草の写真 草のあしおと そらのべweblog 2022年〜2023年



草のあしおと 2022年〜2023年

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緑と黒のまだら模様のオカリナ  こどもの頃に誕生日プレゼントとして買ったオカリナを今日取り出して吹いた。あの頃にはわからなかったような息の入れ方ができて、思いもかけない強い明るい音が鳴った。  年をとる、ということのいくらかは、そういうふうなことなんだろう。   2023 12/31 年の瀬に ソシンロウバイの花一輪  蝋梅(素心蝋梅)の花が咲いていた。   2023 12/31
メタセコイアの木立ち 冬姿になってきた  お昼。あたたかい。公園は静かな休日の雰囲気。オカリナを吹く。小さなこどもさんが落ち葉をかさかさ踏み鳴らしながら歩いていった。   2023 12/30
メタセコイア、ふう、やまももなどの木々 夕方  ひさしぶりに公園に来た。    オカリナを吹いて休んでいると、何か金管楽器らしきケースを運んでいく若い方々が通っていった。もうひと息オカリナを吹いていたら、その同じ方々が同じ方向からやってきて、同じ方向へ歩き去っていった。    オカリナを吹き終えた後、しじゅうからの声が、ちちぴい、ちちぴいと聞こえていた。   2023 12/29
ラジオのダイヤル盤面  毎年この時期、むかしの短波ラジオのスイッチを入れて何の放送を聴くとも決めずにダイヤルを回す。いまはBBCのワールドサービスが聞こえている。  短波放送の数は以前にくらべると減ったけれど、いまも近隣諸国の放送を中心にそこそこ聞こえる。    放送にかぎらず、聞こえてくる音は雷や電子機器のノイズを除けば、みなどこかから発信された電波。それもあまり近くでなく、どうかするとここから何千キロか離れているような場所から、空へ放たれた電波。    以前は無線を熱心にやっていた。自分もいまこうしてラジオに届いて聞こえてくる電波のひとつだったのだと思う。  いまそんなふうに、自分の電波を放つように、外で楽器を鳴らしている気が少しする。パブリックピアノを弾いているのもそんな感じのことかもしれない。   2023 12/26
記事の紹介 ★ 音楽ブログ『或る草の音』に、ストリートピアノ(パブリックピアノ)を弾く方々についての記事を続けて載せた。ストリートピアノはさまざまな方が弾いていて、さまざまな音楽が聴ける場だけれど、SNSなどを読んでいるとそういう場の実際が世の中であまり知られていないように感じる。そうした話をいくらかでも書き記して、そうした公開楽器やそうした場について考えてもらえる足掛かりになれたらと思っている。 街角のピアノに踊る - 或る草の音 ストリートピアノの風景 その場の音と人と出来事と【2023年夏】 その1 - 或る草の音 ←その5まであります ストリートピアノでさまざまな方々の独特な音楽を聴いて、考えたこと - 或る草の音 ★ 以前ブログ『道の記《一筆箋》』に書いていた、出先で出会った草や木などをめぐる短文を、その後も自分の手元でずっと書いていたけれど、それをここのサイトに載せることにした。2020年の途中からブログに載せていないので(断続的に投稿したものはある)、当面はそれ以降のものを載せていこうと思う。いま現在は2022年の1年間の文を掲載済み。 こちらも、ひとの身近で生きて暮らしている草や木の姿がいくらかでも書き留められたらと思っている。 草木往来 2023 12/18
冬空の下の木々  あずまやでオカリナを吹いていたら、こどもさんが私のすぐ前までやってきた。きりがいいところまでと思ってそのまま吹いていたら、帰らなきゃみたいなひとりごとを言って走っていった。     雪雲の手前に明るい林 影  明るくなった。寒風の中、ムックリを鳴らした。   2023 12/17
明るい水辺  ムックリを鳴らしていたら亀が来た。いかにも何だろうとこちらを見ている感じだった。   2023 12/9
いちょうの絵 いちょうの絵  今日は絵を描いた。   2023 12/3
11月の近況ほか ★ 11月23日にゆるゆる散歩をした。ブログ「道の端から」のほうに書いている。ゆるゆる散歩はこのごろは、むかしからご一緒くださる方々や最近来てくださる方々と、ゆっくりペースで公園内やその近くを歩いて、そこにいる草や木をぽつぽつと見ている。来年も年4回ほど散歩できたらと思っている。 ★ 11月3日に篠栗の駅ピアノで一般の方々が演奏する音楽会が開かれて、聴きに行った。今回は駅の隣の商工会の敷地が会場になり、ピアノだけでなくギターや鍵盤ハーモニカなどいろんな楽器と歌声で、さまざまな年代の方が演奏なさった。アットホームというかアットコミュニティみたいな雰囲気もあって、天気もよく楽しい音楽会だった。 11月19日にはイオン小郡のストリートピアノの場で、ピアノ教室に通っている方々の演奏を聴いた。そこのピアノの場で以前に知り合った方が演奏なさって、お人柄が表れたような演奏に会場の方々が拍手を送っておられた。 各所のパブリックピアノ(ストリートピアノ)を訪ねて聴き弾きしているけれど、だんだんと聴くのが主になってきた。いろんな方のその方なりの演奏を拝聴できるのがしあわせ。音楽ブログ「或る草の音」のほうにこのごろパブリックピアノ関連の長い記事を何本も載せているけれど、さまざまな方のさまざまな音楽が聞こえるパブリックピアノの場であってほしいと思う。 ★ カリンバや鉄琴など小物の楽器を自由に鳴らしていただける音のオープンアトリエ「おっとんこっとん」を、6月と8月に続いて11月も1回開いた。でも今回もご利用は無く、何かコンセプトや仕方を変えたほうがいいのか、そもそも自分がこうした場を設けることでどういうふうなことになったらいいのかを自分に問い掛けながら、再検討している。 ★ 特定の場所の草や木のことに関わるようになって、自分の生活がそれによってだいぶ方向付けられる面が出てきた。父母のこれからのこともあり、なんとかさらに収入を得られる道を探しながら続けるべきことを続けていきたい。 このサイトやほかのブログなどで書いている草木のことと音楽のことが、やっぱり自分の屋台骨になっていてこれからもそうだろうと思う。そうしている中で思ったこと考えたことを書き綴っていくのが自分のライフワークというか、何かの役目のような気もしている。いまはそれぞれの踏み込んだことは各ブログ(ツイッターやインスタグラムも使っている)でやっているけれど、ここのサイトでもコーナーを作って少し踏み込んだことを書いていこうかと思っている。 ★ 秋までは虫の声を聴いていた。冬場は鳥の声がうれしい。たまに晴れるとうれしいし、そんなときにほとけのざのような春の花の草が咲いているのもうれしい。年の暮れには蝋梅も咲き始めるだろう。そうしたことにありがたく寄り掛かりながら、この冬をこつこつ暮らしていきたい。
林 あずまやの屋根  裏山の林に少し大きなこどもたちが入っていった。木のおかりなでさんぽを吹いた。歌声が聞こえてきた。   2023 11/26
紅葉したふうの木立ちを見上げる 光  ふうの紅葉がきらきら輝いていた。ひと月先のクリスマスの歌を吹いた。   2023 11/25
水辺 向こうにゆりかもめの群れ  オカリナでWhat a wonderful world を吹いていたら、鴨が近くに来てひと鳴きしていった。    暖かい秋の日。   2023 11/23
海辺 流木の上のオカリナ  ひさしぶりに来た浜辺。水面に浮かぶ鳥。先だって訃報を知った歌手の方々の歌を、オカリナでおもいきり吹いた。 2023 11/12
メタセコイアの木立ち 少し色づく  音のアトリエを終えて公園へ。オカリナを吹く。木々のこずえを風が渡る。秋の森の香りがした。もうじき木枯らしが吹くだろう。   2023 11/11
メタセコイアの木立ち 秋の空  公園で秋の歌を吹いた。少し休んでいると、犬の散歩で通り過ぎていく方が振り返って、オカリナですか、きれいな音がしてました、とおっしゃってくださった。    次は自分がどなたかにそう伝える番なのだと思う。   2023 11/9
色づく木々 西日  マルシェでライブを聴きストリートピアノを聴き弾きして、連休最後にいつもの公園に来た。オカリナで秋の曲を吹いた。  からすが鳴いている。親子さんたちが帰っていく。向こうからサックスの音が聞こえてきた。   2023 11/5
 だっでんカリンバ、今日は5組の方々がカリンバ類を鳴らしてごらんになりました。御礼を言ってくださったり、アフリカの雰囲気になりましたとおっしゃっていただいたり、お国の歌を弾いてくださったり、すてきなひとときを過ごさせていただきました。ありがとうございました。   水辺のカリンバ類 2023 11/4
近況の話いくつか ・六本松の木と草について、おもに地元の方々を前に講話をする機会をいただき、お話しした。自分が知っているむかしの草木の様子といまのことを話しただけだけれど、それだけでも意味はなにかしらあったろうかと思う。機会を与えていただけたことに感謝しています。 ・40数年来、先代含めて仕事の上でお世話になった先生が引退なさった。自分が教わった先生でもあり、ほんとうに長くお世話になった。今後もお話しする機会が続くけれど、ともあれ、ありがとうございました。 ・ここでも少し書いているけれど、大きな公園で通りすがりの方々に楽器のカリンバ(類)をご興味しだいで気ままに鳴らしていただく「だっでんカリンバ」というのを昨年から始めた。次回を今度の11月4日に予定している。SNSやブログでもおしらせを書いているけれど、通りかかった方が1人でも2人でも楽しんでいただければと思っている。また、カリンバにかぎらずいろいろな小物楽器を少しだけ持ち歩いて、公園などのちょっとした場所で風呂敷を開くように置く「どうぞのがっき」というのも最近始めた。地味に続けていけたらと思う。 ・室内でいろいろな小物楽器や音具(鳴り物)を鳴らして音遊びができる音のオープンアトリエ「おっとんこっとん」を今年の6月から始めた。11月にも1回実施する予定。こちらは有料で、仕事の一環としてやっていきたいと思っている。ここのサイトのトップページにインスタグラムへのリンクがあるので、ご関心おありの方は一度ごらんください。 ・自分自身の音楽はぽつぽつとしたものしかできなくなっているけれど、ぽつぽつと自分なりの音楽をやっていきたい。   2023 11/3 未明
水辺の夕日  今日は亀が来てくれた。秋の子を吹いた。   2023 11/1
月を望む望遠鏡  十三夜のみちばた観望、途中で月が雲に隠れたり雨が降ったりしたけれど、見えているあいだはいろんな方々に月をごらんいただいた。  今回はうさぎさんの話をなさる方がこどもさんもおとなさんも多かった。うさぎさんが知ったらよろこんでくれるだろうか。   2023 10/27のこと
広い空  空の広い公園で8音カリンバを鳴らす。フレーズというより小さな曲になった。  公園の桜は一時期弱っていたが、介抱されていまは元気になったようだ。遊ぶこどもたちが駆け抜けていく。いい日になったらと思う。   2023 10/21
メタセコイアの木立ち 向こうにふうの木の紅葉 太陽  オカリナで昴を吹いた。    鳥の声と虫の声。遠くで遊ぶこどもたちの声。   2023 10/18
メタセコイアの木々の下に手製のあんどん  今日はお祭り。この公園で知り合った弾き語りの方が出演なさる市民ステージを聴いた。熱い歌声だった。  いつもの場所でカリンバ類を鳴らす。通る方々で遊歩道はにぎわっている。カリンバの音はここに少しとどまって、風に抜けていく。金木犀の香りがする。   2023 10/15
シナサワグルミの木を見上げる 青空 白い太陽  月末に一時閉鎖されるという都心公園。岩に腰掛けて8音カリンバをフレーズを編みながら鳴らす。  公園の方々はそれぞれ間合いを取って休んでいる。こどもさんがすぐ隣を通り過ぎていった。お散歩らしい。   2023 10/11
メタセコイアの木立ち 少し緑が薄まった  金木犀の香りがする。    オカリナを吹いて焼きそばパンを食べて竹カリンバを鳴らして、帰ろうと歩いていたら、目の前の路面にルリタテハが降りた。翅を広げている。ああ、あんた翅がだいぶぼろぼろになったね、と見て思ったままが口に出てしまい、ルリタテハはさっと飛んでいった。ようがんばっとるねと言えばよかった。でもそれも嫌だったかもしれない。    昨日の歩きの最後で足を痛めた様子。私も今日は少しがんばってここにやってきたけれど、あのルリタテハとはくらべものにならない。もう少しだけ休んで帰ろうと思う。   2023 10/10
里山の中の草地 苗木  まだ目的地に着かないけれど、みちすがらいろんな草を見た。  ひと休みして木のおかりなを吹く。秋の子、とんぼのめがね。とんぼがさっきまでいたのになと思ってあたりを見まわしたら、私が座っている長い木のベンチに一緒にとまっていたようで、飛び立って少し離れてまたとまった。   2023 10/9
水辺の夕日 松の枝  遠くからオカリナに拍手をいただいた。ありがとうございました。 2023 10/1
草や木を見ているとき、それはその草その木が生きているのを見ているのだろうけれど、ふと、その草その木が「生きたい」のを見ているのでもあるだろうと思った。   桜のひこばえ  2023 9/27 (2023 9/21のツイッター投稿を修正転載)
 いっとき降った雨が上がった。窓の外であざやかな光が一点見えた。木の枝のしずくに日が当たっている。ひさしぶりに虹の滴を見た気がした。  写真に撮りたくなって撮ろうとしているうち、日が陰った。水晶のかけらみたいなものがあったら、いまほしいだろうかと少し考えた。    2023 9/26
 今度の土曜日9月30日に春日市ふれあい文化センターで開かれるロビーピアノ開放イベントの抽選に通った。  前に抽選に通ったときにはショパンの幻想ポロネーズを弾いた。今回は自作を中心に弾こうと考えている。自作といっても日ごろ一枚楽譜として書いているものを持って行ってその場で音を確かめながら弾くつもりでいる。    このごろの一枚楽譜は、ピアノだと指一本で弾けるようなものを書いている。音を重ねて雄弁に語るのはいまの自分には難しい。ひとつひとつの音を思いながら書いていたい。   五線紙にペンで楽譜 2023 9/24    2023 9/25  
メタセコイアの木立ちを見上げる  オカリナをゆっくり吹いていたら乗り物に乗ったこどもさんが来た。こんにちはと言ったら去っていった。こどもさんが知っていそうな歌を吹いた。  今日はカリンバ類も鳴らしている。風が涼しい。   2023 9/24
ツルボの花  ゆるゆる散歩。午前はいつもご一緒くださる方々や初めての方やひさしぶりの方と短い時間ながら草を見て過ごした。午後はいつもお話に来てくださる方と草の話をした。  ツルボの花が観察にちょうどよかった。公園で虫探しをしていたこどもさんが捕まえたとんぼを見せてくれた。   2023 9/23
木立ちの上に夕空 雲
 オカリナを吹きにいつもの公園へ。ときどきお見かけするけれど話をしたことはない自転車の方とすれ違った。いらっしゃい、とおっしゃったように聞こえた。    夏の名残りが続いている。   2023 9/18
桜の大枝  にぎやかな場所から少し静かな場所へ。むかしよく通っていた桜の下。  こういう所でカリンバなどをぽつぽつ鳴らしているのが自分はちょうどいい気がする。  また雨が降る前に動こうと思う。   2023 9/16
くすのきを見上げる  ひと休みしてここでよく買うホットドッグを食べて、今度はムックリを鳴らす。このごろはムックリも持ち歩いている。  遠くで雷鳴がしている。どちらかというと雷鳴のほうへ向かって行くことになりそうだ。   2023 9/10 その2
松の木を見上げる  もう少し遠くへ行こうと思っていたけれど、まだ暑い。思い直して水辺の公園に寄った。  トランペットの音がしている。ゆったりと。こちらもオカリナや竹カリンバをゆっくり鳴らした。そろそろ行こうと思う。   2023 9/10
水辺のカリンバたち  誰でもどうぞの「だっでんカリンバ」、今日は韓国から御旅行の方が17音カリンバを鳴らしてごらんになった。何もお教えしないまま、ドレミファをすんなり鳴らしておられた。  あまりに暑くてカリンバのキーが熱くなった。野外音楽活動はもう少し涼しくなってからがよいのだろう。   2023 9/3
メタセコイアの木立ち 雲の向こうの夕日  オカリナを吹く。思いつくままの即興だけ。こんなふうに即興だけ吹いて過ごすのも少しひさしぶりな気がする。    つくつくぼうしが今年はあまり聞こえないなと思っていたけれど、いまこのあたりいっぱいに鳴いている。その声を聴きながら自分の音を伸ばした。 2023 9/2
雨の公園の木立ち  さきほどまでこのベンチで、よくお目にかかるギターの弾き語りの方が歌ってらっしゃった。雨が強くなり、こちら側のひさしの下に退避なさって、雨が止んだ間にお帰りになった。  そのあとまた雨が降り出した。ひさしの下でリンバを鳴らした。雨の中、からすが木立ちの下を歩いていた。 2023 8/27
林の中 西陽さす  ゆるゆる坂を登って峠を越えて、公園の林にたどり着いた。ひとりオカリナを吹く。  下で遊ぶ御家族の方々の声が聞こえてくる。残る夏をひとしきり浴びる。    2023 8/19
春日市ふれあい文化センターのエントランスロビーに置かれているグランドピアノ  この夏は一般の方々が出演するピアノイベントが福岡近郊で毎週のように開かれていて、できるだけ聴きに行っている。これまでに太宰府市、春日市のイベントでさまざまな方々の演奏を拝聴した。    一般参加ピアノイベントについては自分のブログで記事を書いたことがある。こどもさんが多く、ういういしい演奏や若々しく流麗な演奏が聴けるけれど、おとなの方もエントリーして、それぞれ味のある演奏を聴かせてくださる。おとなの方はピアノを習っていない方も出演なさるので、音楽のスタイルというか中身や味わいもさまざまに、音楽の濃い時間がステージやロビーの場で繰り広げられる。  パブリックピアノ(ストリートピアノ)もさまざまな方の演奏、音が聴ける場だけれど、弾く方がなかなか現れなかったりする。さまざまな音楽が繰り広げられる時間をひととき過ごすことができるのが、一般参加型のピアノイベントのよさだろう。    この週末は、篠栗町と久山町でイベントが開かれる。福岡市の箱崎ではマルシェにストリートピアノが置かれる。きっとそれぞれの場で、さまざまな方のさまざまな音と出会えるだろう。そうした出会いを受け止めながらこの夏を最後まで歩いていきたい。    2023 8/18
展望台のやぐら そこへ続く粗い石段  公園の見晴らしやぐらでオカリナを吹いていたら、ピー、ピーという音が聞こえてきた。鳥かと思っていたら、下からこどもさんと親御さんらしき方々がやってこられるのが見えた。どうもこどもさんが笛を鳴らしているようだった。ちょっとオカリナを止めて様子を見る。ご家族はこちらへは来ないで遊具のほうへ行って、それから広場でキャッチボールを始めた。オカリナをまた吹いた。  その後、私も広場に降りて、テーブルについてパンを食べた。こどもさんが近づいてきて、こんにちはと挨拶した。挨拶を返すとこどもさんはテーブルの上にあった何かプラスチックの小さな物を持っていった。それがさっきの笛だったようだ。ご家族は去っていった。こどもさんがこちらを見た。手を振ったら振り返してくれた。  また笛の音が、ピー、ピーとし始めた。今度は私もオカリナで、ピー、ピーと音を鳴らした。それが聞こえたかどうか、こどもさんの笛の音はその後もリズムを変えながら続いた。聞こえなくなるまで私もオカリナで返事をし続けた。  高い雲にも陽が当たらなくなって色がくすんできた。夏の一日が終わる。  2023 8/11のこと
 生えてくるもの。生えいずるもの。生え来たるもの。生え居るもの。このごろ、そういう言葉でいろいろ思いめぐらせ考えめぐらせている。    生えなくした、生えてこないようにしたこの社会の、亀裂のような所に、生えてくるものがある。その生えてくることが、ここは社会である前に世界なのだ、もともとは世界だったのだと明かしている。そんなことを思う。    むしろ、生えてきたものが、ひとつ、世界を担っているのかもしれない。世界をひとつ始めるのかもしれない。  草にしても木にしても、音にしても。    2023 8/8
田畑のはるか遠くに残照の入道雲 自分の長かった何かの季節が終わった、過ぎていたと感じた。 2023 8/5
山の中の小川
 ひさしぶりの山道。水音を聞きながらひと息ついて、木おかりなでFとGだけの音をゆっくり鳴らした。  最後はFだけ。みずみずしい空気を吸ってそのままオカリナに入れるだけ。水音のような、せみしぐれのような、音になった。    2023 7/30
 むかし、友だちが住んでいたマンションの横に差し掛かった。前の木がわしわし鳴いている。何度かおうちに遊びに行ったのだった。  いま、彼がいない世界を生きている。そのことをひしと感じた。向かいの駐車場の脇で、あじさいが咲き終えた花をたくさん掲げていた。    2023 7/29  
さっき、かねたたきが鳴いていた。聞けてうれしい。 2023 7/29に日付が変わる頃
とうかえでの木  史跡広場にギター弾き語りの方が。よく通る明るい歌声。以前ときどきお目にかかっていたブルースの方かと思ったけれど、歌が違う。忌野清志郎さんの歌のような感じ。オリジナルかもしれない。  少し離れたとうかえでの木の下で石に座ってしばらく聴く。不思議な歌詞が広場に広がっていく。近くで聴きたくなって近くへ行った。やはりお会いしたことがない方だった。  少しお話しした。ここでときどき歌ってらっしゃるとのこと。あんまりレパートリーがないからと、さっき歌っていらした歌をまた聴かせてくださった。時間を忘れそうなひとときだった。またどこかで拝聴できたら。   2023 7/23のこと
 わしわしの声が鳴り響く季節になった。  いまできる範囲のことをこつこつやっていくしかない。もう何もできないと思いながら、そこへ立ち戻る。    2023 7/23 朝
公園の野原 シロツメクサ オオバコ コゴメガヤツリ 向こうにくすのきの木と丘の林  笛を鳴らしていた方に声を掛けた。お坊様だったお父様が使っていらした笛だそう。もともとは供養や儀式に使うものらしい。細く息を通して吹く、その練習をしているとのことだった。  霊が見えるとおっしゃる。笛の音を、亡くなった人たちが聞きに来るのだともおっしゃっていた。    私の音は供養になるだろうか。   2023 7/20 撮影
蝉の幼虫が歩いていく  公園で夜を迎えた。オカリナを吹くでもなく過ごしていると、かさかさと音がした。ひょっとして…と思って音のほうを見たら、やはり蝉の幼虫だった。  あっという間に見失った。行く手のどれかの木に行き着いていたらいい。    気がつくと、こおろぎの声がしていた。今年初めて聞く。さっきからしていたのだろう。    2023 7/19 撮影
メヒシバの茂る芝の斜面に斜めの日差し  オカリナを吹いて、休んでいる。遠くから楽器の音がしているような気がするけれどそちらまでは行かないでいる。ようやく涼しい風が吹いた。 2023 7/17
五線紙ルーズリーフに鉛筆で音符 D4 D♭4 C♭4 G4 A4 自分にとって音楽のコースはひとつではないどころか道のない原っぱのようなものだから、誰かが音楽をやっているのを聞くと、そのコースが自分にとってわけがわからないほうが、いったいどんな道を行っているのだろうと思っておもしろい。 そんなわけわからない道を自分も行っているのだろう。 2023 7/15
水辺のオカリナ  水面を鴨がやってきた。オカリナを鳴らし始めたら、とたんに方向を変えて去っていった。    この日は坂本龍一のAquaをオカリナで初めて吹いた。最後の音を吹いているとき、遠くでばたばたと音がした。大きな水鳥が水面を翼で叩いていた。     2023 7/14 昨日のこと
メタセコイアの木立ち 夏の空  タイル舗装の遊歩道広場は、水が溜まっていた跡があった。落ち葉や落ちている実が多いような気もするけれど、ふだんとそう変わらない気もする。  オカリナでその場フレーズと夏の曲を少し吹いた。近くの木立ちの中にどなたかいらっしゃった。その方のあと、むくどりが群れでやってきて地面をつついて歩いていた。  2023 7/11
過ぎた雨  夕空 夕日 遠い雲    2023 7/10
雨の土手の桜並木 水たまり 向こうに橋  これから来る雨に打たれて、という言葉を思った。    2023 7/8 久留米  
五線紙ルーズリーフに鉛筆でぽつぽつと音符 2023 7/8  今日のぽつぽつ音楽    いまは自分はこういう音楽しか作れない。こういう音楽しか作りたくない気もしている。    それでも、どうあれ、作りたい。作っていたい。    2023 7/8
自作の「ピアノのための6つの小品」をポストカードサイズで印刷して販売を始めました。よろしければごらんください。 アトリエそらのべ Atelier Soranobé ピアノのための6つの小品 ポストカードサイズ 2023 7/6
草の広場 遠くに木立ち  芝生広場というか、芝のほかにシロツメクサやアメリカスズメノヒエやオオバコなどの草が茂る広場の端のベンチに掛けて、ゆっくりとオカリナを吹き始める。  ひとフレーズ吹いて手を休めていると、何か広場に飛んできた。黒っぽい虫。素早く草地の上を飛んで回る。少し見ていると、この公園のタイル舗装の場所でよく見る、ルリタテハ(蝶)だとわかった。  どこにも止まらず大きく飛び回って、だんだん近づいてきたかと思ったら、私の半袖シャツの袖にとまった。あららと思って、ちょっと写真に撮りたくなりスマートフォンをそっと構えようとしたら、さっと飛んでいった。しばらくしてまた来た。同じように袖にとまった。また写真を撮ろうとして、また飛んでいった。  そのあと仲間なのかライバルなのか、ほかのルリタテハが広場にやってきた。そちらとつるむのか争うのかが忙しくなったようで、ルリタテハはこちらまで来なくなった。やがてみな、どこかへ去っていった。    足元に、トキワハゼの小さな花。広場は人もいなくなった。    ときわはぜの花 地面に這うように 薄紫    2023 7/6 まもなく日暮れ    ★ noteにも載せました  
白いさんごのようなキノコ 林の地面に  この前、林の端の大くすのきの下でオカリナを吹いて、林を抜けて帰ろうとしたら、足元に白いさんごみたいなものが。木から何か落ちたのかと思ってよく見たら、以前須崎公園の林で見たようなキノコだった。  須崎公園のキノコは、枝というのか茎というのか、わりと個別に立ち上がっている感じだったが、こちらは違うよう。いま調べたけれど種類はちょっとわからない。  2023 7/4
彩雲 彩雲が出ている 2022 11/25
年月  ドーハの悲劇のときはテレビで見ていた。実際のところそんなに熱心なサッカーファンでも日本びいきでもなかったと思うけれど、それでもボールがゴールにあれよあれよと言う間に入っていったのとその後のピッチ上の選手たちの光景をたしかに覚えている。  あれから29年経ったのらしい。その数字が、多いような気もするし少ないような気もする。    ということは祖父が亡くなってからも29年経ったということになる。  あの年、私は論文を書き上げた後、就職活動をしていた。そして考え直した。でもあのときもっとあの方向へ頑張っていたら、その先にこの人生とは違う、人並みの人生があったのだろうか。そういう別れ道がその後も何度もあった気がする。    29年の年月が大きく何度もねじれたメビウスの輪のようになって、いま1周したように感じる。そんなふうに感じることがこれからまだいろいろあるのだろう。何かにつけて。 2022 11/24 未明
雨が降る    天気予報をふだん2社見ている。1社は雨の1時間予報がよく当たるが、ときどき少し先の時間帯でおかしな予測が出る。もう1社は予報が安定している感じだが細かいことが当たらない。  今日の予報は、前者が午前中いっぱい雨、午後も少し降る時間帯がある。後者は午前中に上がる。    ということだったが、昼下がりの雨の音を聞いている。   2022 11/23
草のあしおと テスト運用中  自分のウェブサイトを作り直すにあたって、しばらくのあいだ、ここをテスト運用の場所に使います。  最近はツイッターを中心に使っていましたが、またそれ以前はブログをいくつも作ってそれぞれに使っていましたが、そうしたサービスに自分の文章を載せているといつなんどきサービスが廃止されて載せたものが消えてしまったり、仕様が変更されて更新ができなくなったりするかわからないなと思うようになりました。ツイッターも会社のトップが変わって今後の運営方針がどうなるかわからず、方針次第では使うのを見合わせたいとも考えています。そうした場で書いてきたことをあらためて書き続ける場として、やはり自前のウェブサイトはだいじだなと思うようになってきました。  ということで、自分のウェブページ作りの勘を取り戻すというか、どういうことができるか再確認、再発見したいので、いろいろやってみます。手の込んだことは持続可能でないので、スタイルはこういう、文章中心の簡素なスタイルでやっていこうと考えています。 2022年11月23日 みっ mitt ★ このページのラインはHimawari Gardenさんのライン素材を使わせていただいています そらのべ