぎれ根が見えているだけだった。 橋を渡った向こう岸のバナナはその一帯だけが残っているようだった。今後どうなるかはわからなさそうだった。こちら側の橋のたもとにはイヌビワが色づいていた。以前、橋の上からイヌビワが見えていて、このごろは見えなくなっていたが、居続けていたようだ。 路側帯だけになる道際のイヌビワに実がなっていた。 角のベニバナトチノキは落葉途中だった。葉の落ち方が柄を残して落ちているようで不思議だった。 駐車場の柿の木はたしかに実がなっていた。葉がさらに濃く色づいたので実の色がはっきり見えた。 公園はこどもたちがとにかくいっぱいだった。トイレに入るのも少し恥ずかしいくらいだった。 緑道のいちょうがいちばん見ごろな時期は過ぎたようだった。 三叉路のキツネノマゴは今年は出ていなかったのかもしれない。葉が見つからなかった。しばらく前に草刈りがされたような様子で、それで姿が無くなったのかもしれないが。 八百屋さんの跡地ではやや小さめのイヌホオズキが少し咲いているようだった。 *** 解体工事中のビルは囲いの高さが低くなっていた。緑地の木々のひこばえはいくらか切られたようだった。紅葉はしていなかった。それからツワブキが咲いているのが見えた。 建設工事中の公園はメタセコイアが色づいていたが、あざやかというより少し暗い感じだった。夾竹桃やシナサワグルミのひこばえが短く元気に出ていた。 営業しているのかよくわからなかった喫茶の看板が出ている建物に灯りがついていた。 以前アキノノゲシが出ていた空き地の敷地はいま店舗が建っている。アキノノゲシが道端にでもいないかと思って見てみたがいなかった。エノコログサが白く照らし出されていた。いつか見た立ち枯れたエノコログサのようだった。 *** 営業所の駐車場跡のネズミモチの木に実がなっていた。アレチハナガサの終わりかけた花と交差していた。 遊歩道の植え込みのシロバナタンポポの葉はまたむしられていた。ハイビャクシンの場所のシロバナタンポポはロゼットを広げていた。 冬になればススキもセイタカアワダチソウも同じ姿だと思った。メリケンカルカヤが忘れないでくれと言いたいようにその手前に立っていた。 公園のほとんど葉を落としたプラタナスの梢に陽が当たっていた。 折れたヒロハホウキギクやセイタカアワダチソウはそのまま花を咲かせ綿毛になっていた。 いずれ大きく様子が変わるはずの草が立ち並ぶ道端。自分も同じだと思った。いまを生きてここで命を終える。 *** ヒトツバタゴに実がなっていた。 あまり歩かないほうの大通りを歩いた。路地に入るとパン屋さんがないだろうかと路地をのぞいたが、わからなかった。 しばらく空き地だった場所に建物が建ちつつあった。診療所のような感じ。ここでホトケノザやナズナを見たのだった。ホトケノザが敷地の手前の端に数株出ていた。ノゲシやエノコログサやキュウリグサが出ていた。 レストランの後に事業所が入った建物の入口階段。コメヒシバやニシキソウが出ていた。 丘の上ではもみじが色を変えつつあった。 はくちょうに小さく手を振った。はくちょうが尾を振った。 このごろのヒメジョオンは紫ですよと先日メールで教えていただいた。アパートの入口手前にヒメジョオンが出ていた。薄紫の花だった。 節句の縁起物を扱っているお店が開いていた。開いている時間に通ることがあまりなかった。羽子板が並んでいた。 シロバナタンポポの角は草が刈られたようだった。小さな葉が出ているのか残っているのかが見えていた。 横を通っている公園の紅葉がきれいだと聞いたので、入ってみた。トウカエデの大きな木が立っている。葉がまわりから赤くなっていた。ベンチに掛けていた方がびっくりしたように立ち上がるのが見えた。1人と思っていたが、お2人だったようだ。 小さな川へ降りる。カラムシが大きく茂っていた。石垣のまわりにいろんな草が出ていた。取り残されたような場所だけれど、だから残っているのだろう。 *** 幼稚園の近くの道端にしばらく前から鶏頭が咲いている。今日も咲いていた。少し前はキバナコスモスが咲いていたようだったが今日は見なかった。 丁字路に何かの草のロゼットが小さく出ていた。 日が照っているほうの道を選んだ。コスズメガヤが白く照らされていた。 お家の柿の木は剪定された後だいぶ枝が出てきたようだった。 クワクサも残っているようだった。別の場所でクワクサを見た気がするがどこだったかわからない。 *** 2つ信号の場所をひさしぶりに通ったが、人も車も多くて草をよく見る余裕がなかった。 スーパーマーケット跡地にヒロハホウキギクがいた。1株は枯れているようだった。もう1株は全体すっかり赤っぽくなって、花を咲かせていた。 お寺のいちょうが見事に色づいていた。写真を撮りたかったがマンションが入ったりして、よい角度がなかった。眺めるだけにした。 残されたいちょう並木はもうすっかり落葉して、端の数本だけが葉を残していた。そこだけ陽が当たっていた。 八百屋さんの跡地にはイヌホオズキやノゲシのほか、クグガヤツリがたくさん出ていた。コゴメガヤツリも出ていた。 空き地のトマトらしき草は変わらず花を咲かせていた。産廃は無くなっていた。 月の右上に火星が光っていた。皆既月食と天王星食からちょうどひと月。遠い昔のことのようだ。 猿田彦さんのふもとのホトケノザが見当たらなかった。車が入ってくるところでよく見られなかった。 むかしからのお家が取り壊されて更地になっていた。端のイヌマキの木が残されていた。 *** 神社のくすのきがとても大きく見えた。大きな木が残っていることの意味を考えた。いちょうがきれいに色づいていた。 先日近くを通ったときに奥のお家が取り壊されているらしき様子があった。今日別の道から見たらすでに更地になっているようだった。道を入って行けば全体の様子がわかるはずだったが、そこまではせずに先へ行った。 *** 草が立ち並ぶ道端の場所の手前で、車椅子の方が工事現場のほうを眺めておられた。道端はヒロハホウキギクの綿毛がたくさんだった。 営業所の植え込みでは水仙が咲いていた。 桜並木の下の草が一部無くなっていた。抜いたのだろうか、まっさらな地面が広がる場所がいくつかあった。キツネノマゴや種類のわからない草が生えている場所はだいじょうぶだったが、気になる。 線路際に種類がよくわからない幼木が立っているのに気づいた。 公園のメタセコイアは色づいて茶色になった。 しばらくぶりに通る道。ここにいちょうの木がいたとは。あまり大きくせずに育てているような様子だった。 街路樹のけやきがいくつも切り株になっていた。最後に通ったときにそうなっていたか思い出せなかった。 畑だったと思う場所にグラウンドが造られつつあった。 かえるの置物があった。前からあったと思う。1年半くらいではそこまで道は変わらないのだとも思った。 斜面にはもう木は出ていないようだった。斜面の終わりにすすきが1本立っていた。 道沿いの小さな場所で、オランダミミナグサがつぼみを用意していた。今日咲いていたのかもしれない。オオイヌノフグリはまだ閉じ切らないでいる花がたくさんあった。 かかしはいなくなった。鶴のかかしだけが残っていた。何か植えられているようだった。 神社のけやきのそばで木星が輝いていた。 この道はしばらく通らないかもしれない。草たちに手を振りながら歩いていた。 シロバナタンポポが出ていた場所はシートが変わらず敷かれていた。端からでも葉が出てきたらいいのだが。 縁日で露店が出ていた。このごろにしては多い気がした。ただ、毎年銀杏や栃の実を売っていたお店は探したけれど出ていなかった。植木屋さんも出ていない。 露店が並ぶ道沿いのお店なのか、中でギターの弾き語りをなさっていた。Wの悲劇の歌を男性の方が温かく歌っていた。神社のお札を手にした方々やこどもたちがお店の中で腰掛けてその歌を聴いてらっしゃった。 *** 中心街の公園でリコーダーを吹く方が。ときおり鳴る甲の音が公園の色づいた木々と後ろに立つビルの下でひとつの景色になっていた。 改築しているビルの谷間のヨウシュヤマゴボウの場所の近くに出ていた新しいヨウシュヤマゴボウが見当たらなくなっていた。横断歩道の近くにオシロイバナが出ていた。 少しひさしぶりに立ち寄った公園。アオギリはいくらか葉を残していた。グラウンドのそばに若いアオギリが出ていて、やはり若いナンキンハゼと丈を並べていた。 道をお教えした方が先へ歩いていって、さらにほかの方に道を尋ねていた。その方が付き添って行かれるようだった。 神社へ上がる階段で遊んでいたこどもたちが下りてきた。公園の管理スタッフの方がこどもたちに並んでもらって写真を撮っていた。 強剪定されたむくのきは葉をだいぶ茂らせた。ふたたび大きくなるにはまだ時間が掛かるだろうけれど、元気ではある。 丘の上の山桜は冬芽をつけていた。固そうだった。 昨冬を越したキツネノマゴは花を咲かせたようだった。もう咲いてはいなかった。花穂の先から今年の茎を伸ばしていたが、花穂の部分が少し細いためか、あまり丈夫な茎葉ではなかったようだった。 その近くのキツネノマゴがどこから出ているか確かめたくて、つまんで軽く引いていたら、花の咲いている穂をひとつ取ってしまった。この時期に申し訳なかった。 イヌコウジュは1株しか見当たらなかった。その1株がたくさんの花をつけた跡があった。 降りていく遊歩道の途中に大きないちょうの木が。見事に色づいている。こころもち色が薄い。これまで気づかなかった。見上げた。 さざんかも咲いて積もり始めていた。 この道路からこちら側は埋立地だと思うが、野菊が咲いていた。 雨になった。しばらく歩いていたが傘をさした。堀のほうから水鳥の声だったか気配がしていた。 *** シャッター前のたんぽぽも花が咲いていた。 この前の縁日のときにお参りするのを見送った小さな神社にお参りした。こどもたちが隣の何か戸のようなもので遊んでいて、監視カメラがあると声を上げてそこから離れていった。 桜並木の下はあまり変わりがないようだった。 お家が建った空き地は草が出てくる余地がなかった。そのまわりのどこかに以前の草のこどもが生きているかもしれなかったが、よくわからなかった。 学校の裏手の林には落ち葉がたくさん積もっていた。 公園の紅葉もそろそろ見ごろを過ぎ始めた。かねたたきの声がするかと思ってまわりの音を聴いていたが、聞こえてこなかった。 すみれのプランターでノースポールが咲いていた。 さざんかは花の盛りを越したようだった。でもまだたくさんの花を咲かせている。 折られたヒロハホウキギクとセイタカアワダチソウを見て通った。ヒロハホウキギクは花をもう咲かせてはいないようだった。セイタカアワダチソウも花がしおれてきたように見えた。 営業所の水仙の花が無くなっていた。つぼみができつつあるようではあった。 草が立ち並ぶ裏道でめずらしく通る方とすれちがった。ここではヒロハホウキギクが1株咲いていた。 やっぱり小公園のほうの道を通った。こどもさんとお母さんらしき方が、街灯の光のシルエットになりながら話をしていた。 *** 公園のワークショップが今週末だという掲示が出ていた。 くすのきの出ている排水溝のすぐ隣で道路を掘って工事をしていた。 山に雪が積もっているかどうかちょっとよく見えなかった。 会館裏の鶏頭はよく咲いていた。路地の反対側のブロック塀からたしかホトケノザが出ていた。 橋のたもとの芭蕉は切られたようにしていた。短い葉が残っていた。 校庭の強剪定されたユーカリに芽が出ていた。 イヌビワの実を横に見て歩く。アカメガシワの葉にちょっと触れていく。 刈り込みと草刈りが同時に行われていた植え込みの1か所で、小さくなったナンキンハゼが紅葉していた。 くすのきの幼木がいた道端のハゼランが少ししおれているように見えた。 横断歩道の桐の木はすっかり落葉した。ヨウシュヤマゴボウはわからなかった。 自動販売機裏には柿の木だけでなくイヌビワもいた。柿の木の奥。実がなっていた。 スーパーマーケット跡地のヒロハホウキギクは花が目立たなくなっていた。 くるみの木もすっかり落葉した。実だけが枝に残っていた。 緑道に小さな鶏頭がいた。どなたかが植えたように見えた。 公園の二世桜も葉をだいぶ落とした。ノムラカエデも数枚だけ葉を残してほぼ落葉した。 マンション入口でこどもさんが泣いていた。ほかのこどもさんもいた。気になったが関わっていきようがなく、そのまま横断歩道を渡った。 八百屋さんの跡地ではイヌホオズキが少し色褪せていた。かやつりぐさの仲間はやはりコゴメガヤツリのようだった。 公園には今日はキャンドルは出ていなかった。大きなツリーの灯りと各所に点在するサンタクロースが写真の人気になっていた。 *** 会館横のがらんとした小公園に寄る。桜の若木のそばに立つ。以前のここの姿が心の中にある。若木はまっすぐ立っていた。 *** どの道を行くか迷いながらけっきょくいつもの道を行った。 草が立ち並ぶ道端には車が停まっていた。ヒロハホウキギクは花を咲かせず綿毛を広げていた。 ブロック塀の下はノボロギクも葉を出している。行く人とすれ違う。 桜並木の下のキツネノマゴのあたりが心無しか草が取られたように見えた。キツネノマゴは花こそないものの生きているようだった。 世話をされている桜のひこばえに近寄って見た。やはり枝をちぎられているようだった。冬芽がいくつか出ていたが多いとは言えない感じだった。 ナガミヒナゲシやホトケノザがたくさん出る駐車場脇は草が取られたようにしていた。木の根元にホトケノザが1株残っていた。 信号の場所はコスズメガヤの穂がわからなくなっていた。コメヒシバが白い穂を掲げていた。 すみれのプランターはすみれとノースポールが同居している。ノースポールの若葉が出ていた。 公園のタイル敷き遊歩道を歩いていて、がさっと音がした。見ると枯れ葉がその音を立てたようだった。プラタナスの葉のようだった。 公園のメタセコイアはだいぶ落葉した。残っている葉は陽を浴びて茶色だった。とつぜん目の前に枝ががたんと落ちてきた。メタセコイアの枝にからすが2羽とまっていた。 くぬぎが陽を一身に浴びていた。 踏切そばの線路際の幼木は3本いたが3本とも違う種類のようだった。 お家が建った空き地のそのお家の前に植え込みがあるのに気づいた。もみじが色づいていた。草の姿はない。 桜の公園は向こうの灯りがあるあたりに人がいるようだった。桜は暗がりの中で黒々と立っていた。十月桜は咲いているか見えなかった。 クワクサの場所はもう暗くて草がわからなかった。 *** 雨で濡れた路面にもみじの葉がたくさん落ちて張り付いていた。見上げるとお家にもみじの木が。そのお家にもみじがいるとは知らなかった。 *** 雪になった。道にもみじの葉が落ちている。お家の大きないちょうにはまだ葉が多く残っている。そのそばの槙の木にいちょうの葉がたくさん引っ掛かって、カラフルになっていた。 その向こうには実がたくさん残っている柿の木が見えていた。 クワクサはだいぶ小さく感じたが緑だった。 もと線路際の場所ではオランダミミナグサの茎が傾げていた。強風のためか寒さのためか。少し先でやはりオランダミミナグサがつぼみをつけて立っていた。 小公園のけやきがほぼ落葉した。向こうのこぶしはすっかり落葉していた。 お家のざくろの実が冬空の下であざやかだった。 *** 駅を出ると雪が残っていた。空気に雪の香りがする気がした。 畑の畦に雪が残る。畑には何かの菜っ葉の芽が出ていた。蝶が飛んできて畑に下りた。ヒメアカタテハのようだった。 山の中腹に雲が見えていた。雪なのかもしれない。 商業施設敷地の際のアキノノゲシはほぼ枯れていた。綿毛を放った茎がなにか灯りのように立っていた。下のほうの葉に緑味が残っている株も。 川へ続く道の際ではホトケノザやナズナが咲いていた。 川辺に出られると初めて知った。川辺に出た。対岸にシギや鴨らしき鳥がじっとしていた。こちら側ではくすのきが西空のシルエットになっていた。 さざんかがあざやかに咲いていた。次々と車が出てきて写真の構図に入ってきた。 このクリスマスイルミネーションを現場で見る機会があるとは思ってなかった。車を停めてその車を写真に写し込んでいるらしき人を見かけた。 教会の前の藤棚がイルミネーションで輝いていた。近くまで来ると、教会の建物そのものがライトアップされていた。白熱灯のような色合いだった。キリスト像が照らし出されていた。十字架の左に木星が輝いていた。 この前もそうだったのかもしれないが、五叉路の交差点のポケットパーク一帯が草刈りされていた。シロバナタンポポの葉も見当たらなくなっていた。 物思いをしながら小さな川に沿って歩いた。お家の明かりのそば、お寺の横を通る。大きな道に出た。橋の欄干になにか魚のようなオブジェが見えた。 *** 街路樹のモミジバフウに撤去の告知札が立てかけられていた。歩道の段差を無くすということらしい。向こう側の木々はすでに伐られていた。 以前やはり撤去の告知が出されていたモミジバフウの道へ行ってみた。こちらは何事もなかった。 桜並木のキツネノマゴは弱ってきた。1つの株は枯れて曲がっていた。 たんぽぽは花を閉じ加減に咲かせていた。 駐車場の端ではホトケノザらしき小さな芽がたくさん出ていた。その脇にナガミヒナゲシのロゼットが出ていた。 信号の場所ではコスズメガヤに続いてコメヒシバも枯れたようだった。 遠くの山には雪が積もっているようだった。 すみれのプランターのすみれの葉が色褪せていた。ノースポールはよく咲いていた。 公園のメタセコイアはほぼ落葉していた。芝生広場の端の大きなフウの木があざやかだった。 川辺の草を見て行こうとそちらに道を採ったのだけれどいま思い返すと草を見ていなかった。 カーブ遊歩道のシロバナタンポポはわからなくなっていた。いつも草むしりされているほうの場所では小さなロゼットを1つ見つけた。 店じまいした花屋さんの跡はもう何屋さんだったかもわからない様子になった。 駅舎が倉庫のように道の向こうの中空に横たわっていた。 *** 道端のヒメウズは出ていないようだった。街路樹の下にも出ていないし、新しくされた舗装の隙間から出てきているようなこともなかった。 スーパーマーケット跡地のいま現在生き延びているヒロハホウキギクは、遠目で見るかぎり枯れてはいないようだった。 ヒメジョオンが花を咲かせていた。 公園のカンヒザクラの切り株のひこばえは落葉したようだった。 草を見て行こうとこちらの道にしたが、地面を這うイルミネーションの青がつらくて見ることができなかった。 鳥の写真が飾ってあるお店の近くの植え込みからたくさんのすずめが飛び立って行った。 八百屋さんの跡地では草が枯れつつあった。カヤツリグサの仲間の草たちも色褪せていた。 学校跡地のエノキはもう伐られることはなさそうだった。よかった。 *** 電車から工事が進む河川敷を見たとき、芭蕉が少し残っているように見えた。帰りに寄ってみた。丈の小さな芭蕉が土手の上のほうで残っていた。数も十いくつかは出ている。彼らには残ってほしい。 よくここで道を渡る信号の近く、タチスズメノヒエなど丈が高い草が出ていた場所が草刈りされたようだった。地面が見えていた。 排水溝のくすのきは伐られていた。網目から切り口が見えていたのでまた出てくると期待していようと思う。 *** 街路樹モミジバフウの伐採は止まっていた。 たんぽぽが花を薄く開いていた。 丁字路の草の葉は代わりないようだった。 公園で木々の間の夕日を見送った。向こうのくすのきのベンチの所でどなたか夕日をごらんになっているような様子だった。日が沈んでその後にそちらを見たらもういらっしゃらなかった。 さざんかは花の盛りを過ぎたようだった。 折れたヒロハホウキギクもセイタカアワダチソウもそのままの姿で残っていた。 小公園は草が刈られたように見えた。けやきもこぶしも葉をすっかり落としていた。 ****** 草木往還 目次 そらのべ