草木往還 2023年 そらのべ 草木往還 目次 ****** 草木往還 2023年 *** 朝もたんぽぽの花が閉じ加減で咲いていた。夜に閉じ切っていないのだろう。 幼稚園の蝋梅はまだ葉が緑だった。 空が明るんできた。公園に入る前に日が昇ったような様子を感じた。公園の坂を登るときに木立ちの間から日の光が見えた。 公園の凹み広場のこちら側で人がぱらぱらと集まっていた。朝日をごらんになっている様子だった。写真に撮る人、数人で話す人、眺めている人。私も眺めた。太陽は昇ってしばらく経っていた。だいだいの光がいちめんに差していた。 お家の横の小さなさざんかはつぼみをたくさんつけているようだった。 桜の下のキツネノマゴはあまり変わった様子ではなかった。 草にも木にも大晦日や元日はそうは関係ないはずだった。いつものように見ていたらいいのだ。 ** 撤去予定の街路樹モミジバフウの道を歩く。植え枡にいろいろなほかの植物が植えられていたり出ていたりする。それらの植物もいずれ姿を消すことになるだろう。 駐車場端のホトケノザの芽は変わらずだった。 あまり開かれていないのかよくわからなかった神社にお参りらしき方々が出入りなさっていた。 タイル舗装の歩道の行く手から日が差す。 すみれのプランターに植えられたノースポールの花が1つ、ちぎられたようにして土に横たわっていた。 木々のあいだの夕日を昨日に続いて見送った。ふっと見えなくなった。 いつも道に面した小窓に季節の飾り付けをなさっているお家。凧が飾られていた。 折れたヒロハホウキギクやセイタカアワダチソウのそばを通った。枯れているようだった。 街路樹モミジバフウの道を行く。この年始休みの間は工事はされないだろう。 線路際の場所の草の緑があざやかに感じた。 どこかでエノコログサを見た。色褪せていたが緑を残していた。 *** 公園は遊ぶこどもさんや親御さんでにぎわっていた。十月桜はちらほら咲いていた。 歩道の縁石のところにアキノノゲシの葉があった。緑だった。 空が青い。満月へ向かう月。その下にちぎれ雲。オイルパステルで空の青を描きたかったむかしを思い出した。 緑道のいちばん端に蝋梅の木が。花が咲いている。鼻を近づけた。香りがした。 芝生の公園ではこどもさんと親御さんが凧の糸をほどいていた。 大きな公園ではたくさんの人たちが凧揚げしていた。揚がっている凧はわずかだった。凧を引いてこどもさんが走っていた。 広場のメタセコイアの上のほうに葉が残っていた。 わりと最近剪定された公園のナンキンハゼがまた剪定されて小枝が無くなっていた。ほかの木も剪定されて寒々しい感じになった。 神社にお参りしている方の姿が見えた。正面にまわると境内にはもうどなたの姿もなかった。 *** 幹の途中で切られた街路樹モミジバフウに西の日差しが当たっていた。 日没後の西空に金星が出ていた。水星はわからなかった。今日の星空をウェブで調べると、夏の大三角がまだ見えている。帰りながら星を探した。はじめに1つだけ星が見え、ヴェガかデネブかと思っていたら、左のほうに別の星が見えた。ヴェガとアルタイルだと思って上のほうを見ていたらデネブが見つかった。思いがけず高い位置だった。眺めながら帰った。 ベンチの横のヒメジョオンが変わらず咲いていた。 *** 街路樹モミジバフウの場所の工事は再開していなかった。 団地の中の遊歩道風に仕立てられた歩道でこどもさんたちが遊んでいた。 少し前にたまたま立ち寄ったパン屋さんが産休でしばらくお休みになっていた。 以前歩いた道を逆に向かう。 田んぼの脇でぎしぎしが穂を立てていた。その田んぼの端で、刈られた稲が数本、小さく伸びて小さな穂をつけていた。すでに色褪せていた。 思いがけずこの道を通ることになった。いつものように大くすのきのふもとに立ち寄る。金星が遠くの山の上に見えていた。くすのきを振り返ると、樹冠の向こうに月が。くすのきが何か言ってくれているような気がした。 斜め道への入口のせんだんは刈り込まれていた。 小さな神社に、この前も見たと思うけれど、白紙にあけましておめでとうございますの文字が書かれて掛けられていた。 クワクサは暗くて見えないだろうと思いながら差し掛かった。車が来てそのライトがクワクサのあたりを照らし出した。クワクサらしき草姿が見えた。 *** 街路樹モミジバフウは無事だった。 桜の下のキツネノマゴの中にまだ枯れないでいる株がいた。 お家が無くなった空き地ではツユクサなど一面の草が枯れていた。地表に緑の芽がいろいろ出てはいるようだった。 遊歩道のシロバナタンポポの場所でヒメウズの葉も見つけた。 公園上空をたくさんのカラスが飛び回る。こどもさんが、あのひとたちなにしてるの、と言い、親御さんがおやまに帰るのよと話をしていた。しかしたぶんカラスたちはここに帰ってきたのだろう。 月がだいぶ高いのに赤かった。 *** 街路樹モミジバフウは4本が新たに伐られていた。樹高の半分くらいで伐られていて、赤リボンが巻かれていた。冬芽のある小枝がふもとに落ちていた。 たんぽぽに小さな虫がとまっていた。 跨線橋のたもとでツタバウンランが花を咲かせていた。 街路樹いちょうが伐られてすでにだいぶ経つ。朽ちた切り株のまわりでホトケノザが咲いていた。別の切り株の所ではオランダミミナグサがつぼみをふくらませていた。 公園の入口の工事が終わって出入りできるようになっていた。そこから御家族連れが走り出てきた。 からすが群れて飛んでいく。 夜もモミジバフウの道を通った。伐られても彼らは生きている。彼らには明日がある。明日生きている可能性は彼らのほうが私よりも高いのだと思った。 *** 街路樹モミジバフウのそれぞれのふもとに出ているたんぽぽなどの草を見て行った。 はたちのつどい、のような名称になったらしい。道路沿いの道案内立て札にそのような名称がいかにも後から貼られたようにして表示されていた。グラウンドの向こうの施設からたくさんの若い人たちが出てくるのが見えた。 この道の日差しがこの前も暑かったのを思い出した。暑いと感じることはとうぶんないだろうと思っていたが暑かった。 公園は人が多かった。こどもたちがめいめいの乗り物に乗ってぐるっと回って通り過ぎて行った。 神社は初詣なのか参拝の方が多かった。 長く続く上り坂のところどころで、街路樹のけやきが伐られていた。伐り屑が残っているから新しく伐られたのだろう。お買い物の荷物を提げた方がゆっくりと坂を登っておられた。 小さな畑の脇ではオオイヌノフグリがたくさん咲いていた。はこべも咲いていた。 こうして道を歩くのがやっぱりしあわせだと感じた。 伐採木置き場の切り株いちょうのまわりは、幼木たちが落葉したためか少しすっきりした感じになっていた。 シロバナタンポポが出ている場所に防草シートが敷かれてしばらく経つ。もう暗くて細かくは見えなかったが、シロバナタンポポが脇から出ているような様子ではなかった。 街路樹モミジバフウはどこまでが撤去対象かよくわからない。木々に触れて歩いた。 *** 先に街路樹モミジバフウの様子を見に行った。電話線の工事をしているようで街路樹の工事は行われていなかった。 新聞に載っていた駄菓子屋さんのおばさんらしき方とすれちがった。 公園の木々がだいぶ剪定されていた。くすのきなどは葉の枝が無くなっていた。 会館の裏の鶏頭が色褪せていた。 橋のたもとの芭蕉は残ってはいるようだった。 スーパーマーケット跡地はヒロハホウキギクがもう緑色をしていなかった。 水辺の公園で鴨としばらく隣り合って過ごした。 *** 街路樹モミジバフウの道は通信工事のほうが先に行われるような様子。 桜の下のキツネノマゴはだいぶ枯れてきた。緑味を残している株が少なくなった。 公園はからすのねぐらになったようだ。群れをなして飛び回って高い木の枝にいっせいにとまっていた。 くすのきの公園の端の木々が剪定されていた。 桜のお家の跡地に新しい家が立ちつつあるようだった。近くまでは行かずに見た。 クワクサはいくらか残っているようだった。生きているかどうかはもう暗くてはっきりしなかった。 *** 解体中のビル緑地は大きくは手が入っていないようだった。 再開発に伴う移転計画が発表された神社。松の木やくすのきなど大きな木々が立つ。草は外来のものが多いようだった。蝋梅が咲いて香っていた。少し離れた所からすでに香っていた。帰り際に椿が咲いていた。 *** 工事現場のフェンスに線画が描かれていて、その線画にテープを貼る作業を3人でなさっていた。 掘割と交わる道を行く。雨が降り出した。 町はむかしながらの町並み。草はホトケノザやオランダミミナグサなど。ふだん自分が見ている場所とは少し生え方が違う気もした。 ここの城跡はひさしぶりに来る。以前なぜ来たのかよくわからない。低い丘の中央にお地蔵さまが祀られていた。くすのきの切り株のよう。その切り株の裾にシロバナタンポポが咲いていた。ヒメジョオンも少し咲いていた。 丘の端の大きなくすのきの下で休んでオカリナを吹いた。 むかしながらの町並みを活かした観光地風情の道。浅い川のほとりに切り株が並ぶ。たしかここは柳の木々が並んでいたはず。町並みの整備工事をしているようだった。切り株のまわりにさまざまな植物がいた。刺のある小さな木も。からたちなのだろう。 干潟のような川がこの先、海へと出て行くのか。ポケットパークに入ってしばらく景色を眺めた。潟にはあおさぎや白いさぎがいる。しばらく居て去ろうとして振り返って、近くに車椅子の方がずっといるのに気づいた。川のほうを向いて停まっている。あらためて自分もしばらく川を眺めた。その方はやがてすっとポケットパークを去って行った。 雨はひと休みしたようだった。掘割をひとつひとつ越しながら歩く。後ろからこどもさんたちが自転車で来るらしき音と声がした。おしりがちょっと濡れたと言いながら1人のこどもさんが追い抜いて行った。サドルから浮かして自転車を漕いでいるそのおしりは濡れているようには見えなかった。 縦長の演奏会ポスターをひさしぶりに見た。 *** 道端のヒメウズがいた場所の少し先のお家の犬走りにヒメウズの葉が出ていた。株は少ないようだったがそのお家にはいるのかもしれない。 むかしからある診療所が解体工事らしくシートで囲われていた。ここの入口前に小さな椿の木がいるのだが、その木もシートの向こうになった。お庭の樫の木はだいぶ枝を落とされていた。 蝋梅が2本とも咲いた。新しく咲いたほうの蝋梅の花を写真にお撮りになっている方が。咲きましたねと声を掛けると、ほんとに蝋のような匂いがするんですねとおっしゃっていた。もう1つの蝋梅のこともお話しして立ち去った。 アパートの解体工事をじっと見つめている方が。その後ろで自転車を停めた親御さんとこどもさんがやはりアパートの取り壊しを見ているようだったが、こどもさんは遊んでいた。 今月で閉店するような話が出ている雑貨屋さんに立ち寄ったが、ライブの準備中のようだったので引き上げた。 帰り道のいろいろな所で、白くなったエノコログサを見かけた。緑味のあるエノコログサもどこかで見た。スーパーマーケット跡地の所だったろうか。 河川敷の芭蕉は変わらずそこにいた。 会館裏の鶏頭はすっかり枯れたような様子だったが、もう暗くてよくは見えなかった。 *** 小公園に工事が入っていた。大きく育っていたけやきの木が無くなっていた。 線路際のなずなに触れた。 街路樹もみじばふうの撤去はストップしたようだ。 桜の下のキツネノマゴは茎にわずかに緑味が残っている株があるものの、ほとんどの株が枯れた。 丁字路の草は小さなロゼットを作っていた。その隣に、十字の形をしたとても小さな葉が出ていた。 公園では白梅が咲き始めていた。1本の木はかなりの数の花が咲いていた。 すみれのプランターのすみれは傷んでいるようだった。ノースポールが明るく咲いていた。 さざんかがまたたくさん花を咲かせていた。 お家の横の小さなさざんかも咲いていた。すでに花びらが散ってもいた。 営業所横では水仙がたくさん咲いていた。 小公園は今日は工事をしていないようだった。重機がさっきのままの位置だった。がらんとした地面の向こうで、こぶしが変わらずに立っていた。 *** 坂の畑の梅はまだ咲いていないようだった。 桜の下のキツネノマゴは枯れた。 道沿いの折られたセイタカアワダチソウやヒロハホウキギクも枯れていた。 公園は冬の景色に戻った。西のほうの狭い範囲だけが茜色をしていた。 猫がよく居る道で子猫とすれちがった。すばやく駆けて行った。このあとやってくる寒波をどう過ごすだろう。 *** 雪はわずかに残っている場所があるだけになっていた。 桜の下のキツネノマゴはもう触れても弾力を感じなくなった。 昨年ここの跨線橋の脇で、日差しを受ける橋上のバスや下の横断歩道を見たのだった。今日はバスが早くやってきた。 すみれのプランターのすみれは色褪せていた。地上部は枯れるのかもしれない。 公園は苔の上はまったく雪も無く、少し温かそうにも見えた。 高架になった後のこの道をこの時間に歩くのは初めてかもしれなかった。暗かった。だいぶ歩いてリュウゼツランのお家に差し掛かった。リュウゼツランは元気そうだった。 工事が入っている小公園は重機が少し動いていた。 *** 舗道の上にちぎられたらしきホトケノザの茎葉が散らばって平たくなっていた。取り集めて少し土がある隙間の上に置いた。 草にも命がある。 さざんかは花がとても少なくなっていた。ちょうど開いている花も少し色褪せていた。こどもたちが遊んでいた。しろはらが逃げる声がした。 タイル舗装の長い歩道のベンチ脇のヒメジョオンが少し疲れたような様子だった。 すみれのプランターのすみれはしおれた。 公園の噴水池のほうへと歩いて行くこどもさんが自作の舟らしきものを抱えていた。浮かべるところまでは見なかった。 公園の窪地広場を梅の木をめぐって歩いていて、なんだかしんとした。さっきまでオカリナを吹きリンバを鳴らしていたのだけれど、かえってそれで、静かに感じたのかもしれない。立ち止まってその場を感じた。けやきの木が冬空に立つ。やっぱりこれが自分だと思った。こうやってふらふらしながら木々の間を土の上を歩いていたい。木々草々をめぐって声を掛けて回りたい。 ここで初日を見てまだ1か月経たないことが信じられない気がした。 学校の前庭の木々のあたりから鳥たちの声がしていた。 ショッピングセンターを出た。少し雨が降ったようだった。大きな道沿いに帰ることにした。 小さな神社の奥の木がたしかこの前は強剪定されていたのだが、その木が幹の途中からすぱっと伐られていた。あまりにすぱっと伐られていてその断面が何か異常なものであるかのように見えた。その上の空間がただの空間だった。 春はまだ遠いと思いながら桜の公園のグラウンドを突っ切った。 *** 2つ信号の場所はイヌコハコベのような葉が出ていた。 こどもたちが帰る坂道を上っていく。エンジュだったと思う街路樹が静かに立つ。 回り道して立ち寄ったお店が開いていなかった。ふだんの道へ戻る途中、学校横の塀の下にヒメウズの葉が出ているのを見た。この坂を下ると道端にヒメウズが出ていた場所。このあたりのどこかからあのヒメウズはやってきたのかもしれないと思った。 小さなえのきの切り株があった小さな場所の切り株が無くなっていた。以前から無かったのかわからなくなった。 スーパーマーケット跡地はヒロハホウキギクが枯れて立っていた。折れかけている茎もあった。 道端のヒメジョオンは1つ花を咲かせていた。つぼみもあった。 バス停前の診療所は建物がすべて壊されていた。樫の木も無くなった。向こうの端にイヌマキが1本立っていた。シートの隙間から見ると、バス停側の小さな椿がそのままになっていた。 蝋梅はよく咲いた。 自動販売機裏の柿の木は枝と幹だけで静かだった。 公園のトイレに寄って道が変わった。 電車から河川敷の芭蕉が枯れているように見えたので、帰りに寄った。やはり枯れていた。寒かったのだろう。シリウスらしき星がまだ低い所で輝いていた。 *** 小公園は重機が帰っていた。まだ工事が終わった様子ではない。 草が立ち並ぶ道端では、枯れた草たちの下でホトケノザなどの草が芽吹いていた。 桜の下のキツネノマゴの枯れた姿をもう一度見た。 公園はこどもたちがよく走っていた。 梅を見て歩いた。くすのきの下で少しだけ休んだ。 夕日と雲の景色を見た。 お家の脇の小さなさざんかがよく咲いていた。 道端の枯れたと思っていたヒロハホウキギクの葉がまだ緑なのに気づいた。さわってみたら生きているかわかったかもしれなかった。 もみじばふうは伐られた木も含めて変わらず立っていた。 *** 解体工事中のビルの緑地はあまり変わった様子はなかった。 再整備工事中の公園はフェンスの一部が透明になって中が見えるようになっていた。林地が残っている場所はあまり手入れがされていないようだったけれども草が残っていた。 建設工事中の場所の脇に以前のビルから残された植物が鉢植えで配置されていたが、その場所が工事の出入り口になって植物が撤去されていた。別の場所に移されたのだろうと思うが。 ** 歩道のクラックから出ていたワシントンパームは見当たらなくなっていた。 *** 街路樹もみじばふうは変わりない様子。 道を挟んで向こうの空き地は何か建つようだった。その隣の空き地は枯れた草が立っていた。 丁字路に来た。いま出ている小さなロゼットが奇跡のように思えた。 ベンチの横のヒメジョオンが切られていた。切り株のようになって残っていた。 公園の白梅は、1本がだいぶ咲いた。香りはわからなかった。その次にまわった1本はなかなか花が増えないが、その木の下で香りがした。 胸が苦しいというか痛かった。桜の下のキツネノマゴを見た。もう形が崩れてわかりにくくなっていた。それでもいくらかは見えた。 営業所の水仙が香っていた。 草が立ち並ぶ道はもう暗くて、枯れた草しかよくわからなかった。 工事が入っている小公園はこの前のときと変わらない様子だった。 *** ヒメジョオンが切られていた道のもう1つのベンチの横にマンテマが出ていた。 公園の白梅はよく咲き進んでいる木が八分咲きくらいになった。少し香っていた。 満月のようだった。山の上に少し黄みを帯びて浮かんでいた。 絵本屋さんに寄ったが閉まっていた。 むかしかよった道を帰る。 工事中の小公園は重機がまた入っていた。1人か2人で作業しているのだろう進み具合だった。株立ちになっているサンゴジュはそのままだった。 *** 小学校前の畑は何か大きな菜ものが植えられていた。ホトケノザがたくさんいた。 マンションの植え込みにすみれがいる場所は、すみれがたくさんいた。残っていてよかった。 小さな公園の遊具が新しくなるとのことで立ち入りできなくなっていた。 再整備された公園はがらんとしていた。端のベンチでご近所らしき方々が掛けて話をなさっていた。その近くに若いくぬぎの木が立っていた。最初からくぬぎが植えられていたのか思い出せない。カイヅカイブキらしき若木も植えられていた。 そこを離れた、以前別の木が植えられていたのが撤去された植樹帯で、くすのきの幼木が出ていた。以前のここの公園にいた大きなくすのきを思い出した。 キツネノマゴが出てくる都心部公園。その跡だけでも残っていないかと思って探したがわからなかった。 道が神社の裏手に出た。こちら側は知らない。木々が茂っている。少し先へ歩いていると、神社の側の建物からどなたか洋装の方が出て来て自転車で去って行った。 繁華街の道には枯れた草が立ち並んでいた。 ** 以前確認した踏まれそうな場所のイヌノフグリは少し大きく育っていた。 *** ひとつ裏の道を行った。 スーパーマーケット跡地にはセイタカハハコグサが立ち並んでいた。 バス停横の診療所は更地になっていた。1本残されていたイヌマキも、小さな植え込みのつばきも無くなっていた。敷地の端に何かの草のロゼットが1つ出ていた。 公園の中と外の蝋梅がともによく咲いていた。 八百屋さんの跡地はノゲシが目立つようになった。秋に見ていた草たちは姿がわからなくなった。 *** けやきが撤去された小公園では工事車両が入って重機が動いていた。数人の方が作業なさっていた。 街路樹もみじばふうの工事は止まったよう。 営業所跡地の駐車場の端のホルトノキの中から虫の声のような音がした。まさかかねたたきと思って見てみると、めじろが樹冠の中を飛び回っていた。 パン屋さんが休みだった。とぼとぼと歩いて、高架下でシロバナタンポポの開きかけの花を見つけた。 遊歩道のシロバナタンポポは、草むしりされる植え込みも、ハイビャクシンの植え込みも、どちらも出ていた。 公園では鳩が何羽も林の中を歩いていた。梅がよく咲いた。 ひさしぶりに通る交差点。コーナーの植え込みに以前はシロバナタンポポがいた。ほどなくシロバナタンポポらしきロゼットをいくつも見つけた。安心した。 *** ひさしぶりに降りた駅のまわりは以前とぜんぜん違う新しい街並みだった。案内板に商店街と書かれていた道を歩いて、以前の景色を探した。少し商店が並んでいる道の終わりまで来て、以前見たような木立ちの場所があった。神社だった。 新しい住宅地をずっとまっすぐ歩いて、川に出た。マコモらしき草がいちめんに立ち並ぶ中、鳥たちが私に気づいて岸を次々離れていった。 大きな公園は遊ぶ人たちが多かった。人の少ない所でオカリナを吹いていたらこどもさんが自転車で来た。しろはらが逃げる声がした。 帰り道は雨になった。小さな干潟の岸で山茶花や椿が咲いていた。 ** イヌノフグリがいた。1株だけ。咲いていた。近くを探したがほかには見つけられなかった。 *** ノボロギクが咲いているようだったが急いでいて振り返らなかった。 空き地のトマトは枯れていたが、ミニトマトの実が地面にたくさんあった。 ひさしぶりの川の道は雨上がりの水たまりが多かった。 小さな公園。遊具があるほうでこどもさんが親御さんに見守られて遊んでいた。グラウンドのほうのベンチに掛けた。冬姿のいちょうの木が空にそびえていた。後ろの小学校からこどもたちがしゃべりながら走っている声が聞こえていた。 途中で気づいて図書館へ行こうと引き返したが、図書館が閉まっていた。小学校の門の近くでお歳の方が待ってらっしゃるような感じでおられた。 八百屋さんの跡地の端でフラサバソウが出ていたように覚えているが自信がない。 蝋梅は2本ともよく咲いた。 診療所跡地は掘削されていた。地面から出ているちぎれ根を見たけれどよくわからない。 公園の以前強く剪定されたヒマラヤスギは、ちょっと形崩れしたような樹形になった。保育園らしきこどもたちが保育士さんたちと走り回っていた。 枝垂桜が復活中の公園の、枝垂桜の近くに、新しい桜の木が植えてあるのに気づいた。品種はわからない。陽光桜のほうは芽がふくらんでもうすぐ殻割れしそうにも感じた。 パン屋さんが閉まっていた。 ** 道端のイヌノフグリは思っていたのと違う位置から出ていた。近くでこどもさんと親御さんが遊んでいた。 別の場所ではイヌノフグリが少しずつ出始めていた。 以前イヌノフグリが出ていた場所。その後、草が生えないような感じになっていたが、ホトケノザが少し出ていた。 *** 遊歩道のシロバナタンポポの近くにヒメウズの葉がたくさん出ていた。 すみれのプランターのすみれは葉が枯れていた。 さざんかがまだ咲いていた。 *** グラウンドのたんぽぽが出ていないようだった。 食事のお店が入っていて気になっていた建物が、その並びのテナントが閉まってしまっていた。 以前椿の木をそこのお家の方が御自身で切っていた。そのお家の敷地の端で、あじさいか何かの木が若い幹をたくさん立てて株立ちになっていた。椿は動いていないようだった。 街路樹いちょうの切り株のまわりにホトケノザが明るく咲いていた。 公園の梅がよく咲いていた。 十月桜がよく咲いていた。 *** 初めて通る道を路線バスで行く。以前から名前を聞いていた堤防は壁のようだった。 駅前広場が新しくなっていた。木々も替わったようだった。植え枡の中にタネツケバナかナズナか、白い花が見えた。 バス停は持ち寄ったような小さな椅子が置いてあった。 初めて来た町。道端はフラサバソウが多い。フラサバソウが長崎で発見された話を思い出した。それからヒメウズもよく出ていた。 小さな水路をさっと逃げていった鳥。たぶんかわせみだと思った。ぐるっと回って少し大きな川に出た。するとそこからもかわせみが飛んで逃げていった。 茅葺き屋根の家の近くの路地を抜ける。ペットボトルの風車がからからと回っていた。 公園はグラウンドから野球の人たちが引き上げていくところだった。ほかに人影がない。高台に上がってオカリナを吹いた。 梅がちらほらと咲いていた。白梅は顔を近づけたけれど香りがわからない。紅梅が香っていた。 ピアノを弾いてバスを逃がしたようだった。バス停辺りは真っ暗だった。 *** 空き地は草が枯れたようになっていた。フラサバソウだけがあおあおと茂っていた。 遊歩道の植樹帯の草がまたむしられていた。 公園の梅は早い木は花の盛りを過ぎたように見えた。これからの木も多い。 すみれのプランターのすみれの枯れた葉が取り除かれたようだった。 お家のカラミザクラはまだ咲いていなかった。開き始めたつぼみがあった。 道沿いの山茶花がまだ咲き残っていた。 お家の脇の小さな山茶花も少し咲いていた。 街路樹もみじばふうが新しく少し伐られたようだ。この前は2本抜根されていた。工事そのものは止まらないのだろうか。 *** 小学校から木琴や鉄琴や鍵盤ハーモニカの音が聞こえてきた。曲の部分練習をしている様子。何の曲だろう、いまの時分だと卒業式の練習だろうか…と思いながら検索で調べてみると、いきものががりの「ありがとう」だった。 ジョウビタキがすぐ近くにいた。ランナーの人が来て逃げていった。 橋のたもとのイヌビワの様子を見てみたら、下の河原に猫がいた。用足しをしそうだったので先へ行った。 川の反対の岸は工事が終わりがけのようだった。土の部分が無くなっていた。 道端にくすのきの幼木が出ていた小さな場所。今はアメリカフウロが出ていた。 パン屋さんで買ったパンを公園のベンチに掛けて食べていたら、さっきそのパン屋さんの前で見かけた方が目の前を通って行った。 花屋さんの隣の橋のどこかに、その花屋さんが植え付けたのだろう何かの植物が以前いた。きょう通ったら、何かマンネングサの仲間がちょっとだけ出ていた。 愛護会がしっかり入っている公園。枝垂梅が咲いていた。ちょっと公園に入って香りを嗅いだ。 クサギのトンネルの場所のツワブキは花がすっかり終わっていた。綿毛が残っていた。 蝋梅が引き続きよく咲いていた。1本の木にはつぼみもまだあった。 ひさしぶりに来た水辺の公園。鳩を腕に乗せた方が観光客の方々に驚かれていた。 お濠まわりの木々にテープが巻かれていた。 *** 商業施設敷地端でアキノノゲシの枯れた茎を見ていると、葉が緑の茎があった。アレチハナガサも緑だった。 川へ向かう道の途中。ホトケノザがいっぱい咲いていた。そのところどころからナズナが伸び出ていた。 川の向こうの山々が青かった。対岸に白いさぎがじっとしていた。 以前この川沿いを歩いたときは反対側の土手を歩いた。こちらの土手は道幅が少し狭い。古い木のベンチがところどころにあった。 この街に続けて来ている。横断歩道途中の緑地帯のシロバナタンポポは1株が花の茎を伸ばしていた。 *** 少しひさしぶりに来た公園。梅の花がだいぶ散っていた。あたらしく咲き始めた木も。 営業所跡のヒメウズが咲いていた。 *** ベンチ横でマンテマが咲いていた。隣でスズメノカタビラも穂を掲げていた。 街路樹もみじばふうの切り株がさらに撤去されていた。 *** 街路樹もみじばふうの切り株が撤去されているところだった。 ここに来るとこの切り株を見る。今日はそばでナズナが咲いていた。 海辺に出た。浜辺に降りる石段にノゲシが咲いていた。石段に腰を下ろしてオカリナを吹いて立ち上がって、ノゲシのほうから振り返ると、座っていた下にヨモギや何かよくわからない草が出ていた。 公園へ続くはずの道。自動車道から植樹帯を挟んで裏道のようになっているがちらほらと人が通る。片側は手の入っていない空き地のようだったが、途中から農園になった。近隣の方々が世話しているような様子。梅がここまで香っていた。 海のそばの公園はこの前は夕暮れ時に来たのだった。今日は晴れた空の下、のどかだった。外国語を話している親子さんが遊んで回っていた。 公園を出たらそこも公園だった。そこにも花畑があった。梅が香っていた。 海岸沿いを行く。集めた缶を金槌で打っている方が。停めてある自転車は新しいもののようだった。 ひさしぶりに通る道。公園の花壇が香る。少し先で植樹帯に腰を下ろしている方が。あいさつをして通り過ぎた。そちらの方のほうが先に視線をお外しになった。 造花が駐車場に飾ってあるお店。見ると駐車場だけでなく、建家のまわりのあちこちに花が飾られていた。お店の入口のプランターも造花のようだった。 キャンパスのグラウンド跡地。シロバナタンポポは見当たらなかった。 ** 公園まわりの蝋梅は花が少なくなってきたが、咲いている花はまだ香っていた。 スーパーマーケット跡地ではセイタカハハコグサらしきロゼットがところどころに出ていた。 道端にヒメウズが出ていた場所ではやはりヒメウズは出ていない。その手前で、低い小さな石垣の間からヒメウズが出ていた。そのヒメウズからまた増えていくことができるだろうか。 *** 八百屋さんの跡地は水たまりができていた。水の中からノゲシが咲いていた。 *** 街路樹もみじばふうの、幹が途中で伐られていた木が抜根されているところだった。もう幹はなく、むき出しになった根が命の塊のようだった。 地域のグラウンドはいろんな園芸の花が新しく植えられていたが、たんぽぽは残してあるようだった。 校庭の端の桐の木に実が残っていた。 坂のシロバナタンポポが出ていた一角はいま防草シートが敷かれている。隙間がなく、たんぽぽがどこかから出てくる余地はなさそうだった。 文化財調査が始まった小山はあまり変化がなかった。木々のひこばえは大きく伸びていた。 公園はにぎわっていた。梅はどの木もだいぶ散った。 お家の横のさざんかにはまだつぼみがあった。 教会の横の歩道で、お母さんに抱えられた小さなこどもさんが、マリア様の像を見たいらしく、お母さんに連れられて像の前へやってきた。こどもさんは像を見ながら何か話をしているようだった。 桜並木の場所で草を手で刈っている様子の方が。声を掛けたら、ここに花を植えたいらしい。ここにはいろんな昔ながらの草が生えているとおっしゃるので、たんぽぽの話をした。しばらく話し込んだ。この方ならたんぽぽも見守ってくださるだろう。 桜の段がある公園が整備工事のようで立ち入れなくなっていた。 もみじばふうの抜根現場はアスファルトで埋められていた。 ** 街路樹植え枡のイヌノフグリが少し出ていた。ここの工事はけっきょく今期は行われないのだろう。 *** もみじばふうの場所を通った。アスファルトから小さなちぎれ根が出ていた。しかしこれは仮舗装だろうから、やがてその根も取り除かれるだろう。 桜並木の場所の草がむしられていた。たんぽぽの小さなロゼットは無事だった。この場所に関わっている方が何人かそれぞれにおられるのだろう。 幼稚園の蝋梅は少しだけ花が残っていた。 花壇をのぞき込んで手を差し入れている方が。すみれのプランターは特にどうもなく、すみれの葉が小さく出始めていた。 公園の梅はわずかに花が残るばかりになった。ここに来る手前の坂の梅はまだいくらか咲いていて、香ってもいた。 桜並木を歩いた。殻割れがし始めたくらい。 桜が早く咲く公園でも、桜の様子は同じくらいだった。一本の木の根元近くにつぼみが出ていた。そのつぼみが開くのが2、3日後だろうか。 クワクサが出ていた道端。いまは、ノゲシやかたばみの葉が出ていた。 ** 道端のイヌノフグリは数株出ているようだった。よかった。大きく育っているように見えた。 *** 2つ信号の場所はノミノツヅリらしき草が出ていた。ほかはイヌコハコベのよう。 スーパーマーケット跡地はノゲシが目立つようになってきた。 公園まわりの蝋梅は花の盛りを過ぎて香りがわからなくなってきた。倒れて根だけ残っているカンヒザクラは芽がふくらんできた。 八百屋さんの跡地はタネツケバナが細かく咲いていた。 城跡のほうからからすの鳴き声がしていた。歩道は帰宅途中の方々が往来していた。 *** 公園の桜の胴吹きつぼみが増えていた。明日に咲くかどうか。 遊歩道の植え込みシロバナタンポポはロゼットを小さく出していた。 その先のシロバナタンポポは花が咲いていた。ホトケノザの花と並んでいた。その近くではナズナも咲いていて、春だった。 川縁の道はレンギョウだろうか、黄色の花がたくさん咲いていた。 公園の梅はわずかに花が残るばかり。それでも少し多めに花が残っている木からは香りがしていた。その木のふもとに座って過ごした。山並みが見えていた。 お家の横の小さなさざんかが咲いていた。 営業所の植え込みではヒメウズがたくさん咲いていた。 空き家になったお家に玄関からどなたか入ろうとなさっていた。知っているそこのお家の方ではないようだった。 *** 桜が咲いた。胴吹きのつぼみが咲いていた。倉庫側の木も1輪だけ咲いていた。 *** 沿線は春の花でいっぱいだった。 よく似た景色だけれど同じ道路の別の場所。地形が似ていて同じような景色になるのか。 トウバナかと思ったが葉の感じや塔の立ち方が違う気がする。メガソーラー付きの団地が坂の上に広がっている様子だった。 雨なのに1つ手前の駅で降りて、川に出た。人は少なかった。アオサギがこちらを見ているようだった。 なんとなくでこの道を行くことにして歩いていたら、見覚えあるギャラリーがそこにあった。もうだいぶ前に個展を拝見しに来た場所だった。 大火事のあった市場に入る。お店が移転した、廃業したという貼り紙が並ぶ。工事現場のようなフェンスが立っていて、その向こうには建物がない感じだった。小径のその先に、言葉の入った絵が掲げられていた。日常は取り戻すのではなく、新しく作るものだと書かれていた。 *** 小公園のこぶしがみごとに咲いた。まだ工事が終わっていなくて入れない。道から写真を撮った。 神社の桜は花芽がとても少ないようだった。徒長枝がたくさん出ていて、葉の芽がほとんどだった。 公園の桜の胴吹きの花が切られていた。ちぎったのでなくはさみなどで切られたようだった。別の木の枝に咲いていた花はそのまま咲いていた。そちらの木は花が増えていた。 駅前のくすのきの所へ行くつもりが行かないで引き返したので、また行こうと路地に入ったら、神社の林が目に入った。桃色の八重咲きの椿が咲いている。大きなくすのきに樹齢と蘊蓄を書いた札が掛かっていた。知っている樹木医さんのお名前が書かれていた。小さなこどもさんがお母さんと遊んでいた。やがてこどもさんがお参りをしそうだったけれどしなかったので、私が神社にお参りすると、その後お母さんと真似をしてお参りしていた。 ここのくすのきはたしか伐られたような…と思って引き返してよく見たら、ひこばえが茂っているのだった。 公園では植えられたばかりに見える若い桜が咲いていた。近くの梅に数輪だけ花が残っていた。 ふうの木の托葉らしきものがたくさん落ちていた。ふうの木々は芽生え始めたようだった。 紅梅も花をわずかに残していた。 すみれのプランターまわりの別のプランターで何か小さな作業をなさっていた。ごみ拾いのようでもあった。 お家の脇のさざんかが咲いているのを少し遠目で見て、幼稚園のほうへ行く道を行った。幼稚園の蝋梅も花が少し残っていた。香りはわからなかった。 桜並木の下で地面にスマートフォンのカメラを向けている方が。寄って見たら、この前お話しした方だった。近くの病院から帰る途中とのことだった。いま咲いている桜の花のことをお教えした。 小公園のこぶしは傾いた陽を浴びてさっきよりあざやかに空に立っていた。 *** 2つ信号の場所に新しく出ているのはやはりノミノツヅリのようだった。 公園の蝋梅は花を少し残していた。桜はまだまだのようだった。 都心部公園のカンサイタンポポが咲いていた。枝垂桜も少し咲き始めていた。 *** 駅前の様子が変わっていた。道が付け替わり、マーケットが無くなっていた。以前立ち寄っていた商店街はアーケードが無くなっていた。たまたま会ったお店の方に話をうかがった。いまはお店は1、2軒だそう。廃墟ですよ、とおっしゃっていた。 むかし来たことがあるような気がする公園。桜の花がちらほらと咲いていた。少し休んだ。 河川敷ではスケートボードに乗る方々が集まっていた。知っている山の違う角度の姿を見ながらオカリナを吹いた。 商店街のお店で懐かしい公園の名前を聞いた。桜の時期に行ってみてくださいと言われたけれど、次がいつになるかわからないので今日来た。桜が咲いていた。こどもたちがたくさん遊んでいた。くすのきの下で休んでいると、そのくすのきにこどもたちが登り始めた。 機関車が静態保存されていた。 橋を渡っていたら、橋の途中で川の中洲に降りられるようだった。思わず降りた。水仙がところどころに立っていた。日がだいぶ傾いていた。 ** むかしイヌノフグリが出ていた場所に来た。イヌノフグリが出ていた。数は多くないが、いまも出ているということはどこか近くにたくさんいるのかもしれない。安心した。 *** 公園の2世桜も咲き始めていた。 *** 手向け花が供えられていた場所の向かいにすみれが出ているのだが、その場所のほうにもすみれの葉が出ていた。 公園のシロバナタンポポはふだん見るのとちょっと違う場所で咲いていた。 大きな木々が伐られて切り株になっていた。しかし断面に薬が塗られていた。枯らすつもりではないのだろう。 空地に何種類かの水仙がぽつぽつと立って咲いていた。 小学校から帰るこどもたち。そのあいだを縫って、シロバナタンポポの土手へ向かう。草が刈られた様子があったが、シロバナタンポポは咲いていた。池の向こう岸で桜が満開になっていた。 たんぽぽの公園は木々がかなり剪定されて、明るくなっていた。たんぽぽは花を閉じたり綿毛になったりしていた。 畑のほうへまわることにした。畦ではナズナやタネツケバナが咲いていた。 けやきのような木の枝先に緑の穂のようなものが出ている。花のようだ。けやきにしては枝振りや樹皮がちょっと違う気がした。調べるとどうもえのきのようだった。見上げながら竹カリンバを鳴らしていると、親子さんがやってきて、その木でだるまさんが転んだを始めた。 *** 昨日行った場所から蟻を連れて帰ってきた。戻しに行く。 昨日と違う道を行こうとふと思って入った道で、シロバナタンポポが咲いていた。 川土手の桜はいくらか咲いていた。ヒメオドリコソウも立ち並んでいた。 蟻は無事に連れていくことができた。地面に落とすと、蟻はそのうちどこへ行ったかわからなくなった。 ここの峠道もヒメウズが咲いていた。 少しあてにしていた食堂がお休みだった。 山が見える公園は桜がまばらに咲いていた。平日で雨が降りそうで人は少なかったが、親子さんが山桜の花を拾っていた。 遠回りして小さな梅園の横を通る。花が2輪だけ咲き残っていた。 新しいお家は手前に草が生えていた。どうもあえてそうしているようだった。オニタビラコが咲いていた。その少し先の、もともと犬走りがあるお家のその犬走りでは、ムラサキハナナが咲いていた。 田んぼに沿った歩道ではすみれが咲き並んでいた。 以前伐られた公園の桜。切り株が雨で黒く湿っていた。ふと、ひこばえが出ているのに気づいた。葉の芽だけのようだった。でもうれしくなった。 坂ではカラミザクラに実が出来ていた。花もわずかに咲いていた。 どこへ行くかあまり決めきれずに道を歩いていて、高台に桜が見えたので上がった。忠霊碑があり、そこまでの道が桜並木のようになっていた。桜は満開まではいかないものの、よく咲いていた。桜に囲まれてオカリナをしばらく吹いた。 ここまで来たら桜の小公園まで行きたいと思い、そちらへの道を行くことにした。その途中、池のそばに大きな山桜の木が立っているのを見た。満開だった。近寄った。枝先の花を手に取った。桜と手をつないだ気がした。というより、桜の何かが自分に伝わって、自分がそれと一緒になった。 山桜の場所から林に入った。土がほんとにふかふかしている。斜面を少しずつ上がると遊歩道が通っていた。その道を行った。以前行った展望台に行く道のようだった。 展望台まわりは桜が咲いていた。展望台は東の町と山々が見渡せた。以前来たときに見たはずの眺望だったが、初めてのような気がした。 山桜の隣に大きなくすのきが立っていた。離れてみるととても大きかった。 桜の小公園でも桜が咲き始めたところだった。碑も変わらず。桜の足元で花が咲き、イヌコハコベやオランダミミナグサと並んでいた。 古いお家の犬走りに蕗がとうを立てていた。 薄暗くなってきた。斜面の上に桜が見える。そこからかどうかわからなかったが、花びらが舞い降りてきた。 ** お店のイヌノフグリは今回はお店の前でなく横に出ていた。あまりじろじろ見るわけにはいかない位置だった。 *** 小公園のこぶしはだいぶ緑になっていた。 営業所の敷地の歩道側にいた木々が伐られていた。工事が近いのだろうか。 各所の公園で桜が咲いていた。 工事をしている公園の、以前に伐られた桜の幹から花が咲いていた。やはり以前に伐られた桜のひこばえが大きく伸びて、やはり咲いていた。 だいぶ小振りにされていた神社の桜も咲いていた。 *** 公園の2世桜を絵に描いていたら、こどもたちが入れ替わり立ち替わり3人やってきて声を掛けてくれた。 *** 公園が無くなって8度目の春になる。桜のお墓の場所にお参りした。マツバウンランらしき細い茎が立ち並んでいた。 川岸の土手に桜がいっぱい咲いていた。花見をする方々、写真を撮る方々。香りも立っている。 これが最後の春だという気がした。あと何回この春を迎えられるだろうとこのごろは思うことがあったが、これが最後だという気がしたのは初めてかもしれない。 桜が伐られて新しい桜が植えられた小さな公園。新しい桜は咲いていた。切り株はもう芽を出していなかった。こどもさんとお母さんとおばあさんが公園に入ってきて、1本だけ残されたむかしからの桜の木に寄って行って、桜を見たり花にさわったりしていた。こどもさんが花を取ろうとするたび、それはかわいそう、と、お母さんが声を掛けていた。 びわの木が桜の若木に取り替えられた小さな公園でも、桜がぱらぱらと咲いていた。 *** 公園で桜の絵を描いていて、こどもたちが寄ってきて見ていたので、オイルパステルを貸して絵を描いてもらった。 桜並木を行くことにした。多くの方が歩いている。出店も去年より増えたようだ。車椅子に白髪の方が掛けて、もう少しお若い感じの方が押していた。 こちらの公園も桜が満開だった。ご近所らしき御夫婦が2組、お1組は座って、お1組はゆっくり歩いて、桜を眺めておられた。 公園の広場は桜に囲まれているのだった。桜を見る方々、桜に関係なく遊ぶ方々。日が傾いてきていた。 パンを買ってもやしを買って、大くすのきの小公園に上がる。やや年長のこどもさんたちが暮れ景色の中、遊んでいた。山桜はだいぶ葉を出していた。くすのきも若い芽を出しているのか、古い葉が落ちようとしているのか、色合いがところどころ違っていた。振り返るとソメイヨシノらしい若い感じの木が、日の名残りに照らされていた。 だいぶ剪定されたお家のお庭の柿の木が、徒長枝をたくさん伸ばしていた。 こどもたちと絵を描いた公園にまた差し掛かった。桜の景色はさっきより静かになっていた。 *** 昨日、5本の桜を間違えて4本に描いてしまったので再度描きに来た。花見をなさっていたご近所らしき方々のうちのお1人が、そばにやってきて絵を見ていたようだったけれど、何もおっしゃらずに戻っていかれた。 たんぽぽが道際に出ている場所の、建物のオープンデッキが取り壊されていた。たんぽぽはよく咲いていた。 また別な場所でたんぽぽを見つけた。 別な公園で桜を描く。来るときに一緒に公園に入ったこどもたちグループのボールが当たる。やがてそのこどもたちが話し掛けてきた。絵を見てくれた。 絵が好きなので見てもいいですか、と、外国の方らしいこどもさん2人と赤ちゃんとおとなの方が来られた。せっかくなので絵を描いてもらった。こどもさんたちは桜をそれぞれにいろいろな色で描いていた。 *** 小山の公園の山桜の場所に入れなくなっていた。キツネノマゴのあたりは草が刈られていた。 ** イヌノフグリが出ていた。よかった。 *** 夢を語る公園の桜の向こうの保育園から、ベルや鍵盤ハーモニカの音がする。何の曲かわからない。練習か、好きなフレーズをめいめい鳴らしているのか。木のおかりなを取り出して吹こうかと思ったがためらった。桜の下に蝶が飛んでいるのが見えた。ちょうちょを吹いた。 残された桜は満開だった。お地蔵さまの前でご近所らしき方々が飲んでらっしゃった。絵を描いていると、そのお帰りの方々が声を掛けてくださった。ここで絵を描いているのは初めて見たとおっしゃって、お1人残ってお話をしてくださった。 *** 公園の桜を描いていて犬とお散歩の方が来られた。犬さんが座り込んだので絵を描いて差し上げた。こどもたちもやってきて、みなさんで絵を描いてもらった。 風で桜の花びらがこちら側に集まっていた。向こうの端から小さな女の子がやってきて、その積もった花びらを笑顔でひと抱えして向こうへ戻っていった。弟さんもやってきて、花びらを拾って投げていた。 桜並木はこの前と変わらないくらいの人出だった。ここでも花びらが風に舞っていた。 桜のひこばえはどうも新芽を取られているように見えた。どういうことなのかわからない。 大きな公園は遊ぶ人たちや花見をする人たちが多かった。 お家の脇のさざんかは花が終わっていた。大きな斑入り椿はよく咲いていた。 営業所の残されている植え込みはヒメウズが変わらずたくさん咲いていた。 草が立ち並ぶ裏道は春の草がいろいろ出ていた。 *** 神社の桜は緑が多くなった。 桜並木の早い木はすっかり緑になっていた。 遊歩道の植樹帯のシロバナタンポポは花を咲かせていた。最近はむしられていないようだ。 小さな公園の桜は満開を少し過ぎた様子だった。このあたりのソメイヨシノではいちばん古そう。座って絵を描いた。小さなこどもさんとお母さんがやってきたけれど、こどもさんが私を見ていて怖がり出したようで、ブランコのほうへ行った。次に通ったときにはバイバイをしてくれた。 小さな神社にも桜の木が。花びらが落ちてきた。 公園は遅くまで人がいた。 夜桜。露店の近くだけ明るくて、そのあたりでシートを敷いてお花見をしている方々がおられた。 金星が高く見えていた。シリウス、ベテルギウスもわりと南のほうに見えていた。 *** 桜の公園はまだ花盛りの木がある。 グラウンドのたんぽぽも花盛りだった。 学校の桐の木が芽吹いていた。 大きな公園も花の盛りをいくらか過ぎた。ギターの弾き語りの方が場所を移しながら演奏なさって、そのつどどなたか聴いてらっしゃった。 桜並木はいくらか静まったようでもあったけれど、露店のまわりにはお花見をする方々が。特別ライトアップされていないけれど街灯に白く照らされた桜の向こうに月が見えていた。 *** 公園は八重桜が咲いていた。カンヒザクラの芽は1つちぎれていたが残ってもいた。 元からの公園のほうの2世桜を絵に描いた。桜はひとまわり大きくなった感じだった。通り掛かった近くの高校生の方が、絵を見てエグいと言っていた。ちょうど少し前にエグいを知ったばかりで、先に知っていてよかった。全部クレヨンですかとさかんに感心してくれた。 解体ビルのほうへはもう行かなかった。 商店街の道から、神社の桜が灯りに照らされているのが見えた。 電機メーカーの敷地の桜がライトアップされていた。色が変わっていくのでLEDなのだろう。 先日絵に描いた大通り沿いの公園の桜もだいぶ散ってきていた。 *** 工事の予定が出ていた小さな公園の、撤去予定だった桜の切り株が残っていた。ひこばえが大きく伸びていた。花が咲いた様子ではなかった。でもよかった。 小さな緑地の幹に、新しく咲いた様子の花が数輪並んでいた。 以前に工事が入った公園に立ち寄った。桜は1本だけになっていたのだった。その桜の下でお2人ほどシートに座ってくつろいでおられた。こどもたちも遊んでいた。静かに通り過ぎた。 ** 道端のイヌノフグリは1つが薬をかぶったようだった。ほかの株は大きく成長していた。 *** 再整備工事が進められている公園の桜の切り株が大きく削られていた。おそらく抜根するのだろう。残っている部分にはひこばえが出ていて、すでに葉を茂らせていた。 以前大きな桜が立っていた道を通ってみた。新しく建ったマンションの前庭にいる若木は桜だったような気がするが、緑だった。わかっていることだったが、桜の面影はまったく無かった。 緑道の植樹帯のシロバナタンポポは今日も咲いていた。ハイビャクシンのシロバナタンポポも葉が復活しつつあった。 公園は何かの花がたくさん降っていた。 桜並木はいちばん端の木に花が多く残っていた。その並木のもう片方の端では、1本の桜が満開を過ぎたばかりぐらいに咲いていた。 *** 桜のベンチの公園は八重桜が咲き並んでいた。 たんぽぽの公園は花が終わった感じになっていた。藤が咲いていた。 坂の下の草地に何かポールのようなものが立てられ、ボールのようなものがまとめて置かれていた。 迷いながら歩いてきて公園に立ち寄る。桜が花をだいぶ終えていた。この前に来た時はまだ咲き始めた頃だった。途方に暮れて休んでいると、花びらが1枚降りてきた。カリンバを取り出して鳴らした。隣までこどもたちが来るけれど聞こえているふうではない。しばらくひとり鳴らした。それで元気が出てきた。 鉄道公園でもう一度休んで考えて、峠越えで歩くことにした。 峠のオオシマザクラは花を終えて実ができていた。その先の、カーブの外側が少し空地のようになっている一帯で、八重桜が咲いていた。もみじの若葉もきれいだった。ここに何かあったのだろう。ここに少しとどまりたい気がしたが、チェーンが掛けてあったのでそうしないでひとときだけ立って過ごした。懐かしい山の一角だった。 坂を降りていくとトウダイグサが今年も立ち並んでいた。 山が立つ。手前はレンゲソウの花が咲く畑。ハハコグサが少し咲いていた。 くすのきの神社も変わりないようだった。 駅近くのポケットパークは今日は話し込んでいる方々が。花水木と八重桜が咲いていた。 ひさしぶりにチャンポンのお寿司屋さんに来た。奥様がなんとか思い出してくださった。 いつもの道から1本入った道を行く。山から離れていく。夕方の山を近くに見ながら帰る道もあったけれど、遠ざかる道を選んだ。 水の公園の桜の下を行く。ベンチの場所のくすのきが、とても大きく見えていた。 八重桜の下でカップルの方々が写真を撮っているようだった。 金星、シリウス、オリオン座の星を見ながら暮れた道を行く。自分はけっきょくこうして歩いてきた。 坂のカラミザクラは実をたくさんつけていた。 公園の桜のひこばえは数が少なくなっていた。1本残って葉を茂らせていた。 休耕田の横のすみれは刈られたような様子があった。でも根があればまた出てくるだろう。 星と街の灯り。 *** 道ではハルジオンの花を見かけることが多くなったけれど、ここではヒメジョオンが変わらず咲いていた。 報道された藤を見に来た。市民の方々が集まって心配そうに話をなさっていた。藤は、枝というか太くなったつるがいくつも切られていた。幹は無事そう。 集まった中のおひとりの方が、切った人物はつるが垂れているのが嫌だったのではと所感を述べておられたが、幹が無事なところを見るとたしかに、つるが嫌なのか邪魔なのかではないかという気がした。ひょっとしたら、垂れたつるが通行に邪魔だからと、行き過ぎた善意で切った可能性もあるのかもしれない。 切られたつるを切り口に近づけようとしたら、重くてくっつかなかった。つまり上のほうがたわんでいるということ。絡まり合ったつるが部分的に切られて、残った枝やつるに加重が懸かった状態なのだろう。藤本体は元気だと思うが、そのことが心配になる。今後の事態の推移や対応の様子を見ていたい気がした。 *** こぶしの小公園は工事の閉鎖が続いている。 気持ち重く歩いた。高架下の草が立ち並んでいる側をずっと歩いた。あるところから先は草が枯らされていた。 シロバナタンポポの植樹帯はシロバナタンポポが咲いていた。ほかの草もいろいろ出てきた。そうあってほしい。 公園はつぐみがいた。野原が草刈りが入っているから逃げてきているのだろう。しろはらもやってきた。 桜並木の桜はだいぶ散った。足元ではセイタカハハコグサが低い丈で花を咲かせていた。 *** 丁字路は草の姿が3株ほど見えた。 公園の広場では緑に茂る桜に数輪の花が咲き残っていた。 小さな神社に親子連れの方々が入っていった。ここで遊ぶのだろうかと思っていたら、どうも境内から昇る歩道橋に上がっていったようだった。 早くから花を見ていた桜の公園。暗いせいもあるのか、花はまったくわからなかった。暗くなっても親子さんが遊んでいた。この時間しか遊べない方々も多いのだろう。八重桜が咲いていた。 *** あまり草や木が目に入らないまま歩いた。見てはいたけれど覚えていない。 排水溝の網に引っ掛かっている石は変わらず引っ掛かっているようだった。 小さな公園の隣が以前は畑だったか空地だったか、いずれにしても草が生えていた場所だったと思うが、マンションが建っていた。 夕日が見える丘の手前で歩道に藤の花が落ちていた。見ると、歩道に迫り出している木に藤のつるが絡まっているようだった。そこで咲いていた。 伐採木置き場のいちょうの切り株から、アカメガシワと何かの木と笹が出ていた。いちょうの葉は見当たらなかった。 桃が花を1つだけ残していた。 防草シートのところどころで草が葉を出しているようだった。ただもう暗くて、シロバナタンポポはわからなかった。 *** ビルの枝垂桜はすっかり緑になっていた。 この前は夜だったのでもう寄らなかった、路地の神社に立ち寄った。桜が見えていた気がしたが、桜は小さかった。大きな木々が木陰を作っていた。 河原で伐採に向けてらしい木々の測定をしていた。若い方が年配の方から教えられながら進めているようだった。 トマトの空き地に作業服の方々やそうでない方々が集まっていた。トマトは出ていないようだった。 空の広い公園の枝垂桜は元気そうに茂っていた。 ** ブロック塀のイヌノフグリは枯れていた。 *** 桜が早く咲く公園。桜は緑になった。ぽつぽつと、咲いたばかりの花が木々にあった。 桜の下では草が抜かれたような跡があった。キツネノマゴがそろそろ出てくる頃だ。 踏切横では花大根がたくさん咲いていた。 行きには気がつかなかったが、草が引っこ抜かれて放置されていた。ノゲシやノボロギクなど少し大きくなった草が抜かれている。小さな草はそのまま。草取りというより通りすがりに抜いたような感じを受けた。 その先の草の立ち並ぶ場所が心配になったが、そちらはだいじょうぶのようだった。 たんぽぽも咲いていた。 *** ホトケノザやナズナが出ていた空き地は病院が建っていた。草を見ていたあたりは駐車場になってアスファルトが敷き詰められていた。 2階建て建物の事務所入口階段はいろいろ草が出ていたけれどオランダミミナグサだけ思い出せる。 ときどき来る場所だけれどこんなに大きなくすのきがいたのに気づかなかった。こどもたちがちらちら遊びにまわってきた。 コブハクチョウが岸に上がってきたので手前のベンチに掛けて様子を見ていた。毛繕いに熱心で私のことはまったく気にしていないようだった。親子さんが通り掛かって写真を撮ったりしていた。犬が遠回りしていった。 花水木がところどころで咲いていた。 節句人形などを扱うお店ではこいのぼりが出ていた。なかなかに高かった。この値段を支払ってこいのぼりを買ってあげる親御さんやおじいさんおばあさんのことを考えた。 シロバナタンポポを見て歩いた。どこでも花は咲いていなかった。 選挙ポスターの掲示板にぎっしりとたくさんの候補者さんのポスターが出ていた。今日のまちは選挙カーが行き交っていた。 *** ビルの緑地は完全に解体されているのがよくわかった。 植物画の個展を拝観した後、植物が減らされた公園を通り抜けた。近くのお店に入る行列が長かった。 街路樹けやきの下のえのきはまったく無くなっていた。 駅周辺は広々としていた。駅前のジャズ喫茶からジャズが、向こうのほうの何かの建物の辺りから吹奏楽らしき楽器の音が聞こえていた。 歩道と車道を分離する縁石に沿ってヒエガエリが立ち並んでいた。 川は大きかった。河川敷に降りて岸に出るとコンクリートの小さな絶壁になっていた。オカリナを吹いていたらひばりがやってきた。頭上でさえずっていた。その後、少し離れたところにゆっくり降りていった。 父がこどもの頃に住んでいた場所に寄る。新しいお家が建ち並ぶ戸建て団地になっていた。その団地入口に大きなくすのきが立っていた。 小学校の校庭にちょっと入った。以前ここに来たことがある。サッカー少年たちがグラウンドでサッカーをしていた。敷地の端でニセアカシアが花を咲かせていた。 田畑の中の道にこいのぼりが立ち並んでいた。 小山をぐるっとまわるようにして小径を歩いた。草がいろいろ生えている。神社から先はむかしの町並み、そしてその先は大きなバイパス道路が通っていた。 その大きな道路の歩道が緑道になっていて、トウバナとコナスビが咲いていた。 どうも線路跡らしい。線路が付け替わったようだ。線路跡地には立ち入れないようになっていた。向こう側が商店が並んでいるようで、店舗兼住宅らしき古い建物の裏側に看板が並んでいた。 火事があったむかしながらの市場は仮設店舗が営業を始めたのか、看板が出ていた。日曜の日暮れ時で開いているお店がなかった。 むかしここにこの遅い時間に少しいたことがあるのを思い出した。何のときだったか。お城がライトアップされていた。手前はくすのき。さっきパン屋さんで買ったサンドイッチを食べた。もうここから駅へ向かうことにした。 *** シロバナタンポポの植樹帯はマツバウンランなどいろんな草が出ていた。シロバナタンポポも咲いてしぼんだ花があった。 その先のハイビャクシンの場所ではシロバナタンポポの葉が大きくなり、ヒメウズがたねを散らしていた。 線路際の草が枯れていた。薬を撒いたのだろう。以前にどこかで線路際に薬を撒いてまわりの田畑に被害が出たという話を見たのを思い出した。 川土手に何か白い塔のような花が咲いていた。 交番の前にこどもさんが1人いた。目が合ったので会釈した。こどもさんのほうからこんにちはと声を掛けてくれた。誰かを待っているようだった。 緑道ができるらしい一帯は以前はいちょうの並木だった。草を見て歩いた。 営業所の植え込みは草が増えてきた。 *** キッチンカーがよく停まっていた敷地の端にゼニアオイが出ていた。 スーパーマーケット跡地は奥のほうにヒエガエリが並んでいた。ヒエガエリにしてはずいぶん大きいが、と思いながら手前でヒエガエリを探した。ほどなく見つかった。 診療所跡地に見たことがない種類の草が出ていた。もうすぐ花が咲きそうだった。 公園の花水木はもう花がほとんど残っていなかった。 桜も花を見つけられなかった。 お店の軒先に大きなサボテンが立っていたはずだったけれど、小さなサボテンが立っていた。 *** 残された桜の場所は例年今日ごろに地域の寄り集まりが開かれていたと思ったが、静かだった。藤の花はすっかり終わっていた。 枯れてしまったと思っていた仮移植のセンダンの木に若葉が芽吹いていた。うれしかった。 跡地内に大きな道路が造られつつあった。それを見て、この跡地の将来の姿が見えるような気がした。あまりすばらしい景色ではなかった。 ムラサキツユクサも咲いていた。 シロバナタンポポは見当たらなかった。たんぽぽらしき葉はたしかに出ていた。 この広い跡地内の仮設の道をこどもたちが2人で歩いていた。この道はこどもたちも歩く道になっていたのだと思った。 都心部公園ではイベントが開かれていた。広場の端の木陰に席を得た。すぐ近くでこどもさんがシャボン玉を作っていて、そのシャボン玉に当たりながらカリンバを鳴らした。 河原の木々が伐られていた。せんだんが多かったようだった。株立ちの切り株が残っていた。鳩やむくどりがその一帯を歩いていた。 空が広い公園の枝垂桜のところにナガミヒナゲシが咲いているのが見えた。 ** 公園のイヌノフグリが無くなっていた。先日も見たので枯れたとは考えられない。 *** シロバナタンポポの植樹帯がまた草むしりされていた。 *** 都心部公園はカンサイタンポポも無くなっていた。小さな葉が復活しつつあった。 ** 藤の下のイヌノフグリは姿が無くなった。 坂道の石垣のイヌノフグリは1株生きていた。花が外れていた。 小径のイヌノフグリは位置を変えて数を増やしているようだった。 *** 街路樹もみじばふうがすべて伐られて切り株になっていた。 *** 記念碑の公園は少年野球のこどもたちが来ていた。挨拶された。ヒルザキツキミソウが碑の前で咲いていた。 猫さんは今年はいなかった。 水天宮さんの幟が立っていた。こちらも水天宮なのだろう。神主さんらしき方が地元の方々に囲まれていた。 廃坑へ続く線路跡。今年もここに立った。線路跡に敷かれたゴムの道のところどころに水たまりが。廃坑跡地のほうへは通行止めになっていた。先日火事があったと聞いたがその関係なのか。遠目に見るせんだんの木は無事そうだった。 昨年この山中の道路を歩いたときは先が見えなかった。今日は雨上がりの芳香がしている。つる草に花が咲いて香っていた。通り過ぎてからジャスミンだろうと気がついた。 大きなせんだんに花。 センターの芝生にはチチコグサが出ていた。 干潟は風の音がしていた。鳥たちの声も。明日はこの海の向こうへ行くのかまだ決めかねていた。海の向こうの実感がなかった。 競馬場は完全に無くなっていた。跡地はとても広そうだった。 お手洗いを探して駅へ行ったが改札内だった。公園があるらしいのでそちらへ向かったが、公園がわからない。仕方なく、山の上まで石段を登って神社へ行くことにした。石段の途中でヒメウズが咲いていた。トウバナも出ていた。 山の上に着くと海の上に夕日が。神社の境内の大きなくすのきの下で、雲に降りる夕日を見た。 詩の石碑が立っていた。 広い道にむかしながらの商店が立ち並ぶ。ここで暮らす暮らし道とは自分はぜんぜん別なところにいるのだと思った。暮らしているのかどうかもわからない。 駅のこちら側から戻ってくるとは思わなかった。むかしの電車車両に挨拶して駅へ入った。 帰りの車窓から雲の向こうにわずかに月が見えた。 ** 石垣のイヌノフグリはさいわい出ていた。 *** 駅の階段に芋虫がいたのでホームの端で逃がそうとしたら列車に警笛を鳴らされてしまった。その列車が出て行った。その列車に乗るのだったが発車時刻まで余裕があると勘違いしていた。ぼうぜんと見送った。 仕方なく乗った特急の車内でどうも猫クリップを落としてしまったようだった。 雨が少し止んでいた。駅舎の入口と改札口を通して、その向こうに広がる畑がゴッホの絵のようにあざやかに見えていた。 水の流れる小径。柿の花がたくさん落ちていた。 パン屋さんで、あそこにさくらんぼの木がありますよと教えていただき、そこへ向かった。さくらんぼはたくさん生っていた。熟したものを3つ取っていただいた。酸っぱくなくおいしかった。 川の向こうの橋にはこいのぼりが掛かっているようだった。こんにちは、と少年が通り過ぎて行った。 大雨の中を歩いて帽子をどこかで落とした。戻ると、神社手前の道の上に落ちていた。見つかってよかった。 *** 街路樹もみじばふうの抜根が始まったようだった。道の片方の端の植え込みで、土が掘り返され、切り株が粉砕されたらしき跡があった。 *** 街路樹のようにして立っている三叉路の枇杷の木に実がなっていた。実がなっているのを見たのは初めての気がする。 ホタルブクロがよく咲いた。ホタルブクロを何年ぶりで見ましたとおっしゃる方と少しお話しした。こどもさんがホタルブクロを見ながら、たんぽぽ、たんぽぽ、と言っていた。 八百屋さんの跡地にはトラックが入って鋼板が敷かれていた。鋼板と地面との間を埋める作業をしていた。セイタカアワダチソウらしき草が立ち始めていた。オッタチカタバミらしき鞘も立ち上がっていた。 市街地の中の古くなった集合住宅の外塀に、たしか土の部分があったと思うのだが、そのあたりに新しい板が張られていた。 ** 小径のイヌノフグリがどうも抜かれたような感じで無くなっていた。ほかの草も無くなっているので、イヌノフグリだけを狙ったわけではないようだ。残っている株の様子を見たい。 *** 営業所跡地のこちら側の手前でアレチハナガサが咲いていた。 シロバナタンポポが出ていた高架下をもう一度通ってみようと歩く。ランドセルを背負ったこどもさんが高架下の草が並んでいるあたりから離れるようにして去って行った。そこに来ると、鳩が歩き出てきた。鳩が逃げないように少しふくらんで歩いた。 信号の場所は少し前からキキョウソウが咲いている。今日は倒れた茎の先で花が咲いていた。 街路樹もみじばふうの場所は切り株の粉砕がさらに進んでいた。歩いていくと、まだ残っている切り株が少し高く立っていた。 *** 以前植え込みの木々が伐られた会社は今日通ったらウッドなんとかという社名だった。植え込みの切り株を通りすがりに見ると、薬の注入孔があった。 廃棄物処理工場のうずたかく積まれた金属がずいぶんと白く輝いていた。自動車の塗装前のシャーシのようにも見えた。 小さなお社があった位置に、イモカタバミが群れて咲いていた。 いつも立ち寄るくすのきの下にベンチが出来ていた。ペットボトルが置き去られていた。 アザミがあちこちで咲いていた。 丈の低いセイタカアワダチソウが出ていた小川の擁壁にセイタカアワダチソウが生えていた。 この先の行程はあきらめた。この後どうするか、大きなえのきの下で少し休んで考えた。 今日最初来たときとは違う道を行った。お家の前に何かの園芸種だろう紫の花が咲いていた。 話に聞いていた仮殿はたしかに林のようだった。つつじが咲いていた。 くすのき千年、と書かれている碑の後ろに大きなくすのきが鎮座していた。斜面の途中に人が集まって何か地面を見ているようだったので、ひょっとして蛙だろうかと登ってみたが、何を見ていたかわからなかった。くすのきの裏手に腰掛けてカリンバを鳴らした。だんだん音数が少なくなったけれど、最後は1音1音がくすのきに届いていくような気がしていた。 かいのきは遠目には芽を出していないようだった。 オカリナを吹いているとこどもさんが近くまで来た。花を摘んでいるらしい。こどもさんが知っていそうな曲を吹いた。聴いてくれていたようだった。おとうさんが、いちばん好きな歌なんですと教えてくださった。よかった。こどもさんは花を追うようにまた歩いて行った。 *** 街路樹もみじばふうの場所では今日も粉砕工事が行われていた。帰りには廃棄物運搬のトラックが来ていた。 *** 2つ信号の場所で小さなノミノツヅリを見かけた。 診療所跡地はよくわからない草を含めていろいろな草が出てきた。 公園へ続く道の信号手前のオダマキの仲間の草は花を終えていた。 今日は馬がいた。ポニーもいるようだった。 ナルコユリが咲いていた。でも花がややしぼんでいた。 桜の木々のまわりが立ち入り禁止にされていた。 *** 古い事業所のようだった場所が更地になっていた。ところどころに草が生えている。手前に山芋のつるが伸びてきていた。敷地の端にアカメガシワとくすのきの幼木が、跡地の草たちを見守るように立っていた。 桃の実がなっていた。 公園入口にかき氷屋さんの屋台が来ていた。 ふだん通らない道を通った。住宅街。どこかのお家の裏庭にあたるのか、木々が茂っている一角の端の道際に、アカメガシワの幼木が立っていた。 書いたかどうか忘れてしまったが、お家の脇の小さなさざんかの下でムラサキカタバミが咲いている。今日は花が閉じていた。 角を曲がるとピンクのゼラニウムが咲いていた。そのゼラニウムの隣の電柱の下で、ほとんど同じ色のムラサキカタバミが花を並べていた。 *** 空がだいぶ白かった。 桜並木の一帯の草が刈られていた。伐られて10年目になる切り株は朽ちてきているようだった。 いまでも花屋さんだった空き店舗の前で花屋さんの跡を思わず探す。 緑道のシロバナタンポポの隣のヒメウズが枯れながら実をたくさん開いていた。おつかれさまと声に出して言った。 公園は何人かの方がそれぞれ、木立ちの中を歩いていった。 信号待ちをしていて車が入ってくるのがこわい感じがした。ここの向かいに以前出ていたオオキンケイギクはひょっとしてどなたかの手向け花だったのではないかとふと思った。 むかしからある小さな畑。今日は作業をしてらっしゃった。向こうの枇杷は実がたくさん色づいていた。 *** 2つ信号の場所の草はノミノツヅリでなくツメクサだった。たねができていた。 花壇脇のイヌビワが一部伐られていた。 建物隅のアカメガシワが姿が無くなっていた。ツタバウンランが茂っていた。 診療所跡地の端に出ていたロゼットが、いまでは伸び上がっている。 ** 小径のイヌノフグリが少し色褪せてきた。写真に撮った。最初落ち葉にやや隠れるようにしていたので、できるだけ元のように戻した。 *** 川土手を歩く。黒い穂の草は種類がわからない。チガヤの穂がたくさんなびいていた。セイヨウヒキヨモギがチガヤの綿毛をいっぱいかぶっていた。 ヒメオドリコソウが出る場所はそこだけ草が刈られていた。キキョウソウがその隣だけで咲いていた。 小さな公園。ブタナの綿毛がまるきりたんぽぽのようだった。公園一面に広がっていた。 あまりよくわからない路地に入った。少し歩くと、通ったことのある道に出た。たくさんの植物を植えてあるむかしながらのお家があって、それでわかった。敷地の端でイヌビワが自分も一員だという感じで小さく出ていた。 *** 今日はパン屋さんが開いていた。 桜の公園の伐られてしまった桜の隣に、桜の若木が植えられていた。 クワクサが出てきたようだった。 *** スーパーマーケット跡地は気づいたらヒエガエリがたくさん穂を立てていた。枯れ色になってきていた。 緑道のベンチはお店から出てきたのか待っているのか、掛けている方が多かった。ここではもみじばふうが高くそびえていた。実がいくつも落ちていた。 *** 遊具を整備すると書いてあった公園は草が刈られた直後のようだった。むくどりやすずめや鳩がいた。 再整備公園は少し人がいた。この前見つけたくすのきのひこばえは見当たらなくなっていた。 桑の木だと知らなかった。川沿いの小さな畑のような場所。実がなっていた。 大きな公園は寝ている人が多かった。雨上がりの木々から木漏れ日が差していた。 繁華街の外れの小さな公園は休む人や仕事話らしき人が。ホトケノザが咲いていた。 工事中の公園では木々が枯れていた。ヒマラヤスギはいくつかの枝にだけ緑味が残っていた。 *** 大通りのけやきの下のえのきは出ていた。 *** 街路樹もみじばふうの場所は抜根が終わったようで、植樹帯に砂利が入れられていた。もみじばふうのひこばえが1つ、夕日を受けていた。 *** 交差点のチャンチンはあおあおとした。私が写真を撮っていたら、その様子を見ておられたのかチャンチンを眺める方が。 ビルの谷間のヨウシュヤマゴボウの場所は工事で閉鎖されているままだが、そのこどもが道の隙間から出ている。元気そうだった。 公園の中の島でそこだけ夕日が差してくるその筋に、スズメノカタビラが穂を小さく掲げていた。 ホタルブクロがまた咲き出していた。 ヒメウズが出ていたけれど舗装し直された歩道。街路樹くろがねもちの植え枡にヒメウズが出ていた。3株ほど。すでにたねを散らしたようだった。ヒメウズを見つけて帰る力が出てきた。 *** 居酒屋さんの前にさまざまな植物が所狭しと植えられていた。枇杷の実が少ししわがより初めていた。 公園のブランコにどなたか向こうを向いて座っていた。私もベンチでひと休みした。若いくぬぎの木が曇り空に体を伸ばしていた。 *** 駐車場の隅のまきの木の若葉が目にとまった。 *** この角を曲がるとシロバナタンポポが生えていた道に出る。その角にヨウシュヤマゴボウが大きく育っていた。実が白かった。 いろんな草が出ていた高架下に防草シートが敷き詰められていた。ところどころから草が葉を出していた。 山が見える大くすのきの林だった場所の植え込みには、えのき、くすのき、柿の木が出ていた。山は懐かしく見えた。 コスモス畑は稲が植えられていた。 伐られた桜はひこばえもやはり切られたようだった。切り株は芝草に囲まれていた。 夕日が雲から降りてきた。日の入りまでを見つめた。 シナダレスズメガヤの道を歩く。この道を歩いて10年。数字にするとわずかな気がするが、とてもとても長い時が経った。 かえるが鳴いていた。 *** くちなしの花が道沿いに咲いて香っていた。 大通りから耕地の道へ出た。この道を歩くようになってまだ1年。そう考えると1年は長いと思った。ハルジオンでなくヒメジョオンがいっぱい咲いていた。 寄ってみたいと思っていたお店。ジュースを買った。むかしながらの風情の黒い木のカウンター。ご店主さんが、訪ねて来られる方もあるんですよとおっしゃる。ナッツの小さな詰め合わせも買った。 ここにヤグルマギクが出ていたと思っていたら、今年も咲いていた。おうちのそばで写真は撮らなかった。 商業施設敷地端のアキノノゲシは葉がいくらか出てきたところだった。 川土手はネズミムギが立ち並んで風に揺れていた。 向こう岸にやぎがいるようだったので、橋を渡って向こう岸へ移った。やぎはのんびり草を食べていたり座っていたり。溜まり水を飲みに行くやぎも。数頭こちらを見ていたけれどおたがい何もしなかった。 電車から見える川土手は車の道が別に出来てがらあきになっていた。木のおかりなを取り出して吹きながら歩いた。自転車が1台追い越していった。 川辺でトランペットを吹いている女の子がいた。オカリナを吹こうかと思ったが曲がわからず音が合いそうにないので通り過ぎた。だいぶ離れて橋の上からその景色を写真に撮ろうとスマートフォンで撮ったら、その子の姿が見えなくなった。どうかしたのだろうかと思って見ていたがわからない。悪いことをしたと思ってその場を離れて、遠くから見ていたら、草の間からその子が土手の上へ駆け上がっていくのが見えた。トランペットの練習はやめないでほしいと思ったが、もう関わってはいけないと思い、そこも離れた。 川沿いを行く道は遠かった。 集落の中を抜けていく。この道は以前、鳥栖へ行くときに通ったのだったと思い出した。この草もそのときに見ていたかもしれない。 公園の木が何の木かわからなくて近づいて見てみた。アキニレだった。 橋を渡り、川沿いを行くことに。城跡のこちら側を歩くのは初めてな気がした。やがて黒々とした工場の裏手へ。 川辺に小穂が3本のスズメノヒエが立っていた。アメリカスズメノヒエではなさそう。キシュウスズメノヒエかチクゴスズメノヒエだろうか。以前お世話になった植物の先生のことを思い出した。 土手を這い上がって以前オカリナを吹いたくすのきの下に出た。焼却炉の所に人がいた。またゆっくり来ますと、そこを後にした。 *** 都心部公園にオヒシバが出ていた。まだ若いのか、穂が開いていなかった。 路地でバラが高く咲いていた。 2世桜の木陰でどなたか腰を下ろして歓談なさっているようだった。木陰を作れるようになったんだと思った。 菩提樹に花が咲いていた。 ** 小径のイヌノフグリはわからなくなった。 *** 高架下でアレチハナガサが茂っていた。こころもち色が薄いようだった。 すみれのプランターは1つは何もかもむしられていた。もう1つは茂ったすみれだけが残されていた。 保育園近くの小さな公園の木々がだいぶ剪定されていた。 桜並木の下でキツネノマゴが芽を出していた。 街路樹もみじばふうの場所は、この前のとき出ていたひこばえも無くなっていた。 草が立ち並ぶ場所の手前のブロック塀の下にマツバゼリが出ていた。 こぶしの小公園はお父さんとこどもさんが遊んでいた。奥のベンチにどなたか腰掛けていた。こぶしの所へ行くのはまた別のときに行くことにした。 *** 蒸気機関車は駅からしばらく歩いた先に停まっていた。少しずつ黒い煙を吐き始めたところだった。 蒸気機関車が通って行くのを見たいので線路のほうへ。道を間違えたようで、学校の隣の小川のほとりを歩く。小さな公園を掃除なさっている方。その横を曲がって、戸建ての家々の中を行く。 川を越えていく橋の下で列車を待つ。ゆっくりと列車が来た。しかし先頭はディーゼル機関車。客車の後に蒸気機関車が曳かれていた。煙が後ろへ、蒸気機関車の前方へ流れていった。 雨宿りした木々が伐られてしまった場所。いろんな草が出てきていた。えのきの幼苗が出ていたが、くすのきは見当たらなかった。 とある公共施設で絵とピアノを見せていただいた。 春の小径はたくさんのヒメクグが穂をつけていた。キツネノマゴらしき芽が出ていた。トウバナが少しだけ咲いていた。 選挙事務所に一時期なっていたお店がもとのお店に戻っていた。 *** たんぽぽはだいじにしてもらっているようだった。そこではオオキンケイギクもだいじにしてもらっている様子だった。 パトカーが停まってくれなさそうだったので気を利かせて道を渡らずに横へ行った。 パン屋さんは閉まっていた。 日本庭園横でやまももの実がたくさん落ちていた。 *** 歩くのがつらくなり、くすのきの公園に立ち寄った。こどもたちが遊んでいる。しばらく休んでカリンバを鳴らして焼きそばパンを食べた。 小さなお社にお祭りの札が出ていた。 *** 解体されていたビルは上から見るともう構造物が何もなかった。地下空洞だけが残っていた。 都心部公園の端を歩く。コヌカグサ、クサイ、トウバナ、イヌクグ、コナスビ、いろいろ出ている。 ウマノスズクサは花が増えてきた。くるみの実も見えた。 スーパーマーケット跡地に何か夾竹桃のような葉の大きな草が出ていた。白い花をたくさん下げていた。 ふうせんかずらが出ていた街路樹植え枡がひょっとしたら撤去されたかもしれない。植え枡が無くされてアスファルトで埋められ、パイロンが立てられていた。その先の植え枡でハゼランの葉が出てきていた。 *** 歩道橋を渡った。枇杷の実のようなものが落ちていた。横を見ると、枇杷の木が。実が収穫されてないようで、ずいぶん色濃くなっていた。 昨年ヒロハホウキギクなどの草が立ち並んでいた歩道脇、今年もオオアレチノギクらしき高い草やメリケンカルカヤやヒロハホウキギクが出ていた。 こどもたちの帰りの時間帯に当たった。いっしょにかえろう、と、前のこどもさんが後ろのこどもさんに呼びかけた。 公園の広場の桜の下に座る。秋の空のように感じた。いつのまにか南の空を向いていた。 この前叱られながら何かの練習をしていたこどもさんが別の場所で今度は励まされながらスタートダッシュの練習をしていた。 小さなさざんかのお家の横でツワブキが咲いていた。 街路樹もみじばふうが撤去された道、ひこばえも残っていないと思っていたが、2つひこばえを見つけた。 営業所跡の植え込みでイヌホオズキが実を実らせていた。 *** 何十年ぶりかに入った道。集合住宅は戸建ての団地に変わっていた。 小さな頃に遊んでいたと聞いている小さな公園。むかしからの木はもうなさそうだ。中学生くらいの少年が2人話し込んでいた。 田んぼを男の子がのぞきこんでいた。 たしかここのお家が薬を撒いていたのだった。そこの敷地沿いには草は出ていなかった。お隣のお家に少し草が出ていた。 猿田彦さんの向こうは畑だったと思ったが、建物になっていた。猿田彦さんにはくろがねもちらしき枝が供えられていた。 高い木があったお家の木はばっさりと切られて、きのこが出ていた。 少しひさしぶりに立ち寄った公園には三本柱のアメリカスズメノヒエが立ち並んでいた。 街中の公園は人が少なかった。前を歩く人が曲がっていってすぐ見えなくなった。 *** 庁舎前の植え込み下はすみれの葉がずらっと並んでいた。 たんぽぽは花も咲いていず、葉もわからなかった。 あまり知らない路地を行く。路地は草も豊かだ。 たまたま出たひさしぶりの公園で少し休む。向こうでカンナが咲いていた。 ここを通り抜けられると思って細い路地へ入ろうとしたときに、お家の方が出て来られた。こんにちは、とお互いに挨拶した。 高架のこちら側を行くことがなかった。団地のそばの小さな公園は草が茂っていた。 *** むかしアキノノゲシが出ていた場所はアキノノゲシは見当たらない。 思い詰めてただ歩いていたのであまり草も木も見なかった。ただ、街中に入って街路樹やそのふもとのヒメジョオンなどの草を見ながら、この木や草は自分よりも長く生きるような気がした。 *** 小径の入口で紫蘇が生えていた。 *** 歩道脇のヤナギバルイラソウが低く刈り揃えられていた。 スーパーマーケット跡地にはヒロハホウキギクがたくさん出てきた。 診療所跡地はダンプカーが出入りするようになっていた。 城跡は芭蕉の句のようだった。むくどりが逃げずにいた。 以前、伐られている現場に遭った切り株は、動きがないようだった。 *** 学校敷地の隅の伐られた木がずいぶん大きく茂ってきた。 学校には大きな木がなければならない、と、むかし誰かが考えたかのように、大きなポプラと大きな桐の木がそびえた。 その先で、たぶんその桐の木のこどもだろうと思う擁壁の桐の木の切り株がじっとしていた。 鈴を鳴らして歩く人。明らかにその鈴の音を聞いて、猫が鳴きながらやってきた。 公園の林の中に、白い珊瑚のような何かが落ちていた。と思ってよく見たら、以前に別の公園の林で見たキノコのようだった。 *** くずの花が落ちていた。見上げると、いくらか咲いていた。 八百屋さんの跡地はすっかり幕で囲って工事が進められていた。端にオオアレチノギクらしき草が背を伸ばしていた。 *** ハイビャクシンの中のシロバナタンポポは葉が元気だった。 踏切脇ではくぬぎの幼木も元気そうだった。 川土手ではゆりの花やアガパンサスや種類を知らないいろいろな花が咲いていた。 桜並木のキツネノマゴも無事。 街路樹もみじばふうのひこばえも元気そうだった。 *** 川はそれほど増水しているようでもなかった。 ネジバナが咲いているだろうかと思いながら土手を歩く。アザミが咲いている。しばらく歩いて、ネジバナを見つけた。 河原の木がとても大きくなったと感じた。初めて見てから20年。それはそうだろう。それにしても大きくなった。 帰りは大雨になった。傘をすぼめながら歩く。これから来る雨に打たれて、とう言葉をふと思った。 土手の風を受けた。 *** (大雨の後) 路面に何かチラシが水に溶けたようなものや、ポスターを覆っていたような感じのアクリル板が落ちていた。自分の足が重かった。 七夕飾りのプラスチックの笹がガードレールの脇に立っていた。きらきらする網飾りを付けて。あの大雨の中を立っていたのか。 いまは開いていない診療所の植え込みで、桃がたくさん生っていた。 この道だったと思うが、ふうせんかずらが咲いて実をつけていた。 *** 高架下の道でハゼランが咲いていた。 街路樹もみじばふうのひこばえがまた出てきたようだ。 桜並木の桜に、枝を落とすという札となくすという札とが付けられていた。もう工事期間に入っていた。なくすという札は立ち枯れた木にも付けられていたが、生木にも付けられていた。見てまわった。 丁字路の草はなくなっていた。縁石の外側に草が1本生えていた。 帰りは眼鏡を外して歩いた。人生これがラストスパートだという気持ちが湧いてきた。 *** 城跡公園のけやきの木に剪定告知が出ていた。かなり細かな説明が書かれていた。 アオギリの公園はこどもたちが蝉か何かを獲っているようだった。 思いがけない位置からツクシオオガヤツリが出ていた。以前そこの近くにまとまって出ていた、その名残りなのかもしれない。 *** 桜並木の木々の剪定と伐採が始まっていた。伐採は枯れ木はすでに終わり、生木も1本伐られていた。 *** 桜並木の剪定と伐採は、さらに1本伐採されていた。まだひこばえとも言えない小さな芽が、根から出ていた。伐採予定の木が強剪定の状態で残されていた。断面が樹皮が剥けたようになっていて、自分が剪定をするときもそうなってしまうが、あまり丁寧な剪定ではないのだと理解した。 お家の横のツワブキがこの前は咲いていたが、今日は刈り込まれて小さくなっていた。 *** 公園の伐られたくぬぎがだいぶひこばえを伸ばした。まだ葉がういういしい。 クサギのトンネルの場所でクサギが咲いていた。今回はだいぶ高い位置でクサギが増えている。もうトンネルにはならないだろう。 *** 何の建物があったかわからない広大な敷地が造成されているところだった。手前のフェンス際にアカメガシワの若木が、それ自体が壁のように茂っていた。 史跡広場のとうかえでの下で、聞こえてくるギターの弾き語りの方の歌を聴いた。せきれいが近くまでやってきていた。 東屋の屋根では苔が花を咲かせているようだった。 急いだのであまり草も木も見ていない。川にアオサギと白い大きなさぎがいるのは見た。 そして急いで戻る。 イチイガシの下で少し休んでオカリナを吹いて気力をいくらか取り戻した。歩いて帰れるくらいの気力。 土塁そばのくすのきの下には車がたくさん停まっていた。いちおう立ち寄って休んで竹カリンバを鳴らした。 社名にウッドという言葉があるのに植え込みの木を伐って薬まで投与していた会社、どうも営業をしていないように見えた。撤退するために木を無くしたということだったのかと思うと、それはそれでつらくなった。 どこかでクワクサが出ているのを見た。エノキグサも見た。そして帰りにいつものクワクサの場所に通りかかったが、通り過ぎていた。もう疲れていた。 *** ヨウシュヤマゴボウは見つからなかった。 公園のアオギリはひとまわり大きくなったような気がした。でもそんな前に来たわけではない。 ブランコに乗っていたこどもさんが降りてブランコの下のシートのようなものに寝そべった。 飴屋さんはやはり無くなっていた。 ひさしぶりに通る遊歩道。とても暑い。シナサワグルミらしき木が実を落としていた。 雨が降って路面が濡れたので、帰りは歩くのを断念してバスに乗った。そのおかげで工事中の公園へまわるのが近くなった。 石垣の上はシナサワグルミのひこばえがたくさん並んでいた。端のほうに夾竹桃も出ていた。 ヒマラヤスギはやはりだいぶ枯れた。枝先に緑が若干残っている。 取り壊されたビルの緑地から逃げ出したトウバナが、いつも見ていた位置とは違う所で出ていた。 *** 床屋さんの紫蘇が大きく育っていた。もらってくださいと書いてあるがもらう方はあまりいないのだろう。 *** 防草シートが敷かれていた坂道。シートがところどころからめくれて、草が生え出していた。たんぽぽらしき葉はわからなかった。 文化財発掘していた切り開かれた小山が、また切り開かれていた。ひこばえの増えた切り株がひこばえごと切り株になっていた。 報道されている植樹帯の現場を見てきた。サツキが歩道側だけ枯れている。草はほかの植樹帯とくらべて少ない。残っているのはホルトノキ1本。 しかしほかの場所でも切り株になっている場所が。 桜並木は伐採予定だった木がそのように伐採されていた。枝だけ切られて終わるかとも思ったが、そうはいかなかった。 営業所跡に残っていた植え込みが無くなっていた。樫の木もくすのきもいろんな草もまったく無くなっていた。 *** 大きな空き地ができていた。ノゲシがところどころ出ていた。それからアキノエノコログサ。 この前の飴で増水したと聞いていた川は、草や木の端がだいぶ高い位置に残っていた。河川敷は砂が積もっていた。上のエゴノキには実がなり、たくさん落ちていた。 くまぜみを拾って、郵便局の木にとまらせた。 川をさかのぼるように、初めての道を歩く。ほどなく歩行者しか通れない細道になった。おうちの裏手を行く感じだった。 坂を登って住宅街を通って行くと、住宅が無くなり、田畑になった。やがて田畑も無くなった。 ひさしぶりの山道。キツネノマゴが咲いていた。川の徒渉も。 ヤブランのような、でも白い花の木。香っていた。あとから自然観察センターの方に、リョウブだと教えていただいた。 ひさしぶりの展望台。20年ぶりくらいにはなるだろうか。 山を下りて街を歩く。下りたところが少しずれていたので、近くなった場所を訪ねることに。 残されたそてつは元気そうだった。 再整備公園のくすのきはまあまあ元気に葉を茂らせていた。けやきの下のたんぽぽはわからなかったが、他の草もほとんど出ていなかった。 桜の公園の反対側の湿地は埋め立てられていた。雑木林は残されていた。 行く手に虹が出ている。振り返ると、とんでもない明るさの夕焼け雲が広がっていた。全体ぼやけて、端のほうだけが高精細な雲だった。少しのあいだ眺めた。これが今年の夏の思い出になるのだろうか。 歩き切った。もう木が残っていない高架下を歩いた。 *** クワクサは出ていた。 *** せみのことをいろいろ教えていただいた。 営業所の横を通って帰るのがつらかった。 *** ひさしぶりの公園。 積もった泥をかき出した。 町を少し歩いた。川のほうから水が流れてきたのか、街路樹のふもとの葉ランのような草が川から離れる方向へ倒れていた。 川土手には重機が入っていた。川はいつもの川だった。 河童がいる小さな橋。近くの方と立ち話した。この川があふれたと。ひざまで水が入ったらしい。 酒屋さんはこちらからお尋ねする前に水害のことをお話しになられた。 線路際の木は、形が変わったのかもしれないが、立っていた。 猫の世話をしている方。猫が一匹見当たらないとのことだった。流されたのだろうと。あらあんたいまごろ来て、と声を掛けた先に、猫がいた。いまお話しになっていた猫ではなさそうだった。 *** ビルがまた取り壊される。フェンスが立つ前。ここの植え込みでも草を見ていた覚えがある。あらためて見ると、コナスビが咲いていた。 強剪定の予告が出ていたけやきが切られていた。予告のとおりに残されていた。 街路樹の下に人工芝が敷かれていた。あからさまに何かおかしかった。樹種は柿の木があったり樫の木があったりさまざまだった。 東の遠くに残照の入道雲。自分の長かった何かの季節が終わった、過ぎていたと感じた。 *** 坂道の防草シートはさらにはがれていた。 切り開かれて文化財調査が入っていた小山が、重機で取り崩され始めていた。このあたりはこうやって山を切り崩して出来たまちなのだと、あらためて思った。 知らない道を行く。暑い。親水公園という所に出た。水に沿って歩く。小さな公園のピラーというのか、立っている柱に、このまちの保存樹の紹介パネルが貼られていた。 お寺に併設された保育園の横の小径。ここは通ったことがあるような気がした。いつだったかわからないくらい前。 駅前広場ではプロレスの会場が設営されているところだった。 わしわしを公園の木にとまらせた。こどもさんとおとうさんがいたけれどたがいに気にかけない。 暑さの中を歩く。一度袋小路に入ってしまった。 小山をぐるっとめぐった。裏手のほうは葛が茂っている。森に戻ろうとしていたのだろう。高みに残るひこばえやつる草を見上げた。彼らの姿を見るために自分はここにいる。 *** ビルの谷間のヨウシュヤマゴボウのあたりにはヨウシュヤマゴボウの姿は見えなかった。 あまりに暑い。ビル街はまわりのビルからも熱射が来る。 診療所跡はシートが外されていたが、草の姿はほとんど見えなかった。 クサギのトンネルの場所でクサギの花の香りがしていた。 *** ほかの場所の路面は乾いているのに、クサギのトンネルの場所だけ歩道の路面が濡れていた。斜面から水が流れているようだった。 木々の小枝はたくさん落ちていたが、枝が折れたり倒れたりした木は通った範囲ではわからなかった。 *** 今年はキツネノマゴは出ていなかった。クワクサらしき草があちこちで出ていた。 山があざやか。夏。 バス停の椅子も新しい板が渡してあるようだった。 フェニックスも元気そうだった。手前の松の木も。そしてヨメナが咲いていた。 峠の自動販売機で麦茶を買う。裏のお家の犬が吠えていたが、私を見るとひととき黙っていた。 去年と同じ道を行く。 遠い山を絵に描いていて、高原のようになった所を眺めていてふと、むかしが戻ってきたような気がした。 *** アンダーパスを通っていて、ランプにクロアゲハのような蝶がぱたぱたはためいていた。このままでは出られないと思い、話し掛けながら手にとまらせようとしたが、さすがにとまらない。両手で包むようにしてつかまえた。そのまま出口を出て、ちょうどさるすべりが咲いているお家のところで手を開いた。クロアゲハはちょっととまっていたが、すぐにひらひらとさるすべりのほうへ飛んでいった。その後ろ姿を見ながら、なんだかとてもいいことをしたような気持ちになった。そんな気持ちになることが不思議だった。 いつも列車の中から見るパン屋さんを初めて訪ねる。お店の方が優しかった。こどもたちが列車を見に来るとおっしゃっていた。 公園でパンをいただく。ベンチにあまり見た覚えが無い虫がいる。きりぎりすやばったの仲間のようだけれど足がとても細い。逃がそうと手にとまらせる。そのまま運ぼうとすると、ぴょんと飛び降りた。どこにそんな跳躍力があるのかと思った。 高校野球でたまたま見た出場校の前を通る。 駐車場手前の林だった場所。やはり木々のひこばえは出ていない。 春の小径は夏の風情だった。 市街地公園に立ち寄った。夜風に当たる。涼しかった。 *** 鴨が逃げないようにとそっと堀端の道を行く。鴨は少し立ち上がって動こうとしたけれど、逃げるほどではなかった。 橋を渡る。潮の香りがした。川を上ってきているのだろう。 大きな橋を渡る。向こうに見える道と迷ったけれどこちらの道を行くほうが近いようだった。 石に絵を描いたお家がどこだかわからなくて、無くなってしまったかと思った。その先にあった。 公園に大きな建物が出来ていた。公園はもう少し緑があったような気がしたけれど、グラウンドが大きく広がっていた。 うどん屋さんが開いている。でも今日も通り過ぎるほかなかった。 水辺の公園は昼間よりも人が少ない気がした。 *** 父と帰る道は自分が通る道とだいぶ違っていた。父も、ほかの人が通る道と違うだろうと同じことを言った。 *** 八百屋さんの跡地は工事が進んだ。敷地の端に少し草が残っていた。でもいつまでそうしていられるか。でもいまはそうしている。 診療所跡地の端にはヤブガラシが出ていた。こうなるとヤブガラシも生き残った草だ。 学校の正面歩道は名札がついた木々が並んでいる。くすのきの若木が数本出ていたが、名札はなかった。 桜並木のひこばえが育てられていた場所の、そのひこばえが無くなっていた。まわりに石が積まれていたのも無くなっていた。取り壊されたのか。私が差し上げた札だけがひこばえの生えていた位置あたりに立っていた。 この道を通ると悲しくなるからこのごろ通らなくなっていたのかもしれなかった。 *** 猿田彦さんのところの椿の葉が変色していた。 春に桜を描いた小さな公園。桜のひこばえが育ちつつあった。 小さな桜の公園に植えられたカイヅカイブキらしき若木は、遠目ではどうもそのままになっているようだった。 大きな桜の木のお家。 少し雨が降り出した。 帰りはそれなりの雨になった。来た道をほぼそのまま帰った。 *** お遍路さん用品を置いてあるお店に初めて入った。わらじを買った。ちょっと高いと感じたが、帰りの道中にそのわらじをさわりながら歩いた。 ゆるゆると曲がりくねって山を登っていく坂道が見えた。地図で見ると先へつながるようなので歩いてみた。住宅地の中へと入っていって、ほどなく山の中の広い道に出た。みんみんぜみの声がしていた。 神社の境内に上がった。大きなくすのき。おがたまのきもそびえていた。おがたまは幹まわりがそんなに大きくないようだったが、何百年の樹齢があるそうだった。大学のおがたまを思い出した。 運動公園だということだったので前に来たときには入らなかったが、少し林や広場があるようだった。上がっていくと広い芝生広場。その端でハーモニカの音がしていた。配信をなさっているような様子だった。 明るい林へ入る。これが自分の今年の夏の最後かもしれないと思った。杉が高々とそびえていた。 オブジェや桜の木々が立っていたセンターの入口が工事されていた。 猿田彦さんが花に囲まれていた。その景色を何か思って見たのだったが、何を思ったのかいま思い出せない。覚えておきたかったことだったはずなのだが。 陸橋を渡っている間、夕日が行く手斜めに見えていた。自分は父母が亡くなった後も、こうしてどこかの町を歩いてどこかへ帰ろうとしているだろうか、と思った。 八百屋さんが更地になっていた。敷地の手前端にバターの箱が落ちていた。 公園の桜はまたひこばえを出していた。うれしかった。 *** あまり歩かない道を行く。ビニルハウスが建ち並んでいるけれど中が何かの植物でいっぱいで、放置されているのか栽培されているのかわからない。道に伸び出たつるに触った。 午前中から暑い。公園で休む。草原になっている広場の向こうで御家族が遊んでいた。 歩いているとバスが通り過ぎていった。歩いたことがない道だから歩きたくなった。 川は思っていたよりは緑のある川だった。目指す町は山の様子を見ても遥か彼方だった。 少し前から公園の水飲み場で水をまた飲むようになった。今日も飲む。助かった。 この道がどこへ行くのか、どうも知らない山のほうへ行くような道なりだった。もう少しだろうかもう少しだろうかと思いながら歩いて、ようやく知っている場所に着いた。 湖は今日も静かだった。湖岸に釣り人がいるようだった。ムックリを鳴らして別の側の湖面を見ると、水鳥が二羽、水面の上の倒木の枝にとまっていた。傾いた太陽のほうを眺めていた。 みんみんぜみが聞こえた。よかった。 お店でラムネ飴を買った。ラムネ飴がこんなにラムネを飲んだ気分になれるとは。ものがあまり買えない中、よくないごまかしかもしれないが助かった。駅はもうすぐだった。 山。田んぼ。 これだけ疲れて歩くと、もう感傷が起きないのだなと思いながらひたすら歩いた。日は暮れた。山はこの時間ではもう鳴いていなかった。 ベンチがあったはずがない。仕方なく竣工記念碑の台座に腰掛けて休む。もう楽器を鳴らす気力はなく、ただ虫の声を聴いた。 昨日も歩いた道。歩き通したという気持ちだけがあった。 *** からすが二羽落ちていた。があ、と小さな声が聞こえた気がした。交番に届けた。からすは引き取られた。 林の中はきのこがたくさん立っていた。 この道を通って帰るのがやはりつらい。もみじばふうの植え枡には何かブロックのようなものが並べられていた。ひこばえは残っていた。 営業所跡地は電柱の下の土に草が少し残っていた。その土にヒメウズなどの草の種子が眠っているかもしれないと思った。 *** 診療所跡地の敷地端からヤブガラシが出ていた。ヤブガラシでもこの土地の生き残りだ。 *** べんがら塗りのお家が無くなって新しいお家が出来つつある。日曜だけれど働いている方の姿があった。 駅前の小さな広場がストリートアートの場になっていた。アーティストの方やこどもたちが絵を描いていた。雷が鳴り出し、男の子が雷の絵を描き始めた。1つ光るたびに1つ雷光を描いていた。 大雨になった。ギター弾き語りの方は雨の止んだ隙にお帰りになった。また雨が降り出した。木立ちの下をからすが歩いていた。とぼとぼした様子に見えた。 虹が掛かった。外側の虹も少し見えていた。町の掲示板に虹のイラストをあしらったポスターが貼られていた。 *** 2つ信号の場所は手前の街路樹の下にマツバギクが咲いていた。どなたか植えたのだろうか。オニタビラコなどが出ていた場所はニシキソウが1株出ていた。 スーパーマーケット跡地はやはり薬が使われたよう。ヒロハホウキギクがたくさん立ち枯れていた。 ウマノスズクサがだいぶ復活していた。 マンション前のコナスビは咲いているようだった。 *** 車が出て来ようとしていたところで道に入った。その道を行った先で先生がお元気そうに車で帰ってこられたのを目撃した。 川岸はすすきの穂が出ていた。 街路樹もみじばふうが撤去された道は、植樹帯の跡が舗装され始めていた。こちら側の道ではひこばえが残っていた。 草が立ち並ぶ道はヒロハホウキギクが立ち並んでいた。かれらが無くされるままでいいのか。 この前ハーモニカを吹いている方を見た高架下。もちろんその方の跡もなかった。ここでオカリナを吹いたらどこまで聞こえるだろう。 *** 外国の方から頼まれてはすの花をバックに写真を撮って差し上げようとしたが、はいチーズを何と言えばいいかわからず、無言でいたらスマートフォンをお引き取りになった。 小さな丈のツクシオオガヤツリ。 水辺にてんつきの仲間の草が穂をたくさん実らせていた。 低く刈られたヤナギバルイラソウが少し咲いていた。 ** 丁字路は草が無くなっていた。 クワクサが立ち並んでいて、ああここはクワクサがいるんだと思っていた。けれどどこだったかよくわからなくなった。 ハゼランが咲いていた。ハゼランの花を今季初めて見た気がした。 ひさしぶりに通る道。施設の植え込みは草があまり生えていないよう。オッタチカタバミだけ見えた。 もうだいぶ暮れて来た桜の公園で御家族らしき方々が遊んでいた。桜の切り株に植え込まれた植物は元気そうに葉を伸ばしていた。 ** 初めて通る気がする道。イヌノフグリが出ていたいくつかの場所から近いが、こういう道があるとは知らなかった。このあたりのどこかでずっと出ているのかもしれない。 *** しばらく通らないうちに空き地ができていた。その奥のお家に向かってそのお家の方のお名前を呼んでいるらしき方が。気になったがあまりお助けできそうなこともないので先へ行った。 公園でルリタテハがシャツにとまった。トイレの近くだったのでゆっくりと歩いて移動した。ルリタテハは2度とまって、逃げていった。 草に触れて歩く。 桜の下のキツネノマゴが一輪咲いていた。 街路樹もみじばふうの場所は工事が少しずつ進んでいるようだった。ひこばえはなぜか地面に沿って伸びた枝が黒く枯れていた。 営業所横のブロック塀下の草は枯らされたようだ。角を曲がったらハゼランが倒されていた。ちぎられたような様子もあった。ちぎられたまま咲いていた。 駐車場の入口脇にフウセントウワタが伸びていたのが、無くなっていた。 おりおりに草が出る小さなブロックの敷居にいまはからすうりのつるが小さく出ている。 *** 葛の斜面からすずめが飛び出してきた。 スーパーマーケット跡地ではヒロハホウキギクが咲いていた。たくさんの草が枯れている中でぽつぽつとヒロハホウキギクが伸び上がっていた。 クサギのトンネルの場所では葛の花が咲いていた。クサギも少し咲いていた。 ツルボの花芽が出てきた。 水路から大きな鳥が出てきてばたばたと遊歩道を横切った。その位置に差し掛かって鳥が行ったほうを見ると、水面のだいぶ遠くに浮かんでいるその鳥らしき姿が見えた。 熱い!と言って、ベンチに座ろうとしていたお二人が立ち上がって去って行った。日射が当たっていたのだろう。自分も同じタイプのベンチに座ってみようとして、座面を触ってあきらめた。 桜園は舗装されていた。隅の大きな木がいた場所で、チシャノキのひこばえがたくさん出ていた。 スズメノヒエが出ていた。1か所はスズメノヒエにしては小穂が小さい。 雷鳴がして、観光の方々が急いで立ち去って行った。 有名になったえのきの木。変わらず。 イヌコウジュが出ていた場所は立ち入りできなくなっていた。イヌコウジュが生えているようには見えなかった。 桜の小径の工事フェンスが撤去されていた。以前のように斜面が出ている。斜面は葛がだいぶ茂っていた。 路地の街。ばらが咲いていたのを見たのは今日だったか少し前だったか。 *** 何かを考えながらひとつ奥の筋を歩いていた。お家の木が道へ大きく張り出していた場所に差し掛かって、あの頃の様子を思い出した。 *** 以前は川土手にイヌコウジュが出ていた。出ているだろうかと来てみたが、何かマメ科の草が茂っていて、全体に草丈が高く、イヌコウジュが出ているようではなかった。ほんの何年かのあいだに変わってしまう。 街路樹のふもとに以前ツルボが出ていた。たぶんまだいると思うがまだ見当たらなかった。 種類不明のたんぽぽは出ていないようだった。 葛の花が咲いているなと思いながら歩いていると、斜面にクサギの花が。そういえばクサギのトンネルの場所に似ている。種類を知らない白い花も咲いていた。よくわからないつる植物も下りてきていた。 川土手を行くことにした。砂州が多い。潮の香りがする。 しばらく歩くと、以前コスモスを見た神社の所に出るのではという気がしてきた。そのとおりだった。コスモスが前のときよりも多く咲いている気がした。 とんぼを拾った。足が動いているような気がしたので、ともかく土のある所へ移そうと思って拾ったのだったが、そこまで来て、頭が無くなっていることに気がついた。草のあいだに安置した。 秋咲き在来たんぽぽはまだわからなかった。 残された桜は以前より樹冠がまるくなった気がした。隣の藤棚の藤が枝に絡んでいた。 むかしこどもたちと遊んだ公園。むかしこどもだった若い方々が座り込んで話をしていた。 こちらの秋咲きたんぽぽは花を用意していた。 この道を行くとたしかそば屋さんに出る、と思っていたらやはりそうだった。もう暗くなった。 車道拡幅のために歩道が一時的に広がっている。車道から離れた側しか通れない箇所もある。車道の側に草が残っている。いつか無くされるだろうけれど、そのいつかはまだだいぶ遠いのかもしれない。 もう中古車の販売店の前を通っても悲しくない気がした。ここの会社の店舗も騒がれ始めた。歩道の側に植え込みだったのではと思われる小さな芝地がある。ところどころぽつんぽつんとオヒシバが出ている。 新車の代理店の前はあまりいろいろと感じずに通った。ともかく、草を命じられて枯らすこともなくて済んだ人生だったのだからこれでよかったのかもしれない。 *** ホトケノザなど春の草を見た空き地が病院になりアスファルトが敷き詰められて、草が見当たらない。隙間も無い。その手前では隙間でツユクサが出ていた。その先では路傍にコスズメガヤが出ていた。 シロバナタンポポがいるはずの一帯はまだ気配が無かった。 *** グラウンドの隅に彼岸花らしき茎が伸び出ていた。 桐の木は花の用意をしていた。 たぶんチガヤだと思う葉がずっと続く道沿い。この景色から1本1本の草を感じ取って歩くのは無理のような気がした。では自分は何を見るのか。この景色は懐かしくないのか。そう思いながら歩いていて、チガヤの葉の下にウリクサがそこだけ固まって出て咲いているのを見た。 とても小さなどんぐりが落ちていた。種類がわからない。 駐車場のキツネノマゴは今年は出ていないようだった。 街路樹もみじばふうの場所はさらに掘削が進んでいた。ひこばえはもう全体が枯れたようにして、でもまだ残っていた。 草が倒されていた草が立ち並ぶ道は、ヒロハホウキギクがたくさん立ち並んでいた。私の背丈より高くなっているものも。ヒロハホウキギクの道。 塀が高かったお家が工事をしていたが、完全に更地になっていた。どうしても更地にしないといけないのか。 *** 桜の下はそこだけで生えている草がいたり、小さな生態系だと思った。 ツユクサのようで花がとても小さな草がいた。 桜が切られて新しく植えられた公園の、桜の切り株に枯れ葉が集められていた。もう1つの切り株には抜かれた草。新しく植えられた桜の根回りも抜かれた草でびっしりと埋められていた。 小さなイヌビワがずっといる場所のまわりにたくさんのイヌビワが出ていた。 ブロック塀の穴からムラサキカタバミの葉とエノキグサの雌の花が出ていた。 陸橋下のサボテンは完全に無くなったようだった。 草は揺れる木だ、と、どこかのヒメムカシヨモギを見て思った。 トイレに寄った公園で彼岸花を今年初めて見た。さっきは白彼岸花だった。 こどもたちの遊び場が整備されているくすのきの小公園の、オオシマザクラが伐られたようだった。短い丸太になった幹が近くに置かれていた。こどもたちが遊べるようになのだろう。切り株はひどく腐朽して空洞が大きかった。ひこばえが出ていないかしばらく探して、手前のつわぶきの葉の間からわりと大きく出ているひこばえを見つけた。このまま育ててもらえそうな様子だった。 小さなエノキといろんな草がいた小さな場所は建物の工事で無くなっていた。 ツルボが咲き始めた。 イヌコウジュも出ていた。咲いていた。イヌコウジュは今年は見られないかと思っていた。 おーいと呼ばれて振り返ると、くすのきの下のベンチからお二人がこちらへ手を振っている。見覚えがなくてまた正面を向くけれど反応する人がいない。また振り返ったけれどわからない。もう一度振り返ったときにその方がこちらへ歩き出すところで、以前通っていた食堂の旦那さんと奥さんだと気づいた。呼ばれてベンチに掛けた。散歩でここへ来ると必ずここに座ると。ここだけ風が吹いて涼しいとおっしゃった。 カンヒザクラのひこばえもいまのところ無事。帰りながらそろそろ草刈りが入るかもと思い、がんばって戻って柵を買って、とりいそぎ柵を立てた。 その途中でそのお二方とお目にかかれた。三叉路のキツネノマゴも咲いていた。 キッチンカーが出ていた空き地に建物が建ちつつあった。敷地の端のところどころに草が出ていたけれど、少なくとも片方の端には草は見当たらなかった。 *** クサギのトンネルの場所で、葛が街路樹のくろがねもちの枝に絡んでいた。葛のトンネルになりそう。それにしてもどうやって絡んだのだろう。 ツルボがだいぶ咲いていた。 福祉施設の犬走りでキバナコスモスがずらっと並び咲いていた。その下でハゼランが押されながら花を付けていた。 *** 並木のけやきの1本に伐採告知が掛けられていた。樹皮が大きく剥がれ、白い小さなきのこが出ていた。幹のうちの1つは枯れているようで、残りの幹の枝の茂りも少し薄く感じた。 コゴメガヤツリとカヤツリグサとクグガヤツリの復習をした。 すだじいの実が落ちていた。 よく晴れた。こんなに晴れた日は夏のあいだからいままで無かった。日が沈んでアンタレスが見えるのを待った。アンタレスはだいぶ西に見えていた。まわりの星はほとんどわからなかった。 街路樹もみじばふうが撤去された道。この前はもみじばふうの根が掘削跡に残っていたが、今日はその根を詰めたのだろう大きな袋が置かれていた。 *** 葛やアレチヌスビトハギが茂る中で彼岸花が咲いていた。どなたか植えられたのだろう。 小さなくすのきがいた道端の場所は敷地が分かれていたことに気づいた。ハゼランが小さく残っていた。 ここまで来たならと道を変えて、ツクシオオガヤツリの池を尋ねた。ツクシオオガヤツリは繁茂していた。ここはだいじょうぶだろう。鴨などの水鳥が池の端でゆっくりしていた。 大きなくすのきがだいぶ枝を切られたような感じで立っていた。全体が特別緑地に指定されているようだが個々の木は保存樹ではないようだった。 スズメノヒエが出ていた場所が遊歩道整備をしていた。 スーパーマーケット跡地は草が枯れていた。また薬が使われたのか。 ツクシオオガヤツリの生育地をまわった。まとまって繁茂している場所もあったし、葦が茂る中でひと株ふた株生きている場所もあった。 つるを伐られた藤はそのままだった。そのままにしておくしかないだろうとも思った。 お濠にそって、てんつきの仲間や小さなシマスズメノヒエが茂っていた。はすの香りもしていた。 ** プロック塀の下でイヌノフグリのように見える葉が出ていた。 *** あじさいがいた駐車場が改装されてしばらく経った。なんの緑も無い駐車場を横目に歩いた。 陸橋のアキノノゲシは刈られたあと茎が出てこない。近くで同じように丈の低いアキノノゲシを見つけた。 坂道は草の防除シートが道沿い部分がだいぶめくれて、タチスズメノヒエなどが伸び出ていた。たんぽぽはわからない。 小山は重機が取り崩していた。フェンスの向こうにアカメガシワの幼木の姿が見えていた。くすのきなどは見当たらなかった。 疲れて座ったベンチの前にスズメノヒエがいた。 街路樹植え枡のキツネノマゴは今年も出ていた。花が咲いていた。 小雨降る公園で十人近くの方々が草をむしっておられた。ここにもスズメノヒエがいるかもしれないと思った。 朝方急いでいたので、歩道の路面にいたみみずをそのままにして通り過ぎた。帰り道が同じ道になった。みみずは朝見たときと同じようなかたちで平たくなっていた。脇に移した。 街路樹もみじばふうのひこばえが枯れたのは、たぶん細根が出ている根が伐られたのだろう。工事はそこについてはまだ進んでいないようだった。 こぶしの小公園でこどもさんと親御さんがバドミントンをしていた。遊ぶ方々の姿が戻ってきた。 *** 秋咲きタンポポは思っていなかった位置で咲いていた。隙間にたどり着いて増えているのはいいことだと思う。 1本道で行けるはずなのでひたすら歩く。どこかかなりな街の中でエノキグサを見た。 以前思いがけずいろいろな草を見た中心街の交差点の歩道脇では草が枯れていた。 ツルボは穂のてっぺんまで咲いた株もあった。小さな穂が残っていてその花がもう少しのあいだ見られそう。 水辺のカゼクサがだいぶ刈られたようだったが、ところどころ穂が出ていた。 弾き語りの方の演奏を聴いていて日が暮れた。イヌコウジュの様子を確認して、お濠沿いを歩く。草の種類はもうわからない。 三叉路の枇杷が小さな芽をたくさん出していた。 *** 江戸期の歌人の方が住まっていた場所を通る。長く工事が続いている。フェンスにはこの場所の説明が掲げられていて、そこには草花とともに生きたという話も書かれている。工事している場所は草たちの安らぎの場所だったなといま思う。歩道脇にはえのころぐさが穂を掲げていた。 えのきの幼木たちがいた事業所の隅は改装工事で完全に建物とコンクリートで埋まった。 スーパーマーケット跡地に生き残ったヒロハホウキギクの姿があった。 診療所跡地は敷地の端に草がわずかに残っていたが、その敷地の端も人力で掘削していた。まだ掘削されていない位置にわずかに草が残っていた。 こどもさんが駐車場の外のブロック塀の下でエノコログサを引き抜いていた。親御さんがそんなにいる?と話していた。通りすがりに目が合ったので、ねこじゃらし、と言ったら、こどもさんと親御さんが声を合わせて、ねこじゃ〜らし、と何か節があるような感じで言った。 空が広い場所で、こどもさんが空を見上げながらどこかへ急いでいる様子で走っていた。空にはうっすら色づいてきた夕方の雲が浮かんでいた。 桜の小径の土手に立てられていたフェンスが完全に撤去された。土手の上は広くなったようだがそちらへはまだ行けない。土手の斜面はフェンスがあった頃は葛がたくさん茂っていたようだったが、だいぶ刈られていた。野菊らしき草が小さく固まって葉を茂らせていた。 *** 街路樹もみじばふうの場所はひこばえも無くされた。切り株も無くなった。 桜の下のキツネノマゴが咲いていた。 通りすがりのお家の塀の上に、大きなざくろの実が並べて置かれていた。その塀を過ぎると大きなざくろがたくさん生っていた。お家の方と目が合った。何でしょうかといぶかしげにおっしゃるその方に、いや大きなざくろだったので…と話すと、若いのに木を知ってるなんて珍しいね、とうれしそうに言われた。息子さんが木が嫌いで、ここを更地にすると言うらしい。ざくろをあげると言われて、目の前で1つ穫ってくださった。大きな実がぱっくり割れて、透明の膜に包まれたたねがたくさん見えていた。そのあとご近所の方が来られた。その方ともお話しする。やがてお家の方が桑の葉はいるかとお尋ねに。来られた方が、お茶にするといいとおっしゃる。蒸して乾かしてお茶のように煎れるらしい。炒ってもいいと言われた。桑の葉もいただいた。 こどもたちが集まって芋虫を見ている。親御さんの話だと芋虫は道を横断してきたらしい。スズメガの仲間のよう。道は渡り終えたものの、正面のブロック塀にぶつかってその先がぱっとしない。葉っぱに乗せて公園へ連れていくことにした。そのうち私の手に乗ってきて、こどもたちが騒いだ。芋虫は桜の木の根元に移した。葉っぱに隠れようとしていたので、後はそっとしておくことにした。 そのこどもたちが今度はどんぐりを拾い始めた。どんぐりはあらかしのようだった。この木はあらかしだったのだと思った。帽子がたくさん落ちていた。ほかのこどもたちも拾ったのだろう。 *** ひさしぶりの川の道。アカメガシワの幼木。ジュズダマがいた。下の川にはミゾソバがいるようだ。 国境を越えて、まだ入ったことがない道へ。 しばらく歩くと道沿いの斜面下がキツネノマゴの林になっていた。ケチヂミザサが茂るそのところどころにいろんな草がいる。この景色だけでいい道に来たと思った。 ため池は岸がコンクリートになっているか、岸があっても草が生えていない。 イヌコウジュかと思って葉をつまんでこすってその匂いを嗅ぐ。芳香が無い。どうもヒメジソのようだった。 見たことがない草。どう調べたらいいかの見当もつかない。 野草園と書いてある。コスモスが咲いている一帯を抜けると、キツネノマゴがいた。小さな池でかえるが飛び込む音がした。 ここには池があるらしいがまったく見えない。獣道があるようだったがここまでの道を歩く用意をしていなかった。あきらめて先へ行く。 ひさしぶりの池。オニバスの葉がいっぱい。向こうのほうにツクシオオガヤツリがまとまっている。ツクシオオガヤツリはどうも保全されているよう。何かの栽培植物のように整然と立ち並んでいた。白いさぎが見えた。 こちらの池はホテイアオイなどいろんな草がいる。その中に、それでもかなりの数のツクシオオガヤツリが見える。向こうのほうはすべてツクシオオガヤツリのようにも見えるが、見えているあたりだけかもしれない。判断は保留した。手前の岸で鶏頭がぽつんと花を咲かせていた。 こちらの池はとんでもない数のツクシオオガヤツリ。ほかの草も茂っているが、ツクシオオガヤツリだけで万のオーダーはまちがいなさそう。この地域のツクシオオガヤツリは心配要らなさそうだった。 やや小さな池もツクシオオガヤツリが岸辺に立ち並ぶ。 最後にさっきの池の向こう側の岸から見る。ツクシオオガヤツリがまるくまとまって茂るその単位がいくつも点在。通りかかる方と挨拶をするがそれだけ。日差しが強かったがだいぶ傾いてきた。 たんぼの中の道を行く。犬の散歩の方々がすれ違いそうだったが、その方々は手前の橋を渡って逸れていった。その先へ歩くと、彼岸花が赤白並んでいた。白く色褪せた彼岸花も。 ぐるっとまわって戻る。さっきの犬の散歩の方々と今度はすれ違った。 中古車販売店横の植え込みは以前と変わらずの様子。その少し先では柿の実が色づいていた。 アキノノゲシは時間が遅かったためか咲いていなかった。でもしぼんだ花はあり、日中は咲いているのだろう。 ここを日が暮れてから通るのもひさしぶり。虫の声を聴きながら見えない暗い道を行く。 くちなしの花が咲いていた。鼻を近づけた。香りがした。この香りをまた嗅ぐことができるとは思わなかった。少し元気を出して歩いた。 *** どこだったか思いがけない所でフウセントウワタを見た。 ヤナギバルイラソウがまとまって咲いているのをこのごろ所々で見るようになった気がする。 緑道のシロバナタンポポはハイビャクシンの場所では葉を広げていた。 つくつくぼうしがどこかで聞こえた。どこだったか。 公園の遊歩道を帰ろうと歩いていて、目の前の路面にルリタテハが降りてとまった。翅を広げた。あああんた翅がだいぶぼろぼろになったね、と、見て思ったまま口に出してしまい、写真を撮る間もなくルリタテハは飛び去った。ようがんばっとるねと言えばよかった気もしたが、それも嫌だったかもしれない。 たぶんどんぐりを拾っておられるのだと思った。話し掛けようかと思ったが、その方が無表情ですれ違ってきたので何も言わなかった。 すみれのプランターの所で作業の方がほかのプランターを扱っておられた。話し掛けようかと思ったけれどこちらもちょっと思いとどまった。 桜の場所は草が刈られていた。キツネノマゴのあたりは刈られていない。 街路樹もみじばふうの場所は新しく舗装が進められていた。ひこばえは無くなったが、そこからまた小さな芽が出ようとしているのが見えた。 *** 三叉路のキツネノマゴは元気だった。キンエノコロに囲まれるようにしていた。 スズメノヒエをご案内した。 旧裁判所跡の場所は入れるようになっていたが、駐車場とテニスコートだけのように見えたのでそちらへは行かなかった。 *** キンモクセイが咲いていた。 ここの街路樹くろがねもちの下のオシロイバナは黄色だったのかと思った。これまで何度も見たはずだった。 *** ひさしぶりに通る線路沿いの道。切り株にさらにたくさんの花が植え付けられていた。 カイヅカイブキのお家は窓から灯りが見えていた。 細い道に入って、ふと、何かものすごく懐かしい景色の中にいる気がした。その懐かしさをあまりたどりたくない気もした。 公園に置いた芋虫がどうなっただろうと思いながら横を通った。こどもさんがかくれんぼをしているように見えたが、誰が鬼かはわからなかった。 *** 切り倒された桜のひこばえのすぐそばからスズメノヒエが穂を出していた。 明るい公園をひたすら歩いた。今日も新規開放の場所には寄らなかった。 アカシアの葉が落葉を始めていた。路面に色褪せた葉が落ちていた。 *** クワクサをよく見る。今日はずいぶん背が高いクワクサを見た。 そして色褪せてきたエノキグサを見た。 街路樹もみじばふうの植え込み跡に再度出てきていた芽が無くなった。砂利が入れられ、ほかの所は舗装が始まっていた。 *** 荒れたお家の茂みに何かの品種のあじさいが咲いていた。 細道の住宅地。大きなキンモクセイの木に目が留まった。花がたくさん。ちょうどお家の方が帰ってこられた。挨拶をすると、このキンモクセイは大きくなりすぎて切ったんですよ、とお話しになられた。こんなにたくさん花がついているキンモクセイはあまりないですよと話した。また見ていってくださいとおっしゃられた。 犬走りの木々を切って薬で切り株を枯らした事業所は閉鎖されたものと思っていたが、室内灯が灯っていた。犬走りの端のほうで切られずに茂っている小さな木々を見ながら通り過ぎた。 ガソリンスタンド前の切られた街路樹けやきの切り株を、葛が覆っていた。 ムラサキカタバミやすみれなどいろんな草がそのときどきに出ていた角、アキノエノコログサがりっぱに茂っていた。 *** 桜の下に出ていたつゆくさのような草は、刈られたけれど株は生きているようだった。 公園の枝垂桜は葉がややしなびていたけれど元気ではあった。陽光桜も。 小さな水路のほとりのえのきは元気。こどももいた。ランタナが咲いていた。 ひさしぶりに川沿いを通った。キツネノマゴは気をつけて見ていなかった。イヌビユは出ていた。 市街地の道路のこちら側は草を取っていないようだった。 ステージで炭坑節が歌われていた。そのあと、ご当地の歌の弾き語りの方。 帰りに川沿いのキツネノマゴを探したけれど見当たらなかった。 *** 教会はバザーのようだった。 たまに桜の様子を見に立ち寄る公園の木が枯れているように見えて、立ち寄った。ひこばえがたくさん出ていた。 花壇になっている切り株に切れ目があるのか、ねこじゃらしの穂が差してあった。 公園はふうが落葉を始めていた。 街路樹もみじばふうのひこばえの場所は舗装の途中だった。重機の下をのぞき込んだが、ひこばえは出ていないようだった。 草を振り返って見た。 ** けやきの公園で休んでパンを食べようと思ったが、こども会の行事のような様子で公園に入りづらかった。そのまま歩いた。 すっかり暗くなった公園。ベンチで休んでパンを食べているとこどもさんが歩いてきた。やがて来たお母さんと遊具のほうへ行った。公園を出ようと歩いているとき、そのこどもさんらしきこどもさんがグラウンドでぺたっと座っていた。お母さんはいない。どうしたのかと思うが声を掛けようも無い。目が合ったので会釈した。こどもさんも会釈した。だいじょうぶなんだろう。そのまま行くことにした。 *** マンション前の銀木犀は花が終わりつつあった。香りはわからなかった。 高架下にいろんな木がいた場所は木々も無くなりさびしくなっていた。 自動販売機裏の柿の木の実がどうなったか見ずに通り過ぎてしまった。 公園のオオシマザクラのひこばえは見守ってもらっているとのことだった。 *** 夜にこの公園を通ってベンチで休むことが続く。今日はひとり休んだ。 *** たんぽぽが一輪咲いていた。 駐車場横のキツネノマゴは今年はけっきょく出ないままのようだ。 街路樹もみじばふうのひこばえを出していた株はまだ舗装されていなかったが、いつ舗装されてもおかしくない状態。舗装されても突き破ってひこばえが出てくるのではないかと思った。 ヒロハホウキギクが立ち並ぶ。刈り倒されるそのときまで立っているだろう。 *** 木々の話を終えて木々をひとり見て歩いた。ヒイラギモクセイも花が終わりつつあった。 スーパーマーケット跡地はまた薬が使われたような草の枯れ方だった。しかしこの前のときに気づかなかったのかもしれない。ヒロハホウキギクがところどころで生き延びて花を咲かせていた。 ビルの植え込みでコスモスが咲いていた。 *** 芝桜が咲いていた。 斜面からエノキグサのような葉が出ているのが見えて、近づいて見た。何かの幼木のようだった。 診療所跡の工事は敷地いっぱい進められていた。わずかにノゲシが残っている箇所があった。オニタビラコも見えていた。 土塁下のイヌコウジュは思いのほか数が多かった。 十月桜が咲いていた。近くに人がまあまあおられて、遠慮しながら写真を撮った。 公営住宅跡地はキバナコスモスがたくさん咲いていた。 *** コンビニエンスストアが少しの距離、移転したよう。そこの様子を見たついでにめったに通らない小道を通った。お家に柿の木。ここのお家の建物は昔のままのよう。 クワクサは1株が生きているようだった。 *** 行ったことのない道。住宅地だけれど圧迫感があまりない。山に向かって歩いているからだろうか。 池の公園。水辺を歩こうと思って道から降りた。ぬかるんでいた。小さなおなもみが生えていた。 一度だけ通った緑の中の道を行く。やつでの林。 そこから峠道を行ってみた。山道だけれど車が通る。峠を下り始めるとドッグランが現れた。犬さんが近づいてきたけれど手を振って通り過ぎていったら犬さんのほうも去って行った。 ここからいつもの道に出るとは思わない線路下。 道のこちら側をあまり行かない。いくつかの草に目を留めながら歩く。そしてねこじゃらしが目に留まった。 行きがけに小学校の校庭らしき所に大きな木が見えていたのでそちらへ行こうと道を変えた。だいぶ行って小学校をぐるりとまわった。見えていた木がどの木かわからなくなった。いちばん大きな木はモミジバスズカケノキだった。高かった。実も下がっていた。 峠を越えて帰ることにした。山に陽が当たっているだろうと。しかし陽は下がりすぎたのか、山肌をあまり照らしていなかった。そのまま歩いていると、黄色の田んぼが輝いていた。この景色のために歩いていたのかと思った。 暮れる峠を越える。黒い蝶がひらひらと飛んでいった。蝶は速かった。 明日の考えごとがあると、この前は歩いていて切なかった道もそこまででない。陸橋を行くその先に、暮れ空のシルエットになったぼた山がいた。 明かりで建物の形に光っている山の裾野の病院はしかし裾野よりはずいぶん高い位置のようだった。そこから出られないでいる方々、お世話をしている方々のことを思ったが、思えているとは思えなかった。 木星が山並みの上にいた。 小さな公園の桜のひこばえがどうなっているか、そちらへと歩いた。ひこばえはまっすぐ、大きく立っていた。涙が出そうだった。 夜の闇の中でコスモスが咲いていた。ときどき車のライトが花畑を照らし出していた。 ここで初めて町内放送を聞いた気がする。でも車の通行音で内容がわからなかった。 道のどこかで、お家が更地になっていたのを見た。悲しかったが、そのためか場所を思い出せなくなった。 いのししが出たというあたりを通ったが、通る頃にはひいらぎもくせいの香りがしていて、いのししのことが頭から離れていた。 *** 水辺のカゼクサは形が無くなってきた。こどもたちがお母さんを呼んでいた。 まだ1本咲いていなかったひいらぎもくせいが咲き始めた。 道端にエンジェルトランペットが低く咲いている場所。今日も咲いていた。 キバナコスモスも咲き続けている。 *** 春に咲いていた枝垂桜は少しだけ色づいていた。 再整備が予定されている市街地公園。そもそも再整備して今の広場公園になったのだった。芝生にはオオバコやアキメヒシバが生えていた。角のくすのきはさすがに残されるだろうが、ほかの木々はわからない。階段の脇のコンクリートの隙間からシマトネリコらしき幼木が背を伸ばしていた。 公園に鳥が来ているかと思ったが、まだだった。この暑さではさすがにそうなのだろう。 歩いていて何かが悲しかった記憶があるがどこの何だったかわからない。 街路樹もみじばふうのひこばえは暗くてよくわからなかったが、出てはいないようだった。 *** ツワブキがいる街路樹の根元もしばらく前に草刈りが入ったようだったが、ツワブキが茎を伸ばしてつぼみをつけていた。 キツネノマゴの三叉路は草刈りが入った。 八百屋さんの跡地は建物がだいぶ建った。道際のコメヒシバらしき草にさわった。 ** イヌノフグリが出てくるブロック塀の場所はどうも薬が撒かれたか草むしりされたようだった。イヌノフグリらしき葉が出ていたのだったが。 *** 公園の再整備が終わっていた。囲われた砂場が出来、東屋の一帯が造り替えられていた。大きな桜が1本なくなった。抜根されて砂利が入れられていた。 街路樹もみじばふうの跡。ひこばえを出していた株のところをまた見てみた。小さく緑が見えたが、草かもしれない。草だとしてもひこばえと立場は同じだ。 プランターは水やりがされていないようだった。 けやき並木の1本が撤去されたその場所で2人の方が何か測定をなさっていた。 さざんかが咲いていた。あれから季節が一巡したのかと思った。 桜並木を過ぎて、春に別の公園で桜の絵をこどもさんが描いたその保護者の方とお目にかかった。一言二言で失礼した。 営業所の手前。小さなセイタカアワダチソウが花を並べていた。 *** コンビニエンスストアの敷地周りが入れなくされていて、移転したのだったと思った。向かいのお家に赤い木が見えていたが何の木かまでは見なかった。 公園の木々のこずえを風が渡る音だけがしている瞬間があった。 もみじばふうの通りを通った。もう暗くて、生えている草もかろうじて見えるくらいだった。 *** ラジオ塔が海の上に建っているとは知らなかった。潮が引いて干潟に建っている格好だった。鳥たちが休んでいた。 歩いているとところどころに水があり、鳥たちが居た。ここはそういう場所なのだろう。 線路際にフウセントウワタ。 アキノノゲシが上のほうで枝分かれしていたり、帯化していたり、独特な様子の線路際だった。 町のグラウンドでお祭りのよう。その向かいのホットドッグ屋さんでチーズドッグを頼む。本職は画家とのこと。奥の壁にイカ釣り漁船の絵が飾られていた。 広い運動公園。木々を見て歩く。ひいらぎの花が咲いていた。ひいらぎもくせいよりきつい感じの香り。 移植されてきている木々。フェニックスが高く花を掲げていた。 浜辺に出た。若い方々が遊んでいた。この前来たときに腰掛けた流木にまた腰掛けた。 とてもひさしぶりに砂州に降りた。大きな何かの鳥の足跡。目の前の大きな橋とその下の海。海には鳥たちがたくさん浮かんでいた。 この前ここを帰るときは日が沈むのを見られなかったのだった。今日はあと15分くらいはある。 カリンバキットを作った公園の大きな正方形ベンチでそのカリンバを弾いた。 日暮れの紫の空に、高い雲。むかしだったら絵が描きたくなっただろう。でも今日はそうならなかった。かわりに心の中で、景色をなぞるように、音を鳴らした。 大学キャンパス跡地は周囲の道路が拡幅されていた。道沿いの草木はなくされただろう。ただ歩いた。 秋咲きたんぽぽは道の最後の株が花をつけていた。 *** スーパーマーケット跡地はぱらぱらと草が生きている。敷地の端で制服姿のこどもさんたちが親御さんたちのそばで遊んでいた。何か石を集めて積んでいるようだった。 クサギのトンネルだった場所で葛が伸びて街路樹のくろがねもちに絡まり、またトンネルのようになり始めている。葛のトンネルだと書いた覚えがあるけれど、クサギが実をつけているのを見た。やっぱりクサギのトンネルなのだと思った。 無くなるだろう三角区画でムクゲが咲いていた。 スズメノヒエを見に行った場所は草刈りがされていた。株だけになったスズメノヒエを見た。がっくりした。 城跡の土手で鳥を見ているらしき方々。声を掛けたかったがためらって、けっきょくそのまま立ち去った。 裁判所が立ち退いたあとずっと工事をしていて先日その場所が開放された。階段を上がってみた。だだっ広い駐車場。声を無くして立ち去った。 *** ひさしぶりに通る道で以前入った食堂を探した。もう無くなっているのを以前見たので無いことは知っていた。建物も無くなったようだった。 公園に新しく出来た施設はどうも事実上のカフェのようだった。 小川のほとりの木々は自分がここに来始めたころはまだ人の背丈が届くくらいだった気がする。ずいぶん大きくなった。 街に繰り出した。大道芸はさっき音が大きすぎて近寄れなかった。商店街はそこまで人が多い感じではない。 複雑な交差点のシロバナタンポポは葉がわからなかった。 バナナが植えられていたという場所もわからなかった。もう暗くなっていたので深追いしなかった。 *** キュウリグサだなと思って先へ行くと、道の反対側でこんどはハナイバナが咲いていた。 アキノノゲシの場所は何かマメ科の見たことがないような大きな草が立っていた。アキノノゲシは花は咲いていなかったがつぼみがあるようだった。だいぶ寒くなったのでこれから咲くことがあるのかどうか。 川へ続く道沿いではホトケノザが咲いていた。そう言えば昨日どこかでナズナが咲いていたのだった。 河原は陽の光に満ちていた。私が歩くと砂州の鳥たちが去って行った。 とてもひさしぶりの池のほとりを歩く。ほとりと言っても柵が有り、コンクリート斜面。その向こうで鴨が鳴いていた。 大きな公園は人が少なかった。けやきが少し色づいている。その下におられた方が、私が腰を下ろして間もなく立ち上がって去って行った。 たまたま通りかかった旧宅で写真展をしているということで入った。感じの良い方が説明してくださった。庭の槙の木を伐ったそうで、切り株を見た。ひこばえは出ていないが椿らしき幼木がひこばえのように伸びていた。 大雨を浴びながら歩いた道を反対方向へ歩く。何か取り返していくよう。遠い山は思っていたよりさらに遠くの山々のようだった。 入った小道に神社。その境内に大きないちょうとさらに大きなくすのき。境内に入って木を見上げた。大きかった。 そうして寄り道していたので列車を逃した。日がどんどん傾いていく無人駅。 緩衝帯というのか、シロバナタンポポが咲いていたようだった。ここのシロバナタンポポを初めて見て10数年にはなる。そのあいだ、代は替わったかもしれないが、ずっとここにシロバナタンポポは居続けていた。そうかんたんには草は居なくはならない。そう思いたい。 この前ライブをやっているようだったお店は今日もライブのようだった。外から眺めているとお客さんから、次にはお店の方から、声を掛けられた。お金がないからとは言えず、時間がないのでとお誘いを断ったが、お金があったらいつか立ち寄りたい。 昨日は大道芸の会場になっていた公園は静かになっていた。若い人たちがぱらぱらと集まって何かしていた。通り抜けた。 *** 空き地になっていた場所に建物が建っていた。その先の空き地では建物が建ちつつあった。 街路樹もみじばふうの場所は舗装や舗装剥がしが進められていた。ひこばえはもうわからなくなった。 営業所も工事が進んだ。樫の木のあたりも整地と舗装がされて、残っていた草も無くなった。建物の脇のゼラニウムも無くなっていた。 *** 街路樹の切り株に何か観葉植物のような葉が出ているのを前から見ていたが、だいぶ大きくなっていた。 けやき通りは色づくというよりだいぶ落葉が進んでいた。ところどころで違う木や草を見かけた。 オランダミミナグサが咲いていた。 土塁のイヌコウジュの場所が草刈りが入ったようだった。イヌコウジュはもうわからなかった。 *** 実を大きく実らせたクワクサ。 水辺でオカリナを吹いていて、水面をやってきた鴨が私の目の前でがああとひと声鳴いて去って行った。 帰り道はきつかった。マンションの植え込みのイヌビワ幼木にちょっと触ったことだけを覚えている。 *** 公園の桜は真っ赤になるまでもう少しの感じだった。 いつもと違う道を行く。大きなお屋敷の前を通る。もみじ、さざんかがとても大きい。ひょっとして向こうの道から見えていた大きな桜はこのお家の庭だったのだろうか。 公園のふうの木立ちに入る。見上げると色とりどりの葉。ふと思って眼鏡を外すと、きらきらと輝いてクリスマスイルミネーションのようだった。イルミネーションを見なくてもここでいい。しばらく見つめているうちに、日が傾いてきたのか、輝きが少し薄れてきた。 広場に出た。この前のときよりも日が傾いていた。 桜並木は真っ赤になっていた。 街路樹もみじばふうの道は歩道の舗装が剥がされていた。もみじばふうのひこばえの位置も均されていた。 小公園のこぶしが色づいていた。 *** かいのきは遠目に見てもひこばえが出ていないのがわかった。 畑の手前でホトケノザがたくさん咲いている。そこにモンキチョウ、ツマグロヒョウモン、そしてモンシロチョウが来た。 かいのきを訪ねた。朽ちた切り株に触れた。もう1本のかいのき切り株は倒れていた。 土塁の大くすのきは元気だった。 桜の公園を通ったのは夜だった。まだ緑が残っているようだ。向こうでは灯りの下で親御さんとこどもさんが遊んでいた。 *** 2つ信号の場所は今年後半はとうとう草が出なかったようだ。 スーパーマーケット跡地はヒロハホウキギクも枯れていた。1本だけ小さな株が花を咲かせていた。 けやきの道は学校の生徒さんたちが繰り出して落ち葉かきをしていた。 都心公園ではクリスマスツリーを設置する工事をしていた。ツリーの下のほうだけイルミネーションが光っていた。 この街がこれからどうなるか。角のイヌビワが小さくなったが、株が増えていた。 *** ひさしぶりの公園ではもみじが深く色づいていた。 公園跡地に沿った歩道はいちょうの落ち葉が中央に集められていた。中央には点字ブロックが走っているのだが埋もれていた。 ヒマラヤスギは枯れたようだった。隣のヒマラヤスギが深く茂っていた。 市街地交差点の柿の木は実が少し生っていた。残っていたのだろう。 ここに何か幼木が…と思いながら信号を渡り始めた。えのきらしき幼木をちらっと見た。 *** カーブ緑道にさしかかる植え込みは草がみごとなほどにむしられていた。シロバナタンポポらしき葉がかろうじて小さく出ているようだった。 その先ではシロバナタンポポがすでにタネを飛ばした跡があった。 公園のふうの木立ちはすっかり色づいた。輝いていた。輝きが失せてから絵に描ける気がしてきた。 帰り際に夕焼け雲がきれいそうだったから広場に出て見てみようと思ったが、近づいていくほど木々で空が見えなくなった。反対に遠ざかったほうがいいかと思い、帰り始めた。振り返るとメタセコイアの木立ちの上に夕焼け雲がたなびいていた。 色づいたら絵に描こうかと思っていた小さないちょうの木がよく色づいていた。緑が少しだけ残っているが、描くならもういまのうちだ。ラジコンを操縦しているらしきこどもさんの車が横を走り抜けていった。 さざんかの木に何かいると思ったらこどもさんが登っているのだった。さざんかが咲いているから登りたかったのかなと思った。 街路樹もみじばふうの歩道は舗装されていた。植え込みも無い。この道を歩くのはつらくなりそうだと思った。 草が立ち並ぶ道。彼らこそが仲間だと思った。 *** ここのお家の方が桜の説明会のときに怒っておられたのだったか。門扉の所の植え込みにクワクサがいた。 たんぽぽの綿毛を写真に撮った。 いちょうの並木道を歩くと、いろんなことを考える。今日は、人はどうあれその環境といっしょに暮らしていく、折り合っていくことを覚えなければならないのかと考えた。 街路樹植え込みのキツネノマゴは生きているようだった。 公園のいちょうは昨日とそこまで変わっていない。ふうの木立ちは今日も輝いた。 ラクウショウは落葉がほぼ終わっていた。 駐車場入口は草が刈られているようだった。チカラシバは今年はけっきょく見なかった。 さざんかが今日はしずかに咲いていた。 草の立ち並ぶ道を行く。 *** 桜の木が植え替えられた小さな公園の残った桜は、枝があちこち落とされたようだった。薬を塗ってくれたらいいのにと思った。 ビルの間を抜けて小さな公園を通り抜ける。自分はやっぱり緑がある所がいい。松の幹に触れて公園を出た。 こちら側よりは川の側を行こうと道を変える。街灯の無い歩道で2人の方がそれぞれ携帯を見ているようだった。川のほうでは空き缶をつぶしている方がおられるようだったがよく見えなかった。 以前はアキノノゲシが出ていたのだった。駐車場の端にアキノエノコログサらしき長い葉が倒れるようにして伸びていた。 ** イヌノフグリの場所はホトケノザが出てきていた。 *** クサギのトンネルの場所でつわぶきの花が咲いていた。 お寺のいちょうがみごとに色づいた。 斜めの細道でクサギの花が咲いていた。 落ち葉をかくと芳香がした。 八百屋さんの跡地はまだ工事中。手前の端にノゲシの葉が出ていた。角ではかたばみの葉も。 排水溝のくすのきは姿が見えなかった。もう暗かったので網の下には見えているのかもしれない。 *** 縁日はぎんなんと栃の実を売る出店は今年も出ないようだった。 たんぽぽがよく咲いていた。 桜の公園の桜は上のほうから葉が落ちてきた。 十月桜が咲いていた。葉が落ち切っていないまま。 道端の小さなせんだんは枯れたようだった。 *** むかしは歩いていたけれどいまはめったに通らない道。畑を過ぎるとヤナギバルイラソウがずらっと並んでいた。 枯れた小さなせんだんのところに小さな葉が。どうもホトケノザのようだった。 その少し先の道端では白いオキザリスの花が咲いていた。 公園のいちょうが枝折れしていた。引っ掛かっているのですぐに落下はしないと思うが、取り除いたほうがいい。 桜は近くで見るとだいだいや赤や緑と赤の中間や複雑な紅葉をしていた。 行きがけに見たオキザリスのところにクワクサも出ていた。 ヤナギバルイラソウのお家はいろんな植物がいそうだった。ボタンクサギの花が並んでいた。いちょうの葉が落ちてきた。 猫がよくいるところにアカメガシワの幼木がいた。 *** 城跡の土手のえのきの切り株にとても大きなきのこがたくさん出ていた。 スズメノヒエはだいぶ枯れていたが、新しい穂が1つ出ていた。 戦後に出来た住宅地は撤退が進んでいるようだった。判別のつかないたんぽぽが咲いていた。 公園を一周以上した。 山の公園のシロバナタンポポは咲いていない。 イヌコウジュがたくさん生えている。と思って葉をつまんで香りを嗅ぐと、匂いが臭い。ヒメジソのよう。むしろヒメジソが多い。イヌコウジュらしき株も見つかったが、もう葉が枯れているためか芳香がしない。それでも昨年とはうってかわっての状態だった。 キツネノマゴのほうがおされている感じだったが、それでも数は出ていたと思う。 山桜の枝がだいぶ短くされていた。 今日のめあてが得られず途方に暮れて歩いていて、道端の枯れかけた草に目が留まった。何の種類かわからない。ふと、この草を見るために今日はここに来たのだ、と思った。少し赤く枯れていた。 緑道のイヌコウジュはイヌコウジュだった。 スーパーマーケット跡地はヒロハホウキギクも枯れていた。ただ1株、わずかに緑味というか紫がかった緑を残していた。花か綿毛かよくわからなかった。 高齢者施設だと思う立派な建物の前を複雑な思いで歩く。植え込みも立派だが草はほとんど生えていなかった。かたばみが見えた。 空き地ができていた。ホトケノザなど、もともとそこにいたのだろう草がぽつぽつと生えていた。 駐車場になった公営住宅跡地。壁が残されていていろんな草がいた。 自動販売機裏の柿の木は紅葉しつつあった。実は無かった。 歩いた覚えが無い道を含めてジグザグに進む。学校横の緑地で作業をなさっている方が。たぶんそこの木が飾られているのだろうクリスマスツリーが並んでいた。 銀杏並木だとは知らなかった。とにかくたくさんの葉が積もっている。道沿いのお家の方がお庭のいちょうの落ち葉をはわいていた。 小さいけれど深い緑のコーナー。残っていてよかった。 とても大きなカイヅカイブキだったと思うがそうではなかった。主幹が切られたのか。それでも大きいと言えば大きかった。 桜の絵を描いたりした小さな緑地にこの時間に自転車でどなたか乗り付けて休んでいる。でも私のような人かもしれなかった。 ** イヌノフグリの場所はトレーニングをしている人がいて近づけなかった。石垣のほうは出ていない。 *** 秋咲きたんぽぽは綿毛の茎を立てていた。 公園のふうの木はだいぶ落葉してきた。木立ちの下で落ち葉を集める方がおられた。 かまきりが舗道の上に。車が出てきて通過していった。かまきりをハンカチで追い立てて歩道の脇に行ってもらった。 以前立ち寄った神社がちらっと見えた。いちょうがみごとに色づいて立っていた。 山が陽を浴びている。 博物館の林はコナスビの葉が出ていた。すみれの仲間もいるようだった。 竹田のまちなかに似ていると思った。 畑が西日を浴びていた。お家の方らしき方が塀にもたれながら西のほうを眺めていた。 *** 八百屋さんの跡地はクレーンが作業していた。ノゲシのロゼットをちらりと見て通り過ぎた。 桜の紅葉もだいぶ散った。メタセコイアも落葉が進んでいた。 公園のカンサイタンポポの生息地あたりでショベルカーが作業していた。掘削なのかと思ったが、水路の浚渫をしているようだった。 十月桜がぱらぱらと咲いていた。 *** 雪。 初めて通る道。高架下をくぐり抜けると雪の中でくすのきが立っていた。 畑のあぜでホトケノザが咲いていた。畑に雪が舞うこの景色がなぜか懐かしく感じた。 さざんかが散り積もっていた。 むくのきらしい。空き地にそびえ立っていた。葉が全体の半分くらい落葉し、残っている葉が幹を蔦のように覆っていた。 林が雪で鳴っていた。 急に日が差してきた。雪雲をバックに史跡広場の向こうの木立ちが照らし出されて、何か北海道の風景写真のようだった。立ち尽くして眺めた。 てんぷら屋さんにお客さんが来られていた。 *** この道に入ると、以前あった大きく道に木が迫り出したお家を思い出す。いまもあるんじゃないかと思ってそちらを見る。 こどもたちが帰っていく。静かな小径はいまも緑が豊かだった。工事もされていた。 診療所跡地はいよいよ草が居られる余地が無くなってきた。オニタビラコのロゼットが小さく並んでいた。 イヌコウジュは花が咲いていた。 大きなサボテンが出ていたお店の前からサボテンが無くなっていたが、小さなサボテンが出ていた。 八百屋さんの跡地も草がわずかに生えている。ノゲシを見遣って通り過ぎた。 公営アパート跡地の空き地を通り過ぎる。立ち枯れている草。 もみじばふう。行きがけに下を歩いていると実が落ちてきたのだった。今度は足を引っかけた。根が出ているのだった。触れてから立ち去った。 *** やはり違うまちは違う草がたくさん居る。ロゼットはカラクサナズナらしい。 以前来た時と同じ道を通る。ここ(裁判所横)の草も見た記憶がある。 水辺の木々も変わらないよう。 城跡のお地蔵さんは造花などさらにお供えやお飾りが増えた気がした。シロバナタンポポは元気そうだった。 くすのきも元気。 新しい大きな橋が掛かったためか土手へ登る坂道の感じが変わった気がした。 お寺にこんな大きなフェニックスがいたのを意識していなかった。 道端のガザニアも見ていた記憶がある。 橋を渡る。海へと向かう川が明るかった。 あずまやが無くなっていた。むかしはそこで将棋をしていたのだった。 公園の遊具がことごとく使用禁止になっていた。 土手の下の道を行く。見たことのない種類の草が花を咲かせていた。 流木アートの作業場らしい。 せんだんの木だろう。川の向こうの傾き始めた太陽。 バスがある場所まで歩く。通りすがりに山羊たちに手を振った。うれしそうに来る山羊もいて、大声で鳴く。手を振りながら去ると、そのあいだじゅう鳴いていた。かえって申し訳なかった気がする。 この前は向こう側の道を歩いたのだった。こちらはこちらで。 バス停が見つからず、バスを逃した。暗くなった遊歩道を歩く。以前に見た木々が道沿いにそびえる。日が沈んだ西空が赤かった。 角のシロバナタンポポは引き続きそこで生き継いでいるようだった。 ** ひさしぶりの道。1か所イヌノフグリが出ていたのだけれど、土地の様子が変わった。敷地の端にホトケノザがいた。 こちらのお寺の前にイヌノフグリがいたけれど今日は見当たらなかった。ホトケノザが出ていた。 *** 水路沿いを行く。大きな木だと思いながら横を通ると、どうもいくつかの種類の木が株立ちしているようだった。 商業施設近くのアキノノゲシは刈られたようだったが、歩道の車道側にアキノノゲシがたくさんいた。つぼみをつけている株も。赤いあぶらむしもたくさんついていた。 ** イヌノフグリは数が増えたようだった。しかしそれ以外の場所では見当たらなかった。 *** オガルカヤもメガルカヤも今年も出ていたようだった。 埋立地のキツネノマゴは見あたらなかった。すでに枯れたのかもしれないので出ていなかったのかどうかはわからない。 警備の方々が立つ道を行く。行く手に大きな月が出ていた。何かの照明のようだった。 枯れた蓮の葉が水面を埋め尽くしていた。 三叉路の小さな枇杷の木は花が咲いていなかった。 旧小学校の新しくなった庭にはまだ一度も入っていない。旧校舎横のえのきを見遣って先へと歩いた。 都心公園はクリスマスツリーもサンタさんたちもいなくなった。もみじばふうもだいぶ落葉しているようだった。 *** 草が立ち並ぶ裏道では草が刈り取られていた。いくらかの草が残っていた。 もみじばふうの道は舗装が終わっていた。植樹帯は無くなった。 桜の下のキツネノマゴはいくらかの株が生きていた。 大きな桜の跡地のマンション前で十月桜がぱらぱらと咲いていた。 見ていた木や草が生きているのを見て歩くだけで救われる気がした。角のくすのきも元気にしていた。 フラサバソウだったかホトケノザだったか、通り過ぎたらもうわからなくなった。 シロバナタンポポがいたはずだと思って高架下を歩くと、フウセントウワタがいた。 カーブ歩道のシロバナタンポポは、いつも草むしりされている場所ではロゼットがわずかに生え、ハイビャクシンのほうはわからなかった。 踏切のくぬぎ幼木は葉の色をすっかり変えていた。 公園のふうの木は葉をまだだいぶ残していた。メタセコイアは葉を落としていた。 日が沈む。 けっきょくこの界隈のキツネノマゴは今年は見つからなかった。 お家の横の小さなさざんかが花を3つほど咲かせていた。 もう一度、もみじばふうの道だった道を歩く。 駐車場の脇に草がいろいろ出ていた、その駐車場に工事が入っていた。草の姿は無くなった。 *** 川に浮いている水草が苔のようだった。種類は遠くてわからなかった。 公園のシロバナタンポポは咲いてはいなかった。それらしきロゼットは出ていた。 ガザニアの道を行く。 公園を取り壊した工事はまだ続いているようだった。近くに行くことも無理なようだった。 ある頃から突然出来た大きな空地。たんぽぽが一輪、綿毛を広げていた。 春の小径はホトケノザやナズナが咲いていた。草が刈られたのか全般に草丈が短かった。キツネノマゴは見つけられなかった。 ****** 草木往還 目次 そらのべ